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《速報解説》 セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設~平成28年度税制改正大綱~

 《速報解説》 セルフメディケーション(自主服薬)推進のための スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設 ~平成28年度税制改正大綱~   税理士・社会保険労務士 上前 剛   1 概要 12月16日に公表された「平成28年度税制改正大綱」(与党大綱)において、セルフメディケーションの推進により医療費を削減するため、セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)が創設されることが決まった。 本制度は、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診(医師の関与があるものに限る)を受けている個人が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係るスイッチOTC医薬品(類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除く)を購入した場合において、その年中に支払った購入額の合計額が12,000円を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が88,000円を超える場合には、88,000円)をその年分の総所得金額等から控除できる制度である。 なお、現行の医療費控除との選択適用となる点には留意が必要である。   2 スイッチOTC医薬品とは 医薬品には、医師が処方する医療用医薬品と薬局・ドラッグストアで市販されるOTC医薬品がある。OTC医薬品のOTCとは、“Over The Counter”の頭文字で、薬局のカウンター越しに売られる薬が語源である。 OTC医薬品のうち、本制度の対象となるスイッチOTC医薬品とは、医療用医薬品の成分をOTC医薬品に転用(スイッチ)したものをいう。医療用医薬品の成分が含まれるため、効き目が良いとされる。   3 今後の課題 まず、“スイッチOTC医薬品”の存在が世間に知られていない点が課題として挙げられる。本制度を普及させるには、スイッチOTC医薬品の認知度を高めるための周知活動が必要である。 次に、スイッチOTC医薬品を購入する際、薬局・ドラッグストアで薬を手に取ってみても、箱に『スイッチOTC医薬品』と明記されていないので、スイッチOTC医薬品かどうか判別するのが困難という点が挙げられる。薬剤師を通じて購入すれば解決するが、箱に記載してもらえると利便性が増すであろう。 最後に、スイッチOTC医薬品を購入したレシートに『スイッチOTC医薬品』と明記されていないと、確定申告時の集計が困難という点が挙げられる。 (了)

#No. 149(掲載号)
#上前 剛
2015/12/16

《速報解説》 欠損金の繰越控除制度、平成28年4月以後の控除限度割合が縮小へ~平成28年度税制改正大綱~

 《速報解説》 欠損金の繰越控除制度、平成28年4月以後の控除限度割合が縮小へ ~平成28年度税制改正大綱~   税理士 小谷 羊太   平成28年度税制改正大綱(与党大綱)において、欠損金の繰越控除制度の見直しが行われることが明記された。以下その内容を解説する。 1 制度の確認 法人の各事業年度において青色申告書である確定申告書を提出する事業年度の欠損金、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金及び連結欠損金が生じた場合に、翌事業年度以降の各事業年度において生じた所得金額からそれらの欠損金額を控除する措置として設けられた制度である。 所得事業年度の所得金額と欠損事業年度の欠損金額について損益通算をすることによって、納税者の担税力の確保を図るために設けられている制度である。   2 現行制度(平成27年度税制改正後)の確認 欠損金の繰越控除制度は、中小法人の場合は、繰越欠損金のうち所得から控除できる金額はその全額であるのに対して、大法人については80%までとされていた。 しかし、平成27年度税制改正後は、次のように段階的に控除限度割合を引き下げることとなっている。   3 平成28年度税制改正大綱の内容 ① 控除限度割合の段階的な引下げ 今回の税制改正大綱では、平成27年4月から平成29年4月までに控除限度割合を65%から50%に引き下げる措置について、50%までの最終的な引下げ時期を平成30年4月まで引き延ばし、さらに段階的な引下げの措置を講じている。 【参考】繰越欠損金制度の見直しのイメージ (2016/12/18追記) ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (中小企業庁ホームページより) ② 欠損金の繰越期間の延長 平成27年度税制改正によって、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度及び連結欠損金の繰越控除制度)について、繰越期間を10年間に延長する措置が講じられた。 平成28年度税制改正大綱では、この繰越期間の適用事業年度を、平成30年4月1日以後に開始する事業年度に改める措置が講じられている。 ③ 欠損金の繰越控除制度の適用に係る帳簿書類の保存要件 上記②を踏まえて、平成27年度税制改正によって、青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度及び連結欠損金の繰越控除制度の適用に係る帳簿書類の保存期間を平成29年4月1日以後に開始する事業年度から10年とする措置が講じられた。 平成28年度税制改正大綱では、この保存要件の適用事業年度を、平成30年4月1日以後に開始する事業年度に改める措置が講じられている。 ④ 法人税の欠損金額に係る更正の期間制限 上記②を踏まえて、平成27年度税制改正によって、法人税の欠損金額に係る更正の期間制限を平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額から10年とする措置が講じられた。 平成28年度税制改正大綱では、この更正の期間制限の適用事業年度を、平成30年4月1日以後に開始する事業年度に改める措置が講じられている。 ⑤ 法人税の欠損金額に係る更正の請求期間 上記②を踏まえて、平成27年度税制改正によって、法人税の欠損金額に係る更正の請求期間を平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額から10年とする措置が講じられた。 平成28年度税制改正大綱では、この更正の請求期間の適用事業年度を、平成30年4月1日以後に開始する事業年度に改める措置が講じられている。 (了)

