公開日: 2021/01/14 (掲載号:No.402)
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さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第67回】「ヤフー事件」~最判平成28年2月29日(民集70巻2号242頁)~

筆者: 菊田 雅裕

さっと読める!

実務必須の

[重要税務判例]

【第67回】

「ヤフー事件」

~最判平成28年2月29日(民集70巻2号242頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

ヤフー事件

最判平成28年2月29日(民集70巻2号242頁)

《概要》

X社は、平成21年2月24日に、A社からB社の発行済株式の全部の譲渡を受け、同年3月30日に、B社を吸収合併した。その後、X社が、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの事業年度(本件事業年度)の法人税の確定申告に当たり、適格合併に適用される法人税法57条2項により、B社の未処理欠損金額をX社の欠損金額とみなして、これを損金の額に算入したところ、Y税務署長はこれを認めず、X社に対し、更正処分をした。そこで、X社は、その取消しを求める訴訟を提起した。

最高裁は、X社の主張を認めなかった。

《関係図》

▷争点

法人税法132条の2の「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義及びその該当性の判断方法。

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実務必須の

[重要税務判例]

【第67回】

「ヤフー事件」

~最判平成28年2月29日(民集70巻2号242頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

ヤフー事件

最判平成28年2月29日(民集70巻2号242頁)

《概要》

X社は、平成21年2月24日に、A社からB社の発行済株式の全部の譲渡を受け、同年3月30日に、B社を吸収合併した。その後、X社が、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの事業年度(本件事業年度)の法人税の確定申告に当たり、適格合併に適用される法人税法57条2項により、B社の未処理欠損金額をX社の欠損金額とみなして、これを損金の額に算入したところ、Y税務署長はこれを認めず、X社に対し、更正処分をした。そこで、X社は、その取消しを求める訴訟を提起した。

最高裁は、X社の主張を認めなかった。

《関係図》

▷争点

法人税法132条の2の「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義及びその該当性の判断方法。

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連載目次

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例]

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第1回~第60回

第61回~

筆者紹介

菊田 雅裕

(きくた・まさひろ)

弁護士
横浜よつば法律税務事務所

【略歴】
・平成13年 東京大学法学部卒業
・平成16年 司法試験合格
・平成18年 弁護士登録
・平成23~25年 福岡国税不服審判所 国税審判官
・平成25~26年 東京国税不服審判所 国税審判官

【著書】
さっと読める!実務必須の重要税務判例70』(清文社、2021年)

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