《税務必敗法》
【第1回】
「申告書の提出を行っていなかった」
公認会計士・税理士 森 智幸
◆ ◇ ◆ 連載開始にあたって ◆ ◇ ◆
本連載は、税務を行う上で「これをやったら失敗する」という必敗法を紹介するものである。成功するときは、運が味方することもあり、その要因が定かではない。しかし、失敗するときは、必ず何らかの原因がある。その原因を1つずつ取り除いていけば、成功に近づくのである。この考え方は、吉田兼好の徒然草『双六の名人』の中でも紹介されている。兼好が、当時の遊びである双六の名人に、上手な打ち方を尋ねたところ、名人は次のように答えたという。
「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目なりともおそく負くべき手につくべし」(「勝とうと思って打ってはならない。負けないように打つべきである。どの手を打つと早く負けてしまうのかを考え、その手を使わないようにし、一手でも負けるのを遅らせる手を選ぶべきである。」)
本連載は、税理士だけではなく、会計事務所の職員も読者の対象としている。必敗法は、税務を行う会計事務所職員もぜひ、身につけていただきたい。
本連載が、税務の一助になれば幸いである。
* * *
【事例】
6月のある日、X会計事務所に税務署から電話がかかってきた。税務署によると、顧問先であるA社の申告書が提出されていないが、どうなっているのかということだった。事務所内で調査をしたところ、担当者が申告期限を勘違いしており、申告書の提出を行っていなかったことが発覚した。
1 はじめに
税務を行う税理士にとって、顧問先の申告書の提出を忘れるということはプロフェッショナルとして絶対にあってはならないことである。
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