公開日: 2016/04/25
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平成27年度税制改正(相続・贈与税制)

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〔Ⅴ〕 相続・贈与税制 改正のポイント

1 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長

足下の住宅着工を下支えするとともに、消費税率10%引上げ後の反動減等に対応する観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等が拡充・延長されました。

【1】 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の見直し

この非課税措置について、次の措置が講じられた上、その適用期限(改正前:平成26年12月31日)が平成31年6月30日まで延長されました(措法70の2)。

① 非課税限度額の見直し

契約年月 消費税率10%が適用される者左記以外の者(※1)(※2) 良質な 住宅用家屋 左記以外の 住宅用家屋 良質な 住宅用家屋 左記以外の 住宅用家屋 改正前平成26年― ― 1,000万円500万円 改正後 ~平成27年12月― ― 1,500万円1,000万円 平成28年1月~ 平成28年9月― ― 1,200万円700万円 平成28年10月~ 平成29年9月3,000万円2,500万円1,200万円700万円 平成29年10月~ 平成30年9月1,500万円1,000万円1,000万円500万円 平成30年10月~ 平成31年6月1,200万円700万円800万円300万円 (※1)消費税率8%の適用を受けて住宅を取得した者と、個人間売買により中古住宅を取得した者で す。 東日本大震災の被災者に適用される非課税限度額は以下のとおりです。 ・平成28年10月~29年9月に契約を行い、かつ消費税率10%が適用される方: 質の高い住宅;3,000万円、左記以外の住宅(一般);2,500万円 ・その他の期間に契約を行う方:質の高い住宅;1,500万円、左記以外の住宅(一般);1,000万円 また、床面積の上限要件(240㎡)は引き続き課されません。 46(※2)平成27年1月以後平成28年9月以前に「左記以外の者」欄の非課税限度額の適用を受けた者は、 再度「消費税率10%が適用される者」欄の非課税限度額の適用を受けることが可能です。《耐震・エコ・バリアフリー住宅の場合》 【現行】 1 月~12月 26年31年 1,000万円 1 月~12月10月~ 9 月10月~ 9 月10月~ 6 月 27年 1,500万円 経過措置終了 (28年9 月末) 消費税率引上げ (29年4 月~) 1 月~ 9 月 28年29年30年 1,200万円 1,000万円 800万円 1,500万円 3,000万円 +1,800万円 +500万円 +400万円 〔10%適用枠〕 1,200万円 【現行】 1 月~12月 26年31年 500万円 1 月~12月10月~ 9 月10月~ 9 月10月~ 6 月 27年 1,000万円 経過措置終了 (28年9 月末) 消費税率引上げ (29年4 月~) 1 月~ 9 月 28年29年30年 700万円500万円 300万円 1,000万円 2,500万円 +1,800万円 +500万円 +400万円 〔10%適用枠〕 700万円 《一般住宅の場合》■非課税限度額の改正イメージ(出典:財務省「参考資料(法人税改革以外)」)

② 良質な住宅用家屋の範囲の拡充

上記の良質な住宅用家屋の範囲に、一次エネルギー消費量等級4以上に該当する住宅用家屋及び高齢者等配慮対策等級3以上に該当する住宅用家屋が加えられました。
改正前 イ省エネルギー性の高い住宅(省エネルギー対策等級4) ロ耐震性の高い住宅(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物) のいずれかの性能を満たす住宅 改正後 イ省エネルギー性の高い住宅(断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4) ロ耐震性の高い住宅(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物) ハバリアフリー性の高い住宅(高齢者等配慮対策等級3以上) のいずれかの性能を満たす住宅

③ 適用対象となる増改築等の範囲の見直し

適用対象となる増改築等の範囲(改正前:大規模増改築、耐震リフォーム等)に、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び給排水管又は雨水の浸入を防止する部分に係る工事が加えられました。

【2】 特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例の延長等

一定の住宅取得等資金の贈与であれば親等の贈与者の年齢が60歳未満であっても相続時精算課税制度を選択できる特例措置について、適用対象となる増改築等の範囲に、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び給排水管又は雨水の浸入を防止する部分に係る工事が加えられた上、その適用期限が平成31年6月30日まで延長されました(措法70の3)。

《適用期日》
これらの改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用されます。

 