#No. 148(掲載号)
#小谷 羊太
2015/12/16

《速報解説》 減価償却制度、建物附属設備・構築物等の定率法が廃止へ~平成28年度税制改正大綱~

 《速報解説》 減価償却制度、建物附属設備・構築物等の定率法が廃止へ ~平成28年度税制改正大綱~   公認会計士・税理士 新名 貴則   自由民主党と公明党は、平成27年12月16日、平成28年度税制改正大綱(与党大綱)を発表した。この中で、減価償却制度の見直しが明記された。ここでは、その内容について解説する。 ◆見直しの内容 従来、平成10年4月1日以後に取得した建物については、償却方法が定額法に限定されていたが、建物附属設備や構築物については定率法も選択することができた。しかし、建物附属設備は建物と一体的に整備されること、また、構築物は建物と同様に長期安定的に使用されることから、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物については、定率法を廃止し、償却方法を定額法に限定することになった。 また、同様に平成28年4月1日以後に取得する鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物のみ)についても、定率法を廃止し、定額法又は生産高比例法に限定することになった。 なお、今回の改正後も、リース期間定額法、取替法等は存置される。 【平成28年4月1日以後に取得するもの】   ◆改正の影響 定率法及び定額法における償却を、事例に基づいて比較すると次の通りである。 これまで建物附属設備や構築物について定率法を選択していた法人では、今後は定額法に限定されるため、償却開始後の数年間は償却額が大幅に少なくなることに注意が必要である。 【 事 例 】 種類:建物附属設備 耐用年数:15年 取得価額:10,000,000円 (※1) 少数点以下の端数は切り捨てている。 (※2) 9年目以降は改定償却率による計算に変わっている。 (了) ↓お薦め連載記事↓

