はじめに
平成26年度税制改正として、「所得税法等の一部を改正する法律」、「地方法人税法」及び「地方税法等の一部を改正する法律」の３つの法律が平成26年３月20日に成立し、３月31日に公布され、別段の定めがあるものを除いて４月１日から施行されました。
今年度の税制改正は、「デフレ脱却・経済再生」の実現、税制抜本改革の着実な実施、震災からの復興支援等を基本的な考え方としています。
法人税関係では、所得・消費を拡大する観点から、給与等支給額を増加させた企業を支援する所得拡大促進税制が拡充されました。また、経済活性化の観点からは、交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用の額の50％を損金算入する措置が講じられ、復興特別法人税は１年前倒しで終了することとされました。さらに、民間投資の活性化の観点からは、企業の収益力の底上げを図るための生産性向上設備投資促進税制が創設されるとともに、中小企業については、生産性向上設備投資促進税制の対象設備に対する中小企業投資促進税制が拡充される措置が講じられるなどしました。
個人所得課税の分野では、給与所得控除の上限額の引下げや、NISA の利便性向上のための見直しが行われ、消費税関係では、外国人旅行者向け消費税免税制度の対象拡大や、簡易課税制度について金融業、保険業及び不動産業のみなし仕入れ率の見直しがされました。そのほか、エコカー減税の拡充、国際課税原則の見直しや、納税環境整備として納税に関する猶予制度の見直し、国税不服申立制度の見直し、税理士制度の見直しなどが行われました。
本冊子は、このような平成26年度税制改正の内容を、図表やイラストを用いてわかりやすく解説しました。本冊子が経営者や資産家の方をはじめ、税務会計の実務に携わる方々のお役に立つことができれば幸甚です。
