公開日: 2020/09/10 (掲載号:No.385)
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〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《経過勘定-前払費用》編 【第1回】「短期の前払費用の取扱い」

筆者: 前原 啓二

〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領
《経過勘定-前払費用》

【第1回】

「短期の前払費用の取扱い」

 

公認会計士・税理士 前原 啓二

 

連載の目次はこちら

本連載の趣旨

「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小企業会計指針」とします)は、中小企業が計算書類の作成に当たり拠ることが望ましい会計処理等を示すもので、一定の水準を保ったものとされています。これに比べ簡単な会計処理をすることが適切と考えられる中小企業を対象に「中小企業の会計に関する基本要領」も公表されました。

しかし、これらは簡潔に文章で記載されており、概念的には理解できても、実際にはどのように会計処理するのかがわからないため、仕方なく法人税法の規定による決算処理を続けている中小企業が散見されます。

そこで、本連載では、実際の中小企業で行われている基本的かつ重要な会計処理の事例をテーマごとに選び出し、「中小企業会計指針」等に基づく会計処理の一例について数値例を用いて具体的に示して、実務上のモデルとなるように解説します。

連載の第14弾として、『経過勘定』の中から『前払費用』を取り上げます。ここでは、中小企業において比較的よく行われている事例から、法人税法等の規定による処理と関連づけして紹介します。また、前払費用と前払金等との使い分けについても取り上げます。

本連載が、「中小企業会計指針」等のより一層の普及、さらに、中小企業の経営実態の正確な把握や適切な経営管理への発展に、少しでもつながれば幸いです。

▷《経過勘定-前払費用》編のラインナップ

  • 【第1回】 短期の前払費用の取扱い(本稿)
  • 【第2回】 前払費用と前払金等との勘定科目の使い分け

 

はじめに

前払費用、前受収益、未払費用、未収収益については、経過勘定項目として処理するのが原則ですが、前払費用については、法人税基本通達が短期の前払費用として一定の要件を満たす場合、支払時点での費用処理を認めています(法基通2-2-14)。

また「中小企業会計指針」においても、この通達の取扱いを適用可能としています(中小企業会計指針31)ので、今回はこの短期の前払費用の取扱いをご紹介します。

【設例1】

(1) A社(9月30日決算)が、新規取得した配送トラックの自動車損害保険料(保険期間:X2年10月1日~X3年9月30日の1年間)120,000円を、X2年9月30日に一括年払しました。

(2) 上記(1)のケースから少し変えて、決算期を9月30日決算でなく8月31日決算とし、保険期間がX2年10月1日からX3年9月30日の1年間の保険料120,000円を、期末日のX2年8月31日に一括年払したケース。

(3) 上記(1)のケースから少し変えて、新規取得したトラックではなく1年早いX1年10月1日に取得したトラックとし、これに係るX1年10月1日からX2年9月30日の1年間の保険料120,000円を前期末のX1年9月30日に一括年払した際、その全額をX2年9月期に保険料計上していたとして、同トラックに係る次のX2年10月1日からX3年9月30日の1年間の保険料120,000円を、X2年9月30日に同じく一括年払したケース。

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〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領
《経過勘定-前払費用》

【第1回】

「短期の前払費用の取扱い」

 

公認会計士・税理士 前原 啓二

 

連載の目次はこちら

本連載の趣旨

「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小企業会計指針」とします)は、中小企業が計算書類の作成に当たり拠ることが望ましい会計処理等を示すもので、一定の水準を保ったものとされています。これに比べ簡単な会計処理をすることが適切と考えられる中小企業を対象に「中小企業の会計に関する基本要領」も公表されました。

しかし、これらは簡潔に文章で記載されており、概念的には理解できても、実際にはどのように会計処理するのかがわからないため、仕方なく法人税法の規定による決算処理を続けている中小企業が散見されます。

そこで、本連載では、実際の中小企業で行われている基本的かつ重要な会計処理の事例をテーマごとに選び出し、「中小企業会計指針」等に基づく会計処理の一例について数値例を用いて具体的に示して、実務上のモデルとなるように解説します。

連載の第14弾として、『経過勘定』の中から『前払費用』を取り上げます。ここでは、中小企業において比較的よく行われている事例から、法人税法等の規定による処理と関連づけして紹介します。また、前払費用と前払金等との使い分けについても取り上げます。

本連載が、「中小企業会計指針」等のより一層の普及、さらに、中小企業の経営実態の正確な把握や適切な経営管理への発展に、少しでもつながれば幸いです。

▷《経過勘定-前払費用》編のラインナップ

  • 【第1回】 短期の前払費用の取扱い(本稿)
  • 【第2回】 前払費用と前払金等との勘定科目の使い分け

 

はじめに

前払費用、前受収益、未払費用、未収収益については、経過勘定項目として処理するのが原則ですが、前払費用については、法人税基本通達が短期の前払費用として一定の要件を満たす場合、支払時点での費用処理を認めています(法基通2-2-14)。

また「中小企業会計指針」においても、この通達の取扱いを適用可能としています(中小企業会計指針31)ので、今回はこの短期の前払費用の取扱いをご紹介します。

【設例1】

(1) A社(9月30日決算)が、新規取得した配送トラックの自動車損害保険料(保険期間:X2年10月1日~X3年9月30日の1年間)120,000円を、X2年9月30日に一括年払しました。

(2) 上記(1)のケースから少し変えて、決算期を9月30日決算でなく8月31日決算とし、保険期間がX2年10月1日からX3年9月30日の1年間の保険料120,000円を、期末日のX2年8月31日に一括年払したケース。

(3) 上記(1)のケースから少し変えて、新規取得したトラックではなく1年早いX1年10月1日に取得したトラックとし、これに係るX1年10月1日からX2年9月30日の1年間の保険料120,000円を前期末のX1年9月30日に一括年払した際、その全額をX2年9月期に保険料計上していたとして、同トラックに係る次のX2年10月1日からX3年9月30日の1年間の保険料120,000円を、X2年9月30日に同じく一括年払したケース。

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連載目次

〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領

《金銭債権-手形債権・電子記録債権》 編(全2回)

《金銭債務-社債》 編(全1回)

《繰延資産・資産除去債務-敷金》 編(全2回)

筆者紹介

前原 啓二

(まえはら・けいじ)

公認会計士・税理士

昭和60年 慶應義塾大学商学部卒業
昭和62年 監査法人中央会計事務所(後の中央青山監査法人)入社
平成 3 年 公認会計士登録
平成 5 年 クーパース・アンド・ライブランド(現プライスウォーターハウスクーパース)ロンドン事務所勤務
平成12年 前原会計事務所開設、米国公認会計士試験合格

現在、前原会計事務所代表
関西学院大学大学院経営戦略研究科客員教授
兵庫県社会福祉協議会経営相談室専門相談員

【著書等】
・『居住者の国外財産調書制度と外国税額控除』(清文社)
・『事例とチェックリストでよくわかる外国税額控除の申告実務』(清文社)
・『「中小企業の会計に関する指針」ガイドブック(平成20年版)』(共著)(清文社)
・『国際会計基準なるほどQ&A』(共著)(中央経済社)
・「関連会社・取引先支援をめぐる税務の問題―人的役務の提供」『月刊税理』2011年8月号(164項‐170項)(ぎょうせい)

 

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