酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第102回】「節税義務が争点とされた事例(その5)」
東京地裁平成7年11月27日判決(判時1575号71頁)は、2億8,000万円もの税理士の債務不履行責任が肯定された事例として、つとに有名な事件である。3,000万円もの報酬をとりながら、「時間がなかったのでとりあえず延納の手続をとっておきました。物納にしたければ、そのときまた私が手続をとります。」などという誤った教示をしていた事件として、税理士の賠償責任問題を論ずる際、しばしば登場する事件である。
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