2 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

【1】 改正のねらい

少子化対策に資するため、一括贈与により若年層の経済的不安を解消し、結婚・出産を後押しすることを目的として贈与税の非課税措置が創設されました。

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〔Ⅴ〕 相続・贈与税制 改正のポイント

1 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長

足下の住宅着工を下支えするとともに、消費税率10%引上げ後の反動減等に対応する観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等が拡充・延長されました。

【1】 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の見直し

この非課税措置について、次の措置が講じられた上、その適用期限(改正前:平成26年12月31日)が平成31年6月30日まで延長されました(措法70の2)。

① 非課税限度額の見直し

契約年月 消費税率10%が適用される者左記以外の者(※1)(※2) 良質な 住宅用家屋 左記以外の 住宅用家屋 良質な 住宅用家屋 左記以外の 住宅用家屋 改正前平成26年― ― 1,000万円500万円 改正後 ~平成27年12月― ― 1,500万円1,000万円 平成28年1月~ 平成28年9月― ― 1,200万円700万円 平成28年10月~ 平成29年9月3,000万円2,500万円1,200万円700万円 平成29年10月~ 平成30年9月1,500万円1,000万円1,000万円500万円 平成30年10月~ 平成31年6月1,200万円700万円800万円300万円 (※1)消費税率8%の適用を受けて住宅を取得した者と、個人間売買により中古住宅を取得した者で す。 東日本大震災の被災者に適用される非課税限度額は以下のとおりです。 ・平成28年10月~29年9月に契約を行い、かつ消費税率10%が適用される方: 質の高い住宅;3,000万円、左記以外の住宅(一般);2,500万円 ・その他の期間に契約を行う方:質の高い住宅;1,500万円、左記以外の住宅(一般);1,000万円 また、床面積の上限要件(240㎡)は引き続き課されません。 46(※2)平成27年1月以後平成28年9月以前に「左記以外の者」欄の非課税限度額の適用を受けた者は、 再度「消費税率10%が適用される者」欄の非課税限度額の適用を受けることが可能です。《耐震・エコ・バリアフリー住宅の場合》 【現行】 1 月~12月 26年31年 1,000万円 1 月~12月10月~ 9 月10月~ 9 月10月~ 6 月 27年 1,500万円 経過措置終了 (28年9 月末) 消費税率引上げ (29年4 月~) 1 月~ 9 月 28年29年30年 1,200万円 1,000万円 800万円 1,500万円 3,000万円 +1,800万円 +500万円 +400万円 〔10%適用枠〕 1,200万円 【現行】 1 月~12月 26年31年 500万円 1 月~12月10月~ 9 月10月~ 9 月10月~ 6 月 27年 1,000万円 経過措置終了 (28年9 月末) 消費税率引上げ (29年4 月~) 1 月~ 9 月 28年29年30年 700万円500万円 300万円 1,000万円 2,500万円 +1,800万円 +500万円 +400万円 〔10%適用枠〕 700万円 《一般住宅の場合》■非課税限度額の改正イメージ(出典:財務省「参考資料(法人税改革以外)」)

② 良質な住宅用家屋の範囲の拡充

上記の良質な住宅用家屋の範囲に、一次エネルギー消費量等級4以上に該当する住宅用家屋及び高齢者等配慮対策等級3以上に該当する住宅用家屋が加えられました。
改正前 イ省エネルギー性の高い住宅(省エネルギー対策等級4) ロ耐震性の高い住宅(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物) のいずれかの性能を満たす住宅 改正後 イ省エネルギー性の高い住宅(断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4) ロ耐震性の高い住宅(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物) ハバリアフリー性の高い住宅(高齢者等配慮対策等級3以上) のいずれかの性能を満たす住宅

③ 適用対象となる増改築等の範囲の見直し

適用対象となる増改築等の範囲(改正前:大規模増改築、耐震リフォーム等)に、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び給排水管又は雨水の浸入を防止する部分に係る工事が加えられました。

【2】 特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例の延長等

一定の住宅取得等資金の贈与であれば親等の贈与者の年齢が60歳未満であっても相続時精算課税制度を選択できる特例措置について、適用対象となる増改築等の範囲に、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び給排水管又は雨水の浸入を防止する部分に係る工事が加えられた上、その適用期限が平成31年6月30日まで延長されました(措法70の3)。

《適用期日》
これらの改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用されます。

 

2 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

【1】 改正のねらい

少子化対策に資するため、一括贈与により若年層の経済的不安を解消し、結婚・出産を後押しすることを目的として贈与税の非課税措置が創設されました。

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