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これまでの会計事務所業界の仕事の内容や方法は、ITの進化とともに変化してきました。その昔は手で伝票を起こして手で集計していた作業が、パソコンの導入やソフト(システム)の開発によって、データさえあれば様々なものが自動的に集計され出来上がってくるようになりました。
この場合はデータの作成がポイントとなります。データを手で入力するのか、他のシステムなどから取り込むのか、データをいかに早く簡単に取得できるのかを考えることが大切です。データがあれば、消費税申告書などは会計ソフトが自動的に集計して作成してくれます。人の手は要りません。

そもそも税理士の立場からすると、確かに税務申告書作成は業務上重要な位置を占めているもの、我々はそれのみを業としているわけではなく、むしろ税務申告書に反映する前の会計上の取り扱いや、会計処理以前の取引形態の相談、契約書への反映のさせ方などの相談業務への対応が、より高い比重を占めているはずである。

AIの開発には目覚ましいものがあり、近い将来、公認会計士による財務諸表監査にも大きな影響を及ぼすことが予想される。
果たしてAIが「不正会計」の発見に有用なものか、あるいは効率的・効果的に財務諸表監査を実施するに際しての救世主となるのか、今のところ予断を許さない。公認会計士も、M&Aなどを含む会計に関連する幅広い業務を行っていることから、AIの活用場面は何も財務諸表監査に限られるものではない。

「・・・死亡した人の公的年金で、その人の死亡後に支給の到来するものは、当然、その死亡した人の所得だと思っていたのですけど・・・」
浅田調査官は、中尾統括官に尋ねる。
所得税の調査報告書を読んでいた中尾統括官は、顔を上げる。
「・・・公的年金?」

昨年10月に行われた一般社団法人日本公認不正検査士協会のカンファレンスでは、「不正調査と人工知能(AI)」がテーマとして取り上げられた。当日は、ベーカー&マッケンジー法律事務所所属の弁護士・井上朗氏が「AIを活用した不正調査の現状と今後の課題」と題して、基調講演を行い、これまで手がけてきた国際カルテル事件におけるアメリカ司法省との戦いの中で、どのようにAIを活用してきたのか、その一端を明らかにした。

日本には言語の壁があるので、これまでアメリカの企業が行ってきたような、付加価値の低いサービスをインド等の国外にアウトソースしてしまうオフショアリングはあまり進んでいませんでした。AIを含むソフトウェア開発についても、まずは英語圏で開発が先行する可能性はありますが、中国で滴滴出行が先に自国マーケットを抑えウーバーを追い出してしまったように、日本で開発されたテクノロジーがデファクトスタンダードになる日が来るかもしれません。あるいはドコモのiモードのように、一世を風靡しても、後から「ガラパゴスだった」と言われてしまうかもしれません。

AI(人工知能)によって将来代替される可能性の高い仕事の一つとして会計士が挙げられてから数年が経つ。現に監査業務へのAI導入が大手監査法人では真剣に研究されている。期末監査で膨大な事務量をこなす現場からは、これを歓迎する意見も聞かれるが、反面自らの将来に不安を禁じえない会計士も少なくないと思う。

近時、主に機械学習を利用したAI技術が急速に発展し、多くの企業がAI技術を利用したソフトウェアの開発や利用に取り組み始めている。今後もAI技術は社会に広く普及していくことが予想されるが、人間の指示を受けずに自律的な判断を行うAIの行為によって事故等が発生した場合、誰がどのような責任を負うのかといった新しい法律問題には、未解決の点も多い。
例えば、AIのコントロールする自動運転車が判断ミスにより衝突する、AIによるがん早期発見システムが検知ミスにより患者のがんの進行を許してしまう、といった例が典型的である。
AIは「人」に該当しない以上、AIによって発生した事故等についてAI自体に法的責任を問うことはできない。それでは、AIの開発や利用に関係する者(自然人や法人)のうち、誰がどのような場合に責任を負うのか、ということが問題となる。

「統括官は株主優待乗車券を持っていますか?」
浅田調査官は中尾統括官の背後から急に声をかけた。
「・・・株主優待乗車券?」
昼休みに新聞を読んでいた中尾統括官は、驚いたように振り返る。
浅田調査官は笑っている。

例えば、税務申告書を作成する税理士と税務コンサルティングを行う税理士が別々であっても構わない。売上総額という意味では前者の方が高額であるが、1時間当たりの単価という意味では後者の方が高額である。今までは、1人の税理士がすべてを行っていたために非効率であったが、分業が成立すると効率的に仕事ができるようになる。

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