公開日: 2019/01/10 (掲載号:No.301)
文字サイズ

空き家をめぐる法律問題 【事例10】「空き家の所有者が行方不明の場合の遺産分割協議」

筆者: 羽柴 研吾

空き家をめぐる法律問題

【事例10】

「空き家の所有者が行方不明の場合の遺産分割協議」

 

弁護士 羽柴 研吾

 

- 事 例 -

祖母が生前居住していた建物は、祖母名義のまま空き家になっています。祖母の相続人は、私の父を含む兄妹5人ですが、そのうち1人は連絡先も分からず行方不明となっています。私の父は、兄妹と空き家の遺産分割協議をせず亡くなりました。

私は、空き家が老朽化しており、また昨今の風水害の被害を受けていることもあり、早急に遺産分割協議をしておきたいと考えています。どのような方法でどのような遺産分割協議をすることが考えられるでしょうか。

(※) なお、本件では相続放棄の可能性はないものとする。

 

1 はじめに

近時、相続が発生しているにもかかわらず、遺産分割協議や相続登記が行われずに放置されている空き家が問題となっている(相続登記の問題については【事例9】を参照)。

この中には、遺産分割協議が行われないまま二次相続が発生している場合もある。孫の世代が相続人となる場合には、相続人数が増えるだけでなく、人間関係も希釈化され、お互いに音信不通で連絡先を把握していないこともある。一方で、遺産分割をせず老朽化した空き家を放置すると、民事上の不法行為責任や行政上の法的責任を追及される可能性がある。

そこで今回は、相続人の中に行方不明者がいる場合に、他の相続人が、どのような方法で、どのような遺産分割協議を行うことができるか検討することとしたい。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

空き家をめぐる法律問題

【事例10】

「空き家の所有者が行方不明の場合の遺産分割協議」

 

弁護士 羽柴 研吾

 

- 事 例 -

祖母が生前居住していた建物は、祖母名義のまま空き家になっています。祖母の相続人は、私の父を含む兄妹5人ですが、そのうち1人は連絡先も分からず行方不明となっています。私の父は、兄妹と空き家の遺産分割協議をせず亡くなりました。

私は、空き家が老朽化しており、また昨今の風水害の被害を受けていることもあり、早急に遺産分割協議をしておきたいと考えています。どのような方法でどのような遺産分割協議をすることが考えられるでしょうか。

(※) なお、本件では相続放棄の可能性はないものとする。

 

1 はじめに

近時、相続が発生しているにもかかわらず、遺産分割協議や相続登記が行われずに放置されている空き家が問題となっている(相続登記の問題については【事例9】を参照)。

この中には、遺産分割協議が行われないまま二次相続が発生している場合もある。孫の世代が相続人となる場合には、相続人数が増えるだけでなく、人間関係も希釈化され、お互いに音信不通で連絡先を把握していないこともある。一方で、遺産分割をせず老朽化した空き家を放置すると、民事上の不法行為責任や行政上の法的責任を追及される可能性がある。

そこで今回は、相続人の中に行方不明者がいる場合に、他の相続人が、どのような方法で、どのような遺産分割協議を行うことができるか検討することとしたい。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

空き家をめぐる法律問題

連載が大幅加筆で単行本になりました!!
くわしくは[こちら

筆者紹介

羽柴 研吾

(はしば・けんご)

弁護士
弁護士法人東町法律事務所(神戸事務所所属)

企業法務、金融法務、自治体法務(固定資産税含む)を中心に一般個人案件にも従事。
現在は、企業の事業承継問題、研究開発税制、不動産投資を含む空家対策問題に関心を寄せる。

【略歴】
京都府出身
平成17年 立命館大学法学部卒業
平成19年 立命館大学法科大学院修了、新司法試験合格
平成20年 弁護士登録
平成24年 仙台国税不服審判所(国税審判官)
平成27年 東京国税不服審判所(国税審判官)
平成28年 日弁連法務研究財団「国税不服審査制度に関する研究」研究員

【著書】
民法改正に対応 空き家の法律問題と実務対応
 

関連書籍

信託法務大全 第2編

田中和明 編著 小出卓哉 編著 及川富美子 著 齋藤 崇 著 佐久間 亨 著 冨田雄介 著 畠山久志 著 松田和之 著 森田豪丈 著

【電子書籍版】相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

【電子書籍版】資産税実務問答集

後藤幸泰 編 信永 弘 編

ここが違う! プロが教える土地評価の要諦

税理士・不動産鑑定士 東北 篤 著

〇×判定ですぐわかる資産税の実務

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

資産税の取扱いと申告の手引

後藤幸泰 編 信永 弘 編

資産税実務問答集

後藤幸泰 編 信永 弘 編

相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

不動産の評価・権利調整と税務

鵜野和夫 著 税理士・不動産鑑定士 下﨑 寛 著 税理士・不動産鑑定士 関原教雄 著

土地・株式等の財産評価

税理士 香取 稔 著

不動産実務百科Q&A

一般財団法人 日本不動産研究所 著

原価計算の税務

税理士 鈴木清孝 著
#