条文解釈を行う際、その一つの拠り所として、立法資料を参照することは非常に有意義である。
かかる条文がどのような背景において成立したものであるかを調べるに当たって、立法資料の確認は欠かせない。
本連載では、国会審議(第52回)や税制調査会答申(第55回)を参照した租税法解釈の実例を取り上げてきたところであるが、本稿でも、実務上の問題点を取り上げつつ、立法資料から租税法解釈を読み解くこととしよう。

前々回のⅢでみた、課税要件アプローチによる租税回避の包括的定義、すなわち、「課税要件の充足を避け納税義務の成立を阻止することによる、租税負担の適法だが不当な軽減または排除」(【66】=拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)の欄外番号[以下同じ])からすると、租税回避は、課税要件の充足回避による租税負担の軽減・排除という結果に着目した概念(結果概念)である。

平成29年度税制改正により配偶者控除及び配偶者特別控除に見直しが行われ、平成30年分の所得税から適用されている。この見直しにより、平成29年分以前と平成30年分以後では、源泉徴収事務及び年末調整事務において、以下の点が変更されている(所法83、83の2、79②)。

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第11回】「事業承継対策で役員退職金を支給する場合の留意点」

筆者:太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会

私Yは、金属製造業を営む非上場会社(S社)の代表取締役社長(65歳)です。そろそろ役員を退任して、後継者である息子Zにバトンタッチしたいと考えています。ただし、いきなりZにすべてを引き継がせるのは少し不安なので、しばらくは会長(取締役でない)というポジションで会社に関与していこうと考えています。
ところで、役員退職金を支給した次年度には自社の株価が引き下げられると聞きました。そのタイミングで私が所有するS社株式を後継者であるZへ譲渡又は贈与することも検討しています。
事業承継対策において役員退職金を支給する際の留意点について教えてください。

本稿では前回に続き、令和元年度(平成31年度)税制改正で整備された仮想通貨の評価方法等の改正ポイントについて解説を行います。
今回は、事業年度終了時の時価評価損益の算定と仮想通貨信用取引に係るみなし決済について取り上げます。

Xは、10年前に死亡した父親から相続した居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築)を、昨年2月に死亡した母親からの敷地相続後に取り壊し、その敷地を更地にして、本年11月に5,400万円で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、母親が一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。
この場合、Xは、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用を受けることができるでしょうか。

私(居住者たる個人)は、勤務先が株式交付信託を利用したインセンティブプランを導入しているため、このプランに基づいて株式交付に係るポイントを付与されていました。
昨年、このポイント数に相当する株式(上場株式に該当)の交付を受け、今年になってこの株式を譲渡しましたが、この場合、確定申告が必要でしょうか。

法人税法22条の2第1項は、収益の計上時期(時間的帰属)の規範を定めたものであり、法人税法における資産の販売等に係る収益の計上時期を決する原則的な基準として、引渡・役務提供基準を採用している。
これに対して、収益認識会計基準は、収益の認識時期のルールについて、履行義務充足基準ともいうべき基準を採用している。すなわち、収益認識会計基準においては、収益を認識するために5つのステップが設けられており、そのステップ5では、履行義務の充足による収益の認識配分の作業を行うことしている。

X社は従業員Yを懲戒解雇したが、Yはその無効と未払賃金の支払を求めてX社を提訴し、勝訴判決を得た(未払賃金については、源泉所得税を控除しない金額の支払を命じる内容だった)。Yは、これに基づき、X社の事務所内の現金を目的とする動産執行を行ったので、X社は、担当の執行官に対し、未払賃金全額に相当する弁済の提供をした。
その後、Z税務署長は、これに関し、X社に対して源泉所得税についての納税の告知をした。X社はこれに応じて源泉所得税を納付した上、Yに対し、源泉所得税相当額を返還するよう求めたのが本件である。

9月26日に公表された、政府税制調査会中期答申「経済社会の構造変化を踏まえた令和時代の税制のあり方」(以下、答申)を一読した。新味の少ない答申だが、筆者が興味を惹かれたのは、「納税環境」の部分である。

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