公開日: 2018/11/22 (掲載号:No.295)
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相続(民法等)をめぐる注目判例紹介 【第2回】「共同相続人間における相続分の無償譲渡」-最高裁平成30年10月19日判決-

筆者: 阪本 敬幸

相続(民法等)をめぐる注目判例紹介

【第2回】

「共同相続人間における相続分の無償譲渡」

-最高裁平成30年10月19日判決-

 

弁護士 阪本 敬幸

 

1 事案の概要

最高裁平成30年10月19日判決(以下、「本件判決」という)は、下記相続関係図(実際の事案では4人の子がいたようだが、簡略化するためXYの2人とした)の場合に、下記の事情があったという事案である。

平成20年12月:父B死亡。Bの遺産分割調停手続において、母Aは自己の相続分をYに譲渡して手続きから脱退。

平成22年8月:Aは全財産をYに相続させる旨の遺言作成。

平成22年12月:Bの遺産について、XY間で遺産分割調停成立。

平成26年7月:A死亡。

平成26年11月:XがYに対し、Aの相続に関し、遺留分減殺請求権行使の意思表示。

Xは、上記B死亡時におけるAからYに対する相続分譲渡(以下、「本件相続分譲渡」という)の価額を、遺留分減殺の基礎となる財産額に算入すべき贈与(民法1044条、903条1項)にあたると主張。原審(東京高裁平成29年6月22日判決)は、Xの主張を認めなかっため、Xが上告。

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【第2回】

「共同相続人間における相続分の無償譲渡」

-最高裁平成30年10月19日判決-

 

弁護士 阪本 敬幸

 

1 事案の概要

最高裁平成30年10月19日判決(以下、「本件判決」という)は、下記相続関係図(実際の事案では4人の子がいたようだが、簡略化するためXYの2人とした)の場合に、下記の事情があったという事案である。

平成20年12月:父B死亡。Bの遺産分割調停手続において、母Aは自己の相続分をYに譲渡して手続きから脱退。

平成22年8月:Aは全財産をYに相続させる旨の遺言作成。

平成22年12月:Bの遺産について、XY間で遺産分割調停成立。

平成26年7月:A死亡。

平成26年11月:XがYに対し、Aの相続に関し、遺留分減殺請求権行使の意思表示。

Xは、上記B死亡時におけるAからYに対する相続分譲渡(以下、「本件相続分譲渡」という)の価額を、遺留分減殺の基礎となる財産額に算入すべき贈与(民法1044条、903条1項)にあたると主張。原審(東京高裁平成29年6月22日判決)は、Xの主張を認めなかっため、Xが上告。

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連載目次

筆者紹介

阪本 敬幸

(さかもと・のりゆき)

弁護士

東北大学法学部及び関西学院大学法科大学院卒業後、大阪弁護士会にて弁護士登録。

【著書】
相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル」(清文社2018年出版)共著

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