#No. 148(掲載号)
#新名 貴則
2015/12/16

《速報解説》 平成28年度税制改正大綱(与党大綱)が正式公表~消費税軽減税率の制度設計の全容、法人実効税率引下げに係る内容等が明らかに

《速報解説》 平成28年度税制改正大綱(与党大綱)が正式公表 ~消費税軽減税率の制度設計の全容、法人実効税率引下げに係る内容等が明らかに   Profession Journal編集部    (※) 訂正のお知らせ(2015/12/21) 当初12月10日の公表に向けて取りまとめが行われていた「平成28年度税制改正大綱」は、消費税の軽減税率を除く部分についてのみ自民党税制調査会の了承を得、「大綱(案)」として広く知られることとなっていた(※)が、このたび2015年12月16日付けで、軽減税率部分を織り込んだ大綱(いわゆる与党税制改正大綱)が正式に公表された。 (※) 現在すでに広く知られているものは自由民主党による「大綱(案)」であり与党大綱ではないため誤解のないよう留意されたい。 消費税の軽減税率が適用される対象品の線引きをめぐって与党間協議が難航していたが、自民党が大幅に譲歩する形で公明党が主張していた酒類及び外食を除く飲食料品(生鮮食品+加工食品)、さらに一部の新聞への適用で合意した(軽減税率の適用は消費税率10%引上げ日(平成29年(2017年)4月1日)から)。 また法人実効税率を20%台(平成28年度に29.97%、平成30年度に29.74%)まで引き下げることとされ、その代替財源として外形標準課税の拡大、減価償却制度の見直し、生産性向上設備投資促進税制の適用期限における廃止に加え、欠損金の繰越控除制度の見直し等の改正が盛り込まれた。 以下、主な改正事項をまとめた。なお、重要な改正情報については今後、個別に速報解説を公開していく。 また、こちらの資料リンク集ページも今後更新を重ねていくので、ログインの上、ブックマークボタンを押すなどして確認できるようにしていただきたい。   〇消費税の軽減税率、対象は加工食品まで~インボイスは簡易方式を経て平成33年4月から 大綱では「消費税率10%への引上げを平成29年4月に確実に実施する」としたうえで、低所得者対策として公明党が主張していた軽減税率(6.24%(地方消費税と合わせて8%))を、引上げ日(平成29年4月1日)から導入するとした。本改正については、大綱の末に【付記一】として詳細がまとめられている。 与党間で調整が難航していた軽減税率の対象について、大綱P111の【付記一】二では以下のように記載されている。 新聞については上記の通り、定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞が対象となるため、軽減税率が適用されるのは一部の新聞に限られる模様(書籍・雑誌への適用は継続検討)。 なお、軽減税率の適用範囲拡大で不足する財源については、「平成28年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより、安定的な恒久財源を確保する」とされている。 また改正後の経理処理については、複数税率制度に対応した仕入税額控除の方式として、適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)を平成33年(2021年)4月1日から導入することとし、その間(平成29年4月1日~平成33年3月31日)までは、現行の請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、区分経理に対応するための措置(区分記載請求書等保存方式)を講じることとされた。この適格請求書等保存方式の導入に伴い、適格請求書発行事業者登録制度が創設される(平成31年4月1日から申請受付)。その他この方式の詳細は大綱P114(【付記一】の四)を参照されたい。 上記経過期間における経理処理については、基準期間における課税売上高に応じて、仕入税額の簡便計算(みなし課税)を選択できることとされている。この経過措置の詳細は大綱P112(【付記一】の三)を参照されたい。 消費税率の引上げに関する今後のスケジュールは以下のようになっており、直近では10%引上げに係る経過措置の指定日についても留意しておきたい。   〇法人実効税率は20%台へ~外形標準課税の拡大、減価償却制度の見直しなどで財源を手当て 「成長志向の法人税改革を、更に大胆に推進する」として、法人実効税率の20%台への引下げを目的に、法人税率(現行23.9%)を平成28年4月1日以後開始事業年度より23.4%、平成30年4月1日以後開始事業年度より23.2%へ引き下げることとなった。 この減税部分を補填する財源として、法人事業税における所得割の税率引下げと外形標準課税の8分の4(※)から8分の5への拡大(負担変動の軽減措置あり(3年間))、減価償却資産のうち建物附属設備及び構築物並びに鉱業用の建物の償却方法について定率法が廃止される(平成28年4月1日以後取得分から)。 (※) 当初予定の平成28年度割合。 さらに欠損金の繰越控除制度は平成27年度改正で大法人のみ控除限度割合の段階的引下げが実施されていたが、この引下げスケジュールの見直しが行われ、平成28年4月1日以後開始事業年度の限度額が縮小(100分の65→100分の60)されることとなった(繰越期間の10年への延長は1年延期で平成30年4月1日から)。 また平成26年度改正で創設された「生産性向上設備投資促進税制」については、適用期限となる平成28年度末(平成29年3月31日までの取得等)をもって廃止することが明記された。大綱に明記した目的は「企業の投資判断の前倒しを促すため」とされている。 これらの改正により、法人実効税率は現行の32.11%から平成28年度に29.97%、平成30年度に29.74%まで引き下げられることとなる。   