NPO法人 “AtoZ” 【第7回】「NPO法人の税務②」~法人税・住民税・源泉所得税等~
NPO法人も収益事業を行う場合には、各事業年度終了の日から2ヶ月以内に、税務署長に対し、法人税の申告書を提出しなければならない(法法74)。
提出書類は、法人税確定申告書、貸借対照表・損益計算書、勘定科目内訳明細書、事業等の概況に関する書類で、添付書類は収益事業以外の事業に係るものを含む、とされている。
法人税は収益事業から生ずる所得のみに課せられるため、NPO法人は、資産・負債、収益・費用を収益事業と収益事業以外の事業に区分して経理することが必要となる。
費用は、収益事業に係る事業費と、管理費のうち収益事業と収益事業以外の事業に共通する資産や費用について資産の使用割合、従業員の従事割合、資産の帳簿価額の比、収入金額の比等の合理的な基準により、按分して計算した収益事業に係る金額を合計して計算する。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第8回】「DPC/PDPSにおける機能評価係数Ⅱ」
DPC/PDPSにおける機能評価係数Ⅱは、第5回で示した図表5に示すように、6項目から構成されている。
2012年度診療報酬改定において、地域医療係数、救急医療係数、データ提出係数については多少の変更が加えられたが、基本的な仕組みは変更されず、今後も大きな方向性は変わらないものと予想される。
2012年度診療報酬改定では、医療機関群(Ⅰ群・Ⅱ群・Ⅲ群)の設定が行われ、DPC対象病院全体で評価された項目(データ提出係数、効率性係数、救急医療係数)と医療機関群ごとに評価された項目(複雑性係数、カバー率係数、地域医療係数)に分かれた。これらは医療機関の質的側面を評価したものであり、DPCに参加するか否かにかかわらず、今、急性期病院に求められていることが凝縮されている。
企業の香港進出をめぐる実務ポイント 【第5回】「香港の税制(後編)」
1) 内国歳入庁(IRD:Inland Revenue Department)
香港の税務局のことであり、主要な税金の徴収管理を司る機関である。
全体でも2,800人程度(2012年4月時点)と非常に限られた職員で運営されている。
2) 賦課課税制度
香港の所得税は、賦課課税制度がとられている。
ちなみに日本では、納税義務者が税務申告書を作成して提出し、その申告書に基づき納税する申告納税制度がとられている。
会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第5回】「3年先5年先の経営計画書を作っている会社があるけれど、これって本当に役に立っているの」
私が開業して間もない頃、会計事務所業界では、経営計画シミュレーションの仕事が全国的に盛んになりました。
3年先5年先のP/L、B/Sを自動的に計算してくれるという商品です。
これからは記帳業務じゃなくて、経営計画シミュレーションの時代だと業界誌も書き立てました。
なにせコンピュータのソフトを含めた価格が1,000万円もしましたが、どんどんこれにのめり込んでいく事務所が増えたのでした。
NPO法人 “AtoZ” 【第6回】「NPO法人の税務①」~NPO法人の収益事業~
NPO法人も、一般の法人と同様に、収益事業を行っている場合には、法人税の申告をしなければならない。
収益事業とは、特掲事業として定められた次の34業種で、継続して事業場を設けて行われるものをいう(法法2十三、法令5)。
「物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保険業、技芸教授業等、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業、労働者派遣業」
NPO法人 “AtoZ” 【第5回】「NPO法人会計基準」
NPO法人は、情報公開を行い、それを市民が監視するという趣旨のもと、会計報告を作成しなければならない。
その会計報告を作成するための統一基準が、NPO法人会計基準(以下「会計基準」)である。
会計基準ができるまでは、「特定非営利活動法人の会計の手引き」(平成11年6月旧経済企画庁公表)に基づき、NPO法人が各自工夫して会計報告を作成していたが、提出された会計報告が多様で数字の整合性・比較可能性が取れないものもあり、信頼性に欠けるものが多く見られた。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第7回】「診療密度の意味するところ」
2012年度診療報酬改定においてDPC/PDPSにおいて基礎係数が導入され、医療機関群の設定が行われた。このことは、一見するとDPC対象病院だけが影響を受けるものと捉えがちであるが、医療政策のメッセージが散りばめられており、あらゆる病院にとって注目すべき事項が含まれている。
本稿では、Ⅱ群に入るための実績要件の1つである診療密度について取り上げ、これからの病院経営を考えていく。
NPO法人 “AtoZ” 【第4回】「NPO法人の管理運営②」~議事録の作成・役員報酬規程等規程の整備等~
NPO法人は、小規模法人が多く、管理運営に専念している者がいない法人も多く見られる。そのため、備え付けておかなければならない議事録・報酬規程が、どうしてもおろそかになりがちである。
しかし、NPO法人であっても法人である限りは、組織の活動等の基本的な規則である定款に従った運営を行わなければならない。
議事録とは法人が開く会議の議題から決定事項までその内容をすべて記録した文書であり、内部管理体制の整備のために必要不可欠なものである。
会計事務所の事業承継~事務所を売るという選択肢~ 【第4回】「会計事務所の譲渡契約」
今回は開業税理士個人の会計事務所を売り手、税理士法人を買い手とするM&Aを前提として、譲渡契約書の記載内容を検討する。
〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第2回】「IT サービス(クラウド、SaaS、ASP)とは」
クラウド(cloud)という言葉は2009年頃から頻繁に使われるようになったが、正確には「クラウド・コンピューティング」の略である。
システムの絵を書くときにネットワークを雲のマークで表すのが一般的であるため、ネットワークの向こう側にデータを置いたり、ネットワークの向こう側のソフトウエアを利用したりすること、すなわち、データやソフトウエアの所在を意識することなく、アクセスしあるいは利用することをこのクラウド(雲)という言葉で表すようになった。
2006年8月にグーグルのCEOであるエリック・シュミットが唱えたところから、世間に広く知られるようになったといわれている。
クラウド・コンピューティングと呼ばれるサービスには、具体的には以下のようなものがある。