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専門家の間では半ば常識ですが、『英語ができること』と『仕事上で外国人とのコミュニケーションが上手くできること』は、必ずしも一致しません。
私がこれまでに仕事を通じて出会った事例では、専門学校卒、高校時代は英語が全く不得意、今でもサバイバル英語に自信がない、でも海外のお客さんとはすぐに打ち解け、海外出張に行けばその先々で友だちを作ってしまう、という営業マンがいました(Aさんとします)。

「これは・・・法の欠缼では・・・?」
谷垣調査官は田中統括官の机の前で頸を傾げている。
「何が・・・問題だって?」
田中統括官は頭を掻きながら、うるさそうな顔をしてペンを止めた。第三部門の来月以降の実行(調査)計画等を策定していたところである。
「ええ・・・第2次相続に係る相続税の申告をした後、第1次相続について分割が確定したケースなんですが・・・」

突然ですが、海外に限らず、ビジネスの最前線で情報収集にあたる役割を担ったとして、あなたが最も重要視する情報ソースは次のどれですか?
① インターネット
② 新聞
③ 口コミ
段階によっても違うのですが、見知らぬ土地で会社の損益に関わるオペレーションをするという地に足の着いたビジネスをするうえでは、当然ですが③の占める比重が大きくなります。

「田中統括官・・・納税者からの質問なのですが・・・」
谷垣調査官は、少し遠慮した様子で尋ねる。
昼食後で、田中統括官は爪楊枝をくわえながら、新聞を読んでいる。
「・・・質問?」
田中統括官は、眠そうな顔をして振り返る。
「父の相続で、配偶者(甲)、長男(乙)、次男(丙)が自宅を取得したのですが・・・次のような持分で、それぞれ取得しているのです・・・」
と言いながら、谷垣調査官は、自分で描いた図を見せた。

プラザ合意以降の円高から30年を経て、今や中小企業であっても、ごく普通に海外へと進出する時代になりました。
他方で、限られた経営資源しか持たない中小企業経営者・人事担当者にとっては「海外勤務者として誰を派遣すればよいか?」という、その人選が悩みのタネです。
なぜなら必ずしも「国内で仕事ができる人=海外で活躍できる人」とはいえず、文化やお作法など、ビジネス的な土壌の差が大きく影響するからです。

「ところで統括官、家族信託って、そんなに流行っているのですか?」
昼食後の雑談中に、谷垣調査官が尋ねる。
「・・・家族信託?」
田中統括官は、怪訝そうな顔をする。
「ええ、納税者からの電話で・・・銀行から家族信託を勧められたので、その課税について質問があったのです・・・そもそも家族信託って何なんですか?」

前回は論理的で分かりやすい話し方について解説しました。当たり前のことですが、「話す」ということは常に「話し終わり」という場面が必要です。その話し終わりをクロージングと位置付けていますが、ただ終わるだけではもったいないのではないでしょうか。
分かりやすく解説して終わりではなく、次につなげることが士業者に必要な真のクロージングだと私は考えています。

皆さんは、上司やお客様の話し方が気になったことはありませんか?
なんだかまわりくどくて、結局何を言いたいのか分かりにくいと感じられてしまう人、士業者に限らず、少なくないようです。
今回は、分かりやすい説明ができるように工夫できるポイントをお話します。
分かりやすくあるためには、論理的であることはいうまでもありませんが、それ以前にクリアしなければならないことがあります。

「統括官、お尋ねしたいのですが・・・譲渡所得を計算するときに、不動産の取得費が分からなかった場合、必ず措置法31条の4を適用しなければならないのですか?」
谷垣調査官は条文を示しながら田中統括官に尋ねた。
「取得費が分からないということは、取得したときの売買契約書を紛失したということなのか?」
田中統括官は少し苛立った様子で確認する。

さあ今回は、その雑談時や本論に入った際の「聞き方」についてお話します。
「話す」という行為以上に、「聞く」という行為は大切だと考えています。なぜならば、皆さんが切り出す話題がどんなに良い内容でも、それが上手に展開されるかどうか(相手が十分に情報を開示してくれるかどうか)は、相手がちゃんと話してくれなければ意味がないからです。

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