前回でも触れたとおり、税務訴訟において当事者双方の主張の根拠となる資料等の収集は、税務調査の段階で、その大半が完結することになる。
この点を踏まえると、税務調査終了段階で税務争訟に移行するかどうかの検討を行うにあたって、まず行うべきは、納税者側及び課税庁側の言い分を対比し、手持ちの資料を突き合わせるなどして、「その時点における争点」を明確化するとともに、その優劣を冷静に比較することである。

-Question-
他社と取引を始めるに際し、当社の製造上・営業上のノウハウが記載された書類を開示することになりました。
取引先によるこれらの情報の漏えいや不正な利用を防ぐためには、会社として、どのような方策が考えられるでしょうか。

私は、A市で生活をしていますが、隣のB市に空き家となった実家を所有しています。自宅は、昭和40年代に建築された木造瓦葺の建物です。父は実家の修繕工事をしていたようですが、相当に経年劣化しています。
先日、台風17号(仮称)がB市を縦断し、実家の屋根瓦が一部落下したほか、屋根に残っている瓦も剥がれそうな状態になりました。私は、応急処置としてブルーシートを貼って瓦の落下や雨漏りを防いでいますが、修繕工事の目途は立っていません。天気予報によれば、間もなく大型の台風18号(仮称)がB市を縦断するようです。
もし、この台風によって瓦が飛散して、第三者に損害を与えた場合、私にはどのような法的責任がありますか。

前回の解説で、自社の使っている約款が「定型約款」に当たることがわかりました。
定型約款は、事後的に条項を変更する必要性が生じることがありますが、そのような場合の定型約款の取扱いについて教えてください。

今回からは、これまでの連載を踏まえたまとめとして、改めて読者である税理士(会計専門家、さらには会計税務に関わる企業関係者の方)が法曹マインドを理解する意味について確認した上で、税務調査以降の各場面における留意点等について整理してみたい。

-Question-
他社との協業にあたり、自社の営業秘密である顧客リストを開示することになりましたが、どのような点に留意して開示を行えばよいでしょうか。

改正前民法においては、遺言執行者に関して、その法的地位や権限について不明確な点が多いと言われていた。これを受けて改正後民法では、遺言執行者の権限の明確化等が図られることとなった。改正後民法における規定は、「遺言執行者は、遺言の実現のために行動する者である」という、遺言執行者の本質に留意したものと考えられる。
各変更点については、拙稿「改正法案からみた民法(相続法制)のポイント【第5回】」をご覧いただければと思うが、今回は、具体例に基づき「遺言執行者に就任した場合、具体的にどのように行動すべきか」という観点から、その留意点を解説したい。

本稿の「上」で述べたとおり、自動車メーカーN社では「会長への人事・報酬を含む権限の集中」が生じていた。この点にガバナンス上の大きな問題があった。
そこで、この点を改善するため、2019年3月27日付のガバナンス改善特別委員会からの報告書(委員会報告書)は、自動車メーカーN社に対して、「指名委員会等設置会社」に移行することを提言した。

言い換えれば、法務デューデリジェンスの究極目標は、発見された法的問題点(Legal Risk)等(法的問題点に限らず、財務デューデリジェンスやビジネスデューデリジェンスの結果、発見された問題点も含む)をM&A契約においていかに低減させ、成功に導くかという観点が重要であるということになろう。それを達成するツールが「M&A契約」であり、そういう意味では契約が最も重要ともいえる。
一方で、ご存知のとおり、民法のうち債権関係の規定を改正する民法の一部を改正する法律(以下「改正民法」という)が、平成29年6月2日に公布され、令和2年(2020年)4月1日から施行される。そのため、M&A契約における主要な条項のうちいくつかも、改正民法の影響を受けることになる。
本項では、改正民法とM&A契約の関係について、ポイントを絞ってご紹介する。

2019年3月27日、自動車メーカーN社が、ガバナンス改善特別委員会からの報告書を公表した(以下「委員会報告書」という)。同報告書は、同社の会長が逮捕されたことを契機に、同社のガバナンス上の問題点を解明し、ガバナンスの改善点等を提言するものである。
ガバナンスという観点から特に注目されるのは、「取締役の報酬に関する問題」と、「経営体制及び株主との関係に関する問題」である。本稿は「上」と「下」の二部構成である。委員会報告書や報道を基礎に、「上」では取締役の報酬という観点を中心に、ガバナンス上の問題を論じることとする。

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