〇その他法人課税関連~地方創生の推進、中小企業への配慮等 上記のほか企業に係る税制としては、青色申告法人が地方創生推進寄附活用事業(仮称)に関連する寄附金を支出した場合に、既存の寄附金控除に加え税額控除が可能となる「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」が創設される(地域再生法の改正法の施行日から平成32年3月31日まで)。 また、中小企業の設備投資を促す観点から、生産性向上設備(仮称)のうち一定の機械・装置を取得した場合に、その機械・装置に係る固定資産税について課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする措置が講じられる(中小企業の生産性向上に関する法律(仮称)の施行日から平成31年3月31日まで)。 なお、中小企業者等の少額減価償却資産(30万円未満)の取得価額の損金算入の特例は対象法人の見直し(常時使用する従業員の数が1,000人超の法人を除外)を行ったうえで平成30年3月31日まで2年延長され、現在中小企業者等のみ認められている欠損金の繰戻し還付制度についても平成30年3月31日まで2年延長されることになった。 さらに交際費課税(交際費等の損金不算入制度)については、各省庁の税制改正要望では中小法人の特例措置のみ延長要望が出されており大法人への適用は廃止されるとの見方もあったが、接待飲食費に係る損金算入特例を含む制度全体の2年延長(平成30年3月31日まで)が決まった。 経済産業省から税制改正要望のあった株式報酬やROE(自己資本利益率)連動型の役員報酬をめぐっては、一定の譲渡制限付株式による給与について事前確定の届出を不要とするとともに、利益連動給与の算定指標の範囲にROEその他の利益に関連する一定の指標が含まれることを明確化する。 国際課税の関係ではBEPSへの対応として「移転価格税制に係る文書化」が明記されており、大綱P121には【付記二】として対象となる多国籍企業グループの範囲等がまとめられているので確認しておきたい。 その他、通勤手当の非課税限度額が現行の月額10万円から15万円へ拡大され、年間180万円までの通勤手当が非課税となる。これにより新幹線通勤を促進し、大都市圏への人口集中を緩和する狙いがある。   〇空き家対策、農地活用策織り込むも資産課税は軽微な改正にとどまる 27年度改正では倒壊等の恐れのある空き家について一定の場合、固定資産税等の特例措置から除外する改正が行われたが、さらに平成28年度改正においても、相続した一定の家屋(昭和56年5月31日以前の建築)を耐震改修を行う等して譲渡した場合に居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除が適用できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設される。 昨年度改正で創設された「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」については、「その対象となる不妊治療に要する費用には薬局に支払われるものが含まれること等を明確化する。」と記載されており、費用範囲の拡充であるのか内閣府公表資料や法令・告示の改正等、今後の情報で確認する必要がある。 (※) 現行の規定では、「人工授精その他不妊治療に要する費用であって、病院(医療法第1条の5第1項に規定する病院をいう。以下同じ。)又は診療所(同条第2項に規定する診療所をいう。以下同じ。)に支払われるもの」(内閣府告示第48号)とされている。 その他、耕作放棄地(遊休農地のうち農業委員会から勧告を受けたもの)への固定資産税重課、農地中間管理機構(農地バンク)を通じて農業生産法人等へ10年以上貸し付けた農地の固定資産税半減(3年間(15年以上の場合は5年間))など、TPPを見据えた農地の有効活用・集約化を図る施策が織り込まれているものの、全体として資産課税は軽微な改正にとどまっている。   〇出産・子育ての不安解消、セルフメディケーション対策税制 若年世代の出産・子育ての不安を解消する観点から、居住用家屋に「一定の三世代同居改修工事」(①調理室、②浴室、③便所、④玄関のいずれかを増設する工事(改修後に①から④のいずれか2つ以上が複数となるもの)で工事費が50万円超)を行った場合に税額控除が受けられる特例措置が設けられる。    なお、次の特例措置については2年(平成29年12月31日まで)延長される一方、省エネ改修工事に係る住宅ローン控除等は適用期限をもって廃止される。(※) ・特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例 ・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等 ・特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等 (※) 訂正のお知らせ 上記(※)部分につきまして、正しくは平成27年12月31日までの省エネ要件の緩和措置が廃止され、制度自体は廃止されません。お詫びの上、訂正させていただきます。 セルフメディケーション(自主服薬)を推進し増大する国民医療費を削減するため、定期健康診断や予防接種等の取組みを行う個人が自己又は生計同一親族に係る一定のスイッチOTC医薬品(医療用から転用された医薬品)の購入対価を支払った場合に、年間の支払い合計額が1万2,000円を超える部分について所得控除が受けられる医療費控除の特例制度が平成29年から創設される(8万8,000円を限度。医療費控除との重複不可)。   〇当初申告のコンプライアンス向上のため加算税制度を見直し 税務調査手続に関する通則法の改正で税務調査の事前通知が義務化されたことに伴い、事前通知から更正予知までの間に修正申告を行い加算税を回避するケースが増えていることから、このような場合に適用される新たな加算税の措置が創設される。また、無申告加算税及び重加算税について短期間(更正決定等があった日から過去5年以内)に無申告加算税・重加算税を課されたことがある場合の10%加重措置が講じられ、共に平成29年1月1日以後の法定申告期限到来分(国税)から適用される。 (了)

