公開日: 2017/12/07 (掲載号:No.247)
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租税争訟レポート 【第35回】「専ら従業員の慰安のために行われた「感謝の集い」に要した費用の交際費等該当性(福岡地方裁判所判決)」

筆者: 米澤 勝

租税争訟レポート

【第35回】

「専ら従業員の慰安のために行われた「感謝の集い」に要した費用の交際費等該当性(福岡地方裁判所判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

福岡地方裁判所平成27年(行ウ)第15号
法人税更正処分等取消請求事件

(平成29年4月25日判決、国税庁訴資 Z888-2083)

[原告]

株式会社児湯食鳥

[被告]


処分行政庁:高鍋税務署

[争点]各更正処分等の適法性

本件の福利厚生費は措置法61条の4第1項の「交際費等」に該当するか。

① 従業員全員を対象として慰安目的で支出される費用は、福利厚生費とし、同条項の「交際費等」には該当しないのか

② 「感謝の集い」行事に係る費用は、措置法61条の4第3項の「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用」に該当するか

[判決]

一部却下、一部取消し

 

【事案の概要】

本件は、養鶏事業、食肉等食料品の販売事業等を営む原告が、原告の役員及び従業員並びに下請先である協力会社等の役員及び従業員合計1,000人程度が参加する「感謝の集い」を年に1回、大型リゾートホテルの宴会場で行っていたところ、熊本国税局調査課の税務調査において、「感謝の集い」に要した費用は交際費等に該当するとの指摘を受け、処分行政庁である高鍋税務署がその指摘に従った更正処分を行った。当該更正処分を不服とした原告は、異議申立、審査請求を経て、本件訴訟の提起に踏み切ったものである。

争点は、原告が福利厚生費とした「感謝の集い」に要した費用が、交際費等に該当するか否かである。

各事業年度における「感謝の集い」の参加者は約1,000人、参加率は71%から75%程度であり、1人当たりの費用は概ね2万円台前半であった。

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【第35回】

「専ら従業員の慰安のために行われた「感謝の集い」に要した費用の交際費等該当性(福岡地方裁判所判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

福岡地方裁判所平成27年(行ウ)第15号
法人税更正処分等取消請求事件

(平成29年4月25日判決、国税庁訴資 Z888-2083)

[原告]

株式会社児湯食鳥

[被告]


処分行政庁:高鍋税務署

[争点]各更正処分等の適法性

本件の福利厚生費は措置法61条の4第1項の「交際費等」に該当するか。

① 従業員全員を対象として慰安目的で支出される費用は、福利厚生費とし、同条項の「交際費等」には該当しないのか

② 「感謝の集い」行事に係る費用は、措置法61条の4第3項の「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用」に該当するか

[判決]

一部却下、一部取消し

 

【事案の概要】

本件は、養鶏事業、食肉等食料品の販売事業等を営む原告が、原告の役員及び従業員並びに下請先である協力会社等の役員及び従業員合計1,000人程度が参加する「感謝の集い」を年に1回、大型リゾートホテルの宴会場で行っていたところ、熊本国税局調査課の税務調査において、「感謝の集い」に要した費用は交際費等に該当するとの指摘を受け、処分行政庁である高鍋税務署がその指摘に従った更正処分を行った。当該更正処分を不服とした原告は、異議申立、審査請求を経て、本件訴訟の提起に踏み切ったものである。

争点は、原告が福利厚生費とした「感謝の集い」に要した費用が、交際費等に該当するか否かである。

各事業年度における「感謝の集い」の参加者は約1,000人、参加率は71%から75%程度であり、1人当たりの費用は概ね2万円台前半であった。

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連載目次

租税争訟レポート

第1回~第30回

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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