公開日: 2016/03/22
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平成25年度税制改正(所得税制)

筆者:

 

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〔Ⅱ〕 所得税制 改正のポイント

1 所得税の最高税率の引上げ

【1】 所得税の税率構造の見直し(所法89)

所得税については、これまでの大幅な累進緩和でフラット化が進み、わが国経済に格差拡大の傾向が見られる中で、所得再分配機能が低下しています。このような状況を受けて、所得税の最高税率の引上げが行われますが、平成26年4月からの消費税率の引上げや平成25年からの復興特別所得税による負担増等にも配慮し、特に高い所得階層に絞って負担増を求めることとされました。

具体的には、平成27年より、改正前の所得税の税率構造に加えて、課税所得4,000万円超について45%の税率が設けられました。

《適用期日》
この改正は、平成27年分以後の所得税について適用されます。

【2】 源泉徴収税額表等の見直し(所法別表第2~別表第4)

上記【1】の改正に伴い、平成27年1月1日以後に支払うべき給与等について、給与所得の源泉徴収税額表(月額表及び日額表)及び賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表が見直されました。

 

2 少額上場株式等に係る非課税措置(日本版ISA)の拡充

〇日本版ISA とは
少額投資のための非課税制度で、イギリスのIndividual Savings Account(個人貯蓄口座)制度を参考にしていることから「日本版ISA」とよばれます。

非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(日本版ISA)等について、次の措置が講じられました(措法9の8、37の14)。

① 非課税口座を開設することができる期間が、平成26年1月1日から平成35年12月31日まで(改正前:平成26年1月1日から平成28年12月31日まで)とされました。

② 非課税の対象となる配当等及び譲渡所得等が、次に掲げるものとされました。

イ 非課税口座に非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後5年を 経過する日までの期間(以下「非課税期間」といいます。)内に支払を受けるべき 非課税口座内上場株式等の配当等 ロ 非課税期間内に金融商品取引業者等への売委託等による譲渡をした場合におけるそ の譲渡に係る非課税口座内上場株式等の譲渡所得等

③ 非課税口座に関する要件について、次の見直しが行われました。

イ 非課税口座を開設された金融商品取引業者等は、その非課税口座を開設した居住者 等から提出を受けた非課税適用確認書(改正前:非課税口座開設確認書)に記載さ れた勘定設定期間(非課税口座に新たに非課税管理勘定を設けることができる期間 をいいます。)内の各年の1月1日(年の中途において非課税適用確認書が提出さ れた場合におけるその提出年にあっては、その提出の日)に非課税管理勘定を設け るものとされました。 ロ 各年分の非課税管理勘定においては、一定の上場株式等で、非課税口座に非課税管 理勘定が設けられた日から同日の属する年の12月31日までの間に受け入れた上場株 式等の取得対価の額の合計額が100万円を超えないものを受け入れることができる こととされました。 ハ 非課税適用確認書は、居住者等からの申請に基づき税務署長から交付を受けた書類 で、勘定設定期間の区分に応じた各基準日における国内の住所その他の事項が記載 された書類とされました。 ニ 非課税適用確認書の交付を受けようとする居住者等は、交付申請書に上記ハの基準 日における住所地を証する住民票の写し等を添付して、勘定設定期間の開始の日の 属する年の前年10月1日からその勘定設定期間の終了の日の属する年の9月30日ま での間に、金融商品取引業者等の営業所に提出するものとされました。ホ 居住者等は、同一の金融商品取引業者等に重複して非課税口座を開設することがで きないものとされ、同一の勘定設定期間に重複して非課税適用確認書を提出するこ とができないものとされました。

④ 上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)が、平成25年12月31日をもって廃止されます。

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1 所得税の最高税率の引上げ

【1】 所得税の税率構造の見直し(所法89)

所得税については、これまでの大幅な累進緩和でフラット化が進み、わが国経済に格差拡大の傾向が見られる中で、所得再分配機能が低下しています。このような状況を受けて、所得税の最高税率の引上げが行われますが、平成26年4月からの消費税率の引上げや平成25年からの復興特別所得税による負担増等にも配慮し、特に高い所得階層に絞って負担増を求めることとされました。

具体的には、平成27年より、改正前の所得税の税率構造に加えて、課税所得4,000万円超について45%の税率が設けられました。

《適用期日》
この改正は、平成27年分以後の所得税について適用されます。

【2】 源泉徴収税額表等の見直し(所法別表第2~別表第4)

上記【1】の改正に伴い、平成27年1月1日以後に支払うべき給与等について、給与所得の源泉徴収税額表(月額表及び日額表)及び賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表が見直されました。

 

2 少額上場株式等に係る非課税措置(日本版ISA)の拡充

〇日本版ISA とは
少額投資のための非課税制度で、イギリスのIndividual Savings Account(個人貯蓄口座)制度を参考にしていることから「日本版ISA」とよばれます。

非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(日本版ISA)等について、次の措置が講じられました(措法9の8、37の14)。

① 非課税口座を開設することができる期間が、平成26年1月1日から平成35年12月31日まで(改正前:平成26年1月1日から平成28年12月31日まで)とされました。

② 非課税の対象となる配当等及び譲渡所得等が、次に掲げるものとされました。

イ 非課税口座に非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後5年を 経過する日までの期間(以下「非課税期間」といいます。)内に支払を受けるべき 非課税口座内上場株式等の配当等 ロ 非課税期間内に金融商品取引業者等への売委託等による譲渡をした場合におけるそ の譲渡に係る非課税口座内上場株式等の譲渡所得等

③ 非課税口座に関する要件について、次の見直しが行われました。

イ 非課税口座を開設された金融商品取引業者等は、その非課税口座を開設した居住者 等から提出を受けた非課税適用確認書(改正前:非課税口座開設確認書)に記載さ れた勘定設定期間(非課税口座に新たに非課税管理勘定を設けることができる期間 をいいます。)内の各年の1月1日(年の中途において非課税適用確認書が提出さ れた場合におけるその提出年にあっては、その提出の日)に非課税管理勘定を設け るものとされました。 ロ 各年分の非課税管理勘定においては、一定の上場株式等で、非課税口座に非課税管 理勘定が設けられた日から同日の属する年の12月31日までの間に受け入れた上場株 式等の取得対価の額の合計額が100万円を超えないものを受け入れることができる こととされました。 ハ 非課税適用確認書は、居住者等からの申請に基づき税務署長から交付を受けた書類 で、勘定設定期間の区分に応じた各基準日における国内の住所その他の事項が記載 された書類とされました。 ニ 非課税適用確認書の交付を受けようとする居住者等は、交付申請書に上記ハの基準 日における住所地を証する住民票の写し等を添付して、勘定設定期間の開始の日の 属する年の前年10月1日からその勘定設定期間の終了の日の属する年の9月30日ま での間に、金融商品取引業者等の営業所に提出するものとされました。ホ 居住者等は、同一の金融商品取引業者等に重複して非課税口座を開設することがで きないものとされ、同一の勘定設定期間に重複して非課税適用確認書を提出するこ とができないものとされました。

④ 上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)が、平成25年12月31日をもって廃止されます。

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