#No. 148(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2015/12/16

《速報解説》 ASBJより「税効果会計に適用する税率に関する適用指針(案)」が公表~適用税率は公布基準から国会での成立基準へ~

《速報解説》 ASBJより「税効果会計に適用する税率に関する適用指針(案)」が公表 ~適用税率は公布基準から国会での成立基準へ~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年12月10日、企業会計基準委員会は「税効果会計に適用する税率に関する適用指針(案)」(企業会計基準適用指針公開草案第55号)を公表し、意見募集を行っている。 これは、税効果会計の適用に際して、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に用いる税率に関する取扱いを規定するものである。 意見募集期間は、平成28年2月10日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号)18項では、税効果会計上で適用する税率は、決算日現在における税法規定に基づく税率によるものと規定し、改正税法が当該決算日までに「公布」されており、将来の適用税率が確定している場合は改正後の税率を適用するとしている。 公開草案は、決算日において公布されている法人税法等に規定されている税率に代えて、決算日において国会で成立している法人税法等に規定されている税率によることを提案している(公開草案5項、15項)。 1 法人税、地方法人税及び地方法人特別税に関する税率 2 住民税(法人税割)及び事業税(所得割)に関する税率 決算日において国会で成立している地方税法等に基づく税率とは、次の税率をいう。 なお、次の2つの設例が設けられている。   Ⅲ 適用時期等 平成28年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用する予定である。 (了)

#No. 148(掲載号)
#阿部 光成
2015/12/11

プロフェッションジャーナル No.148が公開されました!~今週のお薦め記事~

2015年12月10日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.148を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2015/12/10

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第36回】「公正処理基準の形成過程と税務通達(その3)」

