「浅田君は・・・今年から新しくなる年末調整の手続きを知ってるかい?」
中尾統括官は、浅田調査官に声をかける。
「年末調整・・・ですか?」
浅田調査官は怪訝そうな顔をする。
「10月に国税庁がホームページで年末調整控除申告書作成用のソフトを公表するという・・・あれだよ。」
中尾統括官は、険しそうな表情で浅田調査官を見る。

前回は、ガンの早期発見・診断技術等の進歩により、保険会社が抱えるガン保険の引受リスク・支払リスクが増大しているという状況についてお伝えしました。
そこで今回は、このような状況の中、実際に保険会社が商品開発をする上で具体的にどのような対策を講じているのか、そして、それを踏まえ、お客様にとって最適なガン保障を提供する上でのポイントについてお伝えします。

「ほんとに・・・やれるのかな・・・」
中尾統括官は、パソコンの画面を見ながらつぶやく。
「東京オリンピックですか?」
机の上の申告書を整理していた浅田調査官は、振り向いて尋ねる。
「いや、税理士試験のことだよ。」
中尾統括官は、大きな声で応える。

保険会社は、将来にわたる財務の健全性の確保を図るため、様々なリスク管理に余念がありません。特に保険引受・支払リスク、資産運用リスクの管理は保険契約に直結する重要な課題です。
ごく最近であれば、新型コロナウイルスの影響により、米国で事実上のゼロ金利政策が導入されたことで運用リスクが一気に高まり、将来の逆ザヤリスクに備えるため、早々に外貨建保険(平準払い)の予定利率を引き下げる保険会社が出てきました。
しかし、これとは別にすでに数年前からガン保険を販売している保険会社では保険引受・支払リスクに対し警戒感を強め、その対策に腐心しているのです。
そこで、今回から2回にわたり、保険会社から見たガン保険のリスクとその対策についてお伝えします。

「・・・やりましたね。」
そう言いながら、浅田調査官は嬉しそうに、最高裁の判決文を中尾統括官に見せる。
・令和2年(行ヒ)第68号 不指定取消請求事件
・令和2年6月30日 第三小法廷判決
「この判例は、最高裁判所のホームページの新着情報から見つけたものですが・・・報道で発表された翌日に、もうインターネットで掲載されるなんて・・・早いですね。」
浅田調査官は、笑顔で言う。

私はこれまでの仕事の中で、いろいろな方とお目にかかり、その後長くお付き合いさせていただいている方も多くおられます。もちろんすべてが仕事に関するお付き合いだけではなく、むしろ自分自身の人格形成に役立つことから、進んで交遊を広める努力を図っています。
中でも仕事柄「税理士さん」と知り合う機会が必然的に多くなっています。
特に現役の銀行員時代は、税理士の方々からの働きかけが多かった気がします。おそらく銀行の顧客の相続事案情報並びに顧客紹介を期待されていたのでしょう。

この度の新型コロナウイルス感染症により影響を受けられた皆様方におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
さて、3月13日の金融庁からの要請もあり、保険会社は順次、「新型コロナウイルス感染症に関する特別取扱い」を拡大してきました。
しかし、その内容は一見すると同じように見えますが、実は、保険会社の社内事情により異なりますので、十分理解しておく必要があります。
特に、「死亡保障」と「貸付金に関する特別取扱い」においては、注意が必要です。

「中尾統括官・・・新型コロナウイルスの影響で、今後の税務調査は、原則、オンラインになると思うのですが・・・」
浅田調査官は箸を持ちながら、中尾統括官に言う。
税務署の近くの蕎麦屋で、2人は対面ではなく、横並びで蕎麦を食べている。2日前まで休業していた蕎麦屋には、客は数人しかいない。新型コロナウイルスが騒がれる前は、お昼時には多くの客で店の中はごった返していた。
「なかなか客足は・・・元に戻りませんね・・・」
浅田調査官は、店の中をキョロキョロと見回している。

前回、銀行系代理店が通達改正後に有配当終身保険を積極的に販売していることをご紹介しましたが、これ以外にも同じ終身保険で優位性のある商品があります。
それは、「外貨建終身保険」です。
外貨建商品の場合、円建商品とは違い、保険業法上、契約者に対して約束する運用利回りである予定利率を決める際、標準利率(本稿執筆時点:0.25%)の影響を受けないため、保険会社の財務体力に委ねられています。

「10万円か・・・」
浅田調査官はそうつぶやくと、振り返って中尾統括官を見る。
中尾統括官は毎月の事務計画の策定で、電卓を叩いている。
「統括官。」
浅田調査官が、声をかける。
「・・・」
しばらくして、中尾統括官は、顔を上げる。

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