【第1回】で述べたように、今回の改正により、介護休業等の介護に関わる制度の対象となる家族(対象家族)の範囲が拡大されている。
祖父母、兄弟姉妹、孫については、これまで「同居かつ扶養」の要件が付されていたが、この要件が廃止されたため、従業員一人につき対象となりうる家族の数は、家族構成にもよるが、かなり増えることになるだろう。

まずは、今回の改正を踏まえて、育児・介護の制度導入に関する会社方針の決定が必要になる。法律に抵触しないよう育児介護休業法が求める最低限の措置を導入する対応もあるであろうし、育児・介護をする従業員をよりサポートするため、法律を上回る措置を導入する対応もあるであろう。いずれにしても、それぞれの会社の育児・介護支援に対する考え方や業務特性を踏まえた会社方針の決定が必要だ。

今回は改正ポイントの最後として、新たに義務化されている「育児休業等に関するハラスメントの防止措置」の内容を確認していきたい。
改正前も、育児休業等の申出や利用を理由として解雇や雇止め等の不利益な取扱いをすることは禁止されていたが、今回新たに義務として追加されたのは、職場において、育児休業や介護休業等の制度の申出や利用に関する上司や同僚の言動により労働者の就業環境が害されることがないよう、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備する等の必要な措置を講ずることとなる。

子の看護休暇は、負傷し又は疾病にかかった小学校就学の始期に達するまでの子の世話を行うため、又は当該子に予防接種や健康診断を受けさせるため、1年に5日(子が2人以上いる場合は年に10日)まで取得が可能な休暇をいうが、改正前は介護休暇と同様に、1日単位で取得する制度となっていた。しかし、子の世話を行うために丸一日休暇を取得する必要がない場面も想定されることから、改正後は、柔軟性を高めて半日単位でも取得が可能となっている。

介護休暇とは、対象家族の介護その他の世話をするため1年に5日(対象家族が2人以上いる場合は年に10日)まで取得が可能な休暇をいうが、改正前は、1日単位で取得する制度となっていた。
しかし、介護等のため丸一日休暇を取得する必要がない場面も想定されることから、改正後は柔軟性を高めて半日単位でも取得が可能となっている。

改正前は、介護休業は、対象家族1人につき、通算93日以内で、要介護状態に至るごとに原則1回とされ、同一の要介護状態においては、基本的には一度しか休業を取得することができなかった。例えば、介護が必要になった最初の段階で休業を取得した場合、その後復職し、さらに同一の要介護状態の中で二度目の休業が必要になった場合でも、それに対応して再度の休業を取得することはできなかった。

これまで10回にわたり、会社が従業員を解雇する場合の実務とそのリスクや対応策について解説してきたが、解雇の要件は、従業員側に原因のある普通解雇(【第4回】~【第8回】)、懲戒解雇(【第9回】)、会社側の経営状態を理由とする整理解雇(【第10回】)によってそれぞれ異なるものの、一般に思われているよりも遥かに難しいものであることがご理解いただけたと思う。

災害によるストレスは長期に及ぶことが多く、様々な健康への影響が懸念される。「死ぬかもしれなかった」という恐怖体験、「大切な人を亡くす」という喪失体験だけでなく、水・電気・ガス・交通等のライフラインの遮断や避難所生活等によるストレス等がある。
こうした災害によるストレスは、PTSDやうつ病などの精神疾患を発症する要因となる。企業にとって社員の健康管理は不可欠であり、社員が安心して職場に復帰できる体制づくりが企業活動の早期復旧への近道であるといえよう。

災害を避けることはできないが、災害から被る被害は、対処の仕方によって軽減することはできる。過去に起きた震災の教訓を生かし、企業が一丸となって、日頃から防災対策に取り組んでいただきたい。
緊急時において、人の思考力・判断力は平常時に比べて格段に低下する。そのため、事前の対策・準備は重要である。
『防災意識の高い企業が、万一の時、経営を守る』ということを理解しておきたい。

整理解雇とは、普通解雇の一種である。【第4回】から【第8回】で解説した普通解雇は、従業員側に解雇の理由がある。一方、整理解雇は、会社側に理由がある場合であり、会社側の経済状況等によって生じた従業員削減の必要性に基づき労働者を解雇することをいう。
整理解雇については、一般に、裁判例上、以下の4つ(「整理解雇の4要件(要素)」)が必要とされ、裁判例も蓄積されているところである。この4要件(要素)が存在することについては、会社側が証拠をもって立証する必要がある。

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