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第36回】 「公正処理基準の形成過程と税務通達(その3)」   中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦   「公正処理基準の形成過程と税務通達」の議論の締め括りとして、最後に、これまでの議論の延長線上にあると思われる判決を紹介しておくこととしよう。   Ⅳ 東京地裁平成27年2月26日判決(判例集未登載) 1 事案の概要 X社(原告)は、創業者である乙が代表取締役を辞任して非常勤取締役となったこと(以下「本件分掌変更」という。)に伴い、乙に対する退職慰労金として2億5,000万円(以下「本件退職慰労金」という。)を支給することを決定した。 X社は、本件退職慰労金を分割支給することとし、乙に対し、平成19年8月に7,500万円(以下「本件第一金員」という。)、平成20年8月に1億2,500万円(以下「本件第二金員」という。)をそれぞれ支払った。 X社は、かかる金員が退職給与に該当することを前提として、本件第一金員につき平成19年8月期(平成18年9月1日~平成19年8月31日)、本件第二金員につき平成20年8月期(平成19年9月1日~平成20年8月30日)の損金の額にそれぞれ算入して確定申告をした。 これに対して、処分行政庁は、本件第二金員は退職給与に該当せず損金の額に算入することはできないとして、法人税更正処分等(以下「本件更正処分」という。)を行った。 本件は、X社が、処分行政庁の所属する国Y(被告)を相手どり、本件更正処分等の取消しを求めた事案である。 なお、法人税基本通達9-2-28《役員に対する退職給与の損金算入の時期》は、 と通達している(以下「本件通達」という。)。 X社は、役員退職給与について、本件通達ただし書の税務処理(以下「支給年度会計処理」ともいう。)を踏まえ、一般に支給時に費用計上する取扱いが行われているなどと主張した。 2 具体的事実 3 争点 本件第二金員は、X社の法人所得の金額の計算上損金の額に算入することができるか否か。 4 判決の要旨及び解説 本件において、Yは、X社が、取締役会決議において、本件退職慰労金の支給を決議したならば、その時点において、本件退職慰労金に係る債務は確定したのであるから、本件退職慰労金に係る債務は、取締役会の開催日の属する平成19年8月期における損金に算入すべきである旨主張したが、この点に対して、東京地裁平成27年2月26日判決は、次のように論じている。 このように東京地裁は、公正処理基準に該当するかどうかは個別具体的に判断すべきと考えているようである。 そこで、同地裁は、次のような2点を検討して、支給年度損金経理処理が恣意的に租税負担を回避する処理になるとはいえないとしている。 もっとも、東京地裁は、役員退職給与を現実の支給時に費用として計上すべきことを規定した会計基準は見当たらず、例えば、企業会計原則や中小企業の会計に関する指針は、原則として、収益については実現主義により、費用については発生主義により認識することとしているとした上で、 という。 このような説示に加えて、 とし、 というのである。 ここにいう、企業における実態とは何を指しているのであろうか。実は、同判決は、この説示よりも前の段階で次のような認定を行っているのである。 もとより、法人税基本通達は、課税庁における法人税法の解釈基準や運用方針を明らかにするものであり、行政組織の内部において拘束力を持つものにすぎず、法令としての効力を有するものではない。しかし、通達に法源性がないからといって、通達が、会計慣行の形成に寄与しないというものではない。 すなわち、東京地裁は、このような立場から次のように論じている。次のくだりが同判決の最も重要な意義を有するところであるといえよう。 このような説示を経て、東京地裁は、「本件第二金員を平成20年8月期の損金に算入するという本件会計処理は、公正処理基準に従ったものということができる。」と判示したのである。 通達に基づく処理が広く繰り返し行われると、商法(会社法)上承認された会計慣行を形成することになり、ひいては法人税法22条4項の公正処理基準として、同法上の所得金額の計算の法的根拠となり得るという点を指摘した。上記に紹介した東京地裁平成27年2月26日判決も同様の理論構成によって、公正処理基準の形成が認定された事例であるといえよう。 このように通達が法源性を有するに至るというケースは、今回触れたような法人税法22条4項の公正処理基準を経由する場合に限られるものではない。学説は、通達が行政先例法として承認され得る余地があるとする(金子宏『租税法〔第20版〕』107頁(弘文堂2015))。 もっとも、通説は、通達が行政先例法になり得るのは、納税者にとって有利な場面に限られるとする(金子・前掲書82頁)。他方で、課税上の弊害がない限り適用される通達の存在などを考えると、公正処理基準として法人税法上の所得金額の計算ルールに織り込まれることになる通達は、必ずしも納税者に有利なものとは限らないといえよう。 〔通達が法源性を有するに至る2つのアプローチとその相違〕 なお、この3回の連載において登場した2つの判決のうち、上記に紹介した役員退職金に係る東京地裁判決は、納税者有利の通達として位置づけることが可能であるが、前回紹介した興銀事件控訴審東京高裁平成14年3月14日判決は、貸倒れの認定において、債務者側の事情のみを判断素材とする取扱いを示した通達であり、債権者側の事情をも考慮して貸倒れの判断をすべきと主張する納税者にとっては不利な通達であったといえよう。 (了)

#No. 148(掲載号)
#酒井 克彦
2015/12/10

平成27年度税制改正後の「受取配当等の益金不算入制度」に関する申告実務の留意点~別表8(1)及び8(1)付表の作成に当たって~

平成27年度税制改正後の 「受取配当等の益金不算入制度」に関する申告実務の留意点 ~別表8(1)及び8(1)付表の作成に当たって~   辻・本郷税理士法人 税理士 安積 健   1 はじめに 平成27年度税制改正では、実効税率の引下げに伴う代替財源の確保のための一環として、受取配当金の益金不算入制度が大きく見直された。 その内容も、持株比率基準の見直し、継続保有要件の見直し、非支配目的株式等の創設、負債利子控除制度の見直し、証券投資信託の収益の分配金に対する課税の見直しなど多岐にわたっている。この改正の内容は、平成27年4月1日以後開始する事業年度から適用されるため、通常の1年決算法人では、平成28年3月期から適用になると思われる。 そこで本稿では、特に申告書の作成に当たり留意すべき点についてまとめてみる。 なお、この改正の内容については、以下の拙稿も合わせて参照されたい。   2 申告書作成上の留意点 受取配当等の益金不算入に関する明細書である別表8(1)は、従来1枚であったが、平成27年度の税制改正の影響により、付表を含む2枚となった。 改正により「非支配目的株式等」という新たな株式の区分が設けられたため、これを反映させた結果、記載欄が増加し2枚になったと思われる。 Ⅰ 「別表8(1)付表」作成上の留意点 (1) 概要 付表には、株式の区分に応じ益金不算入額の基礎となる配当の額を記載する。従来は、「完全子法人株式等」、「関係法人株式等」、「その他株式等」の3区分であったが、改正後は、「完全子法人株式等」、「関連法人株式等」、「その他株式等」、「非支配目的株式等」の4区分になる。 【参考図】 なお、新しい別表は、「平成27年4月1日以後終了事業年度」に適用されるものとなっている。 したがって、 「平成27年3月31日以前に開始する事業年度」 と 「平成27年4月1日以後に開始する事業年度」 では、使用する別表様式は同じでも、記載要領が異なる点に十分留意が必要である。 本稿では、受取配当金の益金不算入制度の改正内容が適用される平成27年4月1日以後に開始する事業年度を前提に、以下留意点について解説する。 (2) 関連法人株式等 「関連法人株式等」とは、内国法人が他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く)の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式等を除く)の総数又は総額の3分の1を超える数又は金額の株式等を有する場合における当該他の内国法人の株式等(完全子法人株式等を除く)をいう。 ただし、単に33%超の株式を保有していればよいわけでなく、一定期間継続して保有することが必要となる。具体的には、配当の計算期間の初日から末日まで継続して3分の1超の株式を保有することが必要となる。 この場合の「計算期間」とは、原則として、前回配当の基準日の翌日から今回配当の基準日までの期間となる。ただし、前回配当の基準日の翌日が、今回配当の基準日から起算して6月前の日以前の日である場合には、その6月前の日の翌日から今回配当の基準日までの期間が計算期間となり、この期間継続保有していればよい。これ以外にも計算期間に関する例外規定があるので、個々の配当ごとに法令を確認する必要がある。 付表では、関連法人株式等の欄の「効力発生日までの保有期間又は受取配当等の額の計算期間」の欄に計算期間を記載することになる。改正前の関係法人株式等の場合には、効力発生日までの保有期間を記載したが、改正後は保有期間ではなく、配当の額の計算期間を記載する点に留意が必要である。 (3) 非支配目的株式等 「非支配目的株式等」とは、内国法人が他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く)の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式等を除く)の総数又は総額の100分の5以下に相当する数又は金額の株式等を有する場合における当該他の内国法人の株式等(完全子法人株式等を除く)をいう。 この場合の5%の持株割合の判定は、配当の支払いに係る基準日時点で行うとされている。付表では、[10欄]に基準日を、[11欄]に保有割合を記載することになっている。 なお、基準日において有する株式のうちに、いわゆる短期保有株式等がある場合には、その短期保有株式等を有していないものとして判定を行う。「短期保有株式等」とは、基準日以前1月以内に取得し、かつ、基準日後2月以内に譲渡した株式をいう。したがって、短期保有株式等に該当する株式がある場合には、これを除外した上で算定した保有割合を[11欄]に記載することになる点に留意が必要である。 (4) 特定株式投資信託 平成27年度税制改正により、公社債投資信託を除く証券投資信託については、受取配当等の益金不算入の計算上、その収益の分配金の全額が益金算入とされた。ただし、特定株式投資信託については、非支配目的株式等として、その収益の分配額の20%相当額が益金不算入とされる。 「特定株式投資信託」とは、信託財産を株式のみに対する投資として運用することを目的とする証券投資信託のうち、その受益権が金融商品取引所に上場されているものをいう。特定株式投資信託は、株式等に投資していることと変わらないことから、改正前より、株式等と同等のものとして取り扱われてきた。改正後は、非支配目的株式等として収益の分配額の80%相当額が課税の対象となる。 特定株式投資信託に係る収益の分配金については、非支配目的株式等の欄に記載することになるが、その際、[9欄]の「本店の所在地」には『特定株式投信』と記載し、[10欄]および[11欄]は記載不要である。 Ⅱ 「別表8(1)」作成上の留意点 (1) 概要 改正後の別表8(1)では、控除負債利子の計算を含め、受取配当等の益金不算入額を記載することになる。控除負債利子の計算方法には、原則的な「総資産簿価按分法」と、例外的な「基準年度実績法」があるが、いずれも改正の影響を受けるので注意が必要である。 (2) 総資産簿価按分法 原則法である総資産簿価按分法は、負債利子に期末の総資産価額に対する期末の株式等の帳簿価額の占める割合を乗じて控除される負債利子を計算する方法である。ここで「期末の総資産価額」は、総資産の帳簿価額をもとに一定の調整を加えて計算を行う。この場合の「一定の調整」について改正が行われている。 改正前は、次に掲げる5項目について調整を行うことになっていた。 これに対して、改正後は、上記(エ)及び(オ)については調整を行わないこととなった。つまり、その他有価証券に係る評価損益は考慮する必要がなくなったわけである。 また、総資産簿価按分法で計算する際には、当期末の数値だけでなく、前期末の数値をも使用する。通常、前期末に算定した数値が、そのまま当期に繰り越され前期末の数値となるが、改正後、最初の年度は、前期末の数値を改正後の規定に従い再計算する必要がある。 これは、改正後、最初の年度の前期末の数値は、改正前の規定に従い計算されており、改正後の内容は考慮されていないためである。 具体的には、改正前の総資産簿価はその他有価証券に係る評価損益を考慮して算定したところ、上記の通り改正後は考慮しないため、その他有価証券に係る評価損益を考慮しないところで改めて前期末の総資産簿価を計算しなければならない。 別表8(1)では、総資産簿価を[34欄]から[36欄]を利用して算定する。上記の通り、当期末現在額だけでなく、前期末現在額も再計算の上、記載する必要がある。 (3) 期末関連法人株式等の帳簿価額 改正前は、完全子法人株式等に係る配当を除き、負債利子を考慮する必要があったが、改正後は、関連法人株式等に係る配当のみ負債利子を考慮すればよい。関連法人株式等に係る控除負債利子の算定に当たっては、期末関連法人株式等の帳簿価額を算定する必要がある。 「期末関連法人株式等」とは、内国法人が有する株式等で当該内国法人の事業年度終了の日の6月前の日の翌日を上記Ⅰの(2)関連法人株式等に記載した計算期間の初日とし、当該事業年度終了の日を計算期間の末日とした場合に上記Ⅰの(2)に規定する関連法人株式等となる株式等(期末完全子法人株式等を除く)をいう。 ここでも上記(2)総資産簿価按分法における総資産簿価と同様、関連法人株式等の帳簿価額も当期末だけでなく前期末についても再計算する必要がある。 すなわち、改正後、最初の年度の前期末の数値は、改正前の期末関係法人株式等の帳簿価額であるところ、改正後は期末関連法人株式等の帳簿価額として再計算しなければならない。 (4) 期末その他株式等の帳簿価額 上記(3)で述べた通り、改正後は、負債利子を考慮するのは、関連法人株式等に係る配当だけである。その他株式等に係る配当や非支配目的株式等に係る配当については、負債利子を考慮することはない。 したがって、別8(1)の[38欄]および[39欄]は、平成27年3月31日以前に開始する事業年度については記載する必要があるが、平成27年4月1日以後に開始する事業年度については記載不要である。 (5) 基準年度実績法 「基準年度実績法」とは、基準年度において原則法で計算した場合の控除負債利子を基礎に算定した割合を用いて当年度の控除負債利子を計算する方法である。 ここで「基準年度」とは、改正前は、『平成22年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始する各事業年度』であったが、改正後は、『平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する各事業年度』となる。 1年決算法人の場合、通常は、2事業年度の数値を用いて割合を算定する。しかし、本稿が前提とするのは、「平成27年4月1日以後(最初)に開始する事業年度」であるため、1事業年度の数値だけで割合を計算することになる。 例えば、3月末決算法人であれば、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの1事業年度における原則的な総資産簿価按分法で計算した負債利子を用いて計算する。2事業年度の数値を用いて計算するのは、平成29年3月期以降となる。 別表8(1)では[24欄]から[26欄]を用いて割合を算定することになる。なお、[29欄]から[31欄]は、平成27年3月31日以前に開始する事業年度については記載が必要だが、平成27年4月1日以後に開始する事業年度については記載不要である。 (6) 受取配当等の益金不算入額 改正後は、完全子法人株式等、関連法人株式等、その他株式等、非支配目的株式等の4つに区分し、それぞれ益金不算入額を計算の上、合算して最終的な益金不算入額を求めることになる。 このうち負債利子を考慮するのは関連法人株式等に係る配当のみである。特にその他株式等については、改正後は負債利子を考慮しないため、既に述べた通り、別8(1)の[38欄]および[39欄]、[13欄]および[14欄]、[29欄]から[31欄]の各欄は記載しないように留意が必要である。 (了) ↓関連記事↓

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#安積 健
2015/12/10

包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第4回】「同族会社等の行為計算の否認の歴史①」

包括的租税回避防止規定の 理論と解釈 【第4回】 「同族会社等の行為計算の否認の歴史①」   公認会計士 佐藤 信祐   第4回目以降は、租税回避の否認規定として典型的な同族会社等の行為計算の否認(法法132)の歴史について解説することとする。なお、同族会社等の行為計算の否認は、所得税法、相続税法、地方税法においてもそれぞれ定められているが(所法157①、相法64①、地法72の43①)、本稿では、法人税法に定められている同規定の歴史のみについて解説を行うこととする。   4 同族会社等の行為計算の否認の歴史 (1) 大正12年の規定の創設 大正12年に創設された同族会社等の行為計算の否認は、第一次世界大戦による財政収入の増加を図るために大正9年に所得税法を抜本的に改正したものの、高額所得者が財産保全会社を次々に設立することにより課税の軽減を図る手段を講じ、それが租税負担の公平面より放置できない状態にまでなったことが原因であると言われている(※1)(※2)。 (※1) 村山泰治「同族会社の行為計算否認規定の沿革からの考察」税大論叢11号237頁(昭和52年) (※2) 大正11年7月20日答申の「臨時財政経済調査会答申税制整理案」においても、「法人ト個人トノ課税方法ヲ異ニスル結果、近来資産家中所得税ノ軽減ヲ主タル目的トシテ、財産保全会社ヲ設立スルモノ少ナカラザルガ如シ、此ノ点ヲ改正シテ公平ヲ期スルノ方法ナキヤ。」と述べられている(武田昌輔編『DHCコンメンタール法人税法』第一法規5533頁より抜粋)。 その結果、所得税法73条の2から同条の4において、論末の《補足資料①》(大正12年所得税法)のように規定されることになった(※3)。 (※3) 当時は法人税も所得税法中に定められていた。 具体的には、所得税法73条の2は、現在の法人税法67条に規定する特定同族会社の留保金課税に相当するものであり、その結果として、枝番として導入された所得税法73条の3に規定する同族会社等の行為計算の否認も、同族会社とその株主等との間の取引に限定されていたという特徴がある。さらに、「所得税逋脱ノ目的」があると認められる場合に限定されていたり、同条の4において、その適用にあたり、所得審査委員会の決議を経ることとされていたりしたことから、かなり限定的な適用がなされていたことが推測される(※4)。 (※4) 貴族院特別委員会では、「今次の所得税法改正案は、現行所得税法が綜合課税主義を採用せる結果、所謂合法的脱税を為す目的を以て設立せられたる法人を取締る趣旨に出でたるものなるも、是が実施の暁に於ては却て逋脱の目的を有せざる善意の法人を過当に圧迫するのを嫌あるを以て、政府は改正法規の適用上、現行所得税法実施前に設立せられたる法人にして、特に逋脱の為に利用せざるものは勿論、其他法人に就ても能く其事業の性質を参酌し、税務官吏の専恣を予防する方法を講ぜられんことを希望す。(武田昌輔前掲(※2)5535頁より抜粋)」と附議された。 なお、昭和12年に書かれた矢部俊雄氏の解説によれば、会社と出資者又はその縁故者との間、もしくはその会社自体において適法かつ有効に成立した行為については、たとえその動機が逋脱の目的であったとしても、直ちにこれを否認することは、法律上の根拠に乏しいことから、同族会社等の行為計算の否認が導入されたものとされている(※5)。 (※5) 矢部俊雄『会社の改正所得税・営業収益税・資本利子税とその実際』文精社282頁(昭和2年) そのため、いずれ本連載でも触れるように、本規定が創設規定なのか、確認規定なのかという点について争いがあるが、このような経緯からも、創設規定であるとして捉えることが自然であると考えられる。 このように、制定された当初は、租税回避の意図があったことが明らかである場合に限定して、同族会社等の行為計算の否認が適用されるものとされており、安易に適用されることを想定して導入された規定ではなかったことが推測される。 (2) 大正15年度税制改正 このように制定された同族会社等の行為計算の否認であるが、『明治大正財政史第六巻(大蔵省編纂)』1192頁において、大正15年における所得税法改正の要綱として、 と述べられていることからも、大正12年に制定された同族会社等の行為計算の否認では、十分にその機能を発揮することができていなかったと推定される。 その結果、所得税法73条の4が削られ、同族会社等の留保金課税が同法21条の2に移動するとともに、同族会社等の行為計算の否認が論末の《補足資料②》(大正15年所得税法)のように、同条73条の2に規定されることになった。 村上泰治氏がまとめた大正15年度税制改正の概要を紹介すると、 と説明されている。 (※6) 村山泰治前掲(※1)244頁 このうち、現在まで継続して重要なものとしては、①「行為」に限らず「計算」についても否認し得ることとされたことであろう。この点につき、行為と計算の違いにつき、村上泰治氏はその論考のなかで、志達定太郎氏、武田昌輔氏、矢部俊雄氏及び忠佐市氏の解説をそれぞれ紹介されているが、行為と計算を分けた理由としては、「その原因となった行為は否認しないで、それにより生ずる計算を否認する」(※7)といった説明が最も実務的であろう。すなわち、「行為」を否認したうえで、その結果として生じる「計算」を否認する場合と、「行為」は認めるものの、「計算」のみを否認する場合の2つがあるということができる。 (※7) 武田昌輔前掲(※2)5537頁 さらに、矢内一好教授は、その著書の中で、昭和10年に出版された片岡政一氏の著書『税務会計原理(文精社)』、昭和25年に出版された前尾繁三郎氏の著書『新しい法人税の話(原書房)』をそれぞれ紹介されているが、いずれとも、所得税の逋脱を目的とした行為又は計算に対応するための規定であるものの、逋脱の意思があることの立証は必要ないとしている点が印象的である(※8)。すなわち、次回、解説するように、昭和25年改正により租税回避の意図の立証が不要になったとも言われているが、昭和10年代において、すでにそのような見解が存在していたということができる。 (※8) 矢内一好『一般否認規定と租税回避判例の各国比較』(財経詳報社)118-119頁(平成27年) このように、大正15年度所得税法において、現在の同族会社等の行為計算の否認の原型というものができあがったということができる。 (3) 昭和15年度税制改正 昭和15年度税制改正では、今まで所得税法の中に規定されていた法人税につき、独立して法人税法が制定されることになった。その内容については、論末の《補足資料③》(昭和15年法人税法)を参照されたい。 (4) 昭和22年度税制改正 昭和22年度税制改正では、終戦に伴う税制改正であり、法人税法も大幅な改正がなされたが、同族会社等の行為計算の否認については、口語体により平仮名に改めるとともに文章の表現がやや改められたことを除いては、それほど大きな改正はなかった。なお、具体的な内容については、論末の《補足資料④》(昭和22年法人税法)を参照されたい。 次回では、昭和25年以降の税制改正について解説を行う予定である。   (了)

#No. 148(掲載号)
#佐藤 信祐
2015/12/10
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