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《編集部レポート》
日税連主催の「報道関係者との懇談会」が開催される
~事業承継のマッチングサイト「担い手探しナビ」・
「平成31年度税制改正建議書」等について紹介~
Profession Journal 編集部
日本税理士会連合会は2018年9月6日(木)、日本記者クラブにおいて「報道関係者との懇談会」を開催、中小企業の事業承継問題への対応及び平成31年度税制改正に関する建議書についての説明が行われた。
会の冒頭では神津信一日本税理士会連合会会長より、当日発生した平成30年北海道胆振東部地震で被害を受けられた方々へのお見舞いの言葉があり、次に、本日の主題の1つである中小企業の事業承継をめぐる問題について、本年度改正で創設された事業承継税制の特例措置が経営者に対し十分に周知されていない現状と、日税連が全国展開するマッチングサイト「担い手探しナビ」立ち上げの経緯などについて説明があった。
(神津信一日本税理士会連合会会長)
続いて、近藤雅人広報部部長を司会としてスタートした懇談会ではまず、「中小企業存続への対応-事業承継税制とマッチングサイト-」と題し、服部達哉広報部副部長を進行に瀬戸順一中小企業対策部長から中小企業と寄り添う立場である税理士がその事業承継問題において果たすべき役割、そして日税連が10月からスタートさせる予定の事業承継マッチングサイト「担い手探しナビ」に関する説明が行われた。なおこのマッチングサイトについては、すでに北陸税理士会において試験的に導入済みであり、実績(成約)も上がっているとのこと。
また平井貴昭調査研究部部長からは、平成30年度税制改正で創設された事業承継税制の特例措置について、これまでの事業承継税制から要件が緩和された点や、適用を受けるには「特例承継計画」を平成35年3月31日までに提出しなければならない点など新制度のポイントについて説明があった。
説明後は参加者から「担い手探しナビ」に関して、顧問税理士へ求められる対応などの質問が相次ぎ、 報道関係者からの注目の高さが伺えた。
次に本年6月に決定され先月関係省庁へ提出された「平成31年度税制改正に関する建議書」のうち重要建議項目について、柳町和巳広報部副部長を進行に平井調査研究部長による説明が行われた。
特に消費税の軽減税率制度については、その性質により低所得者対策として非効率である点が数値を用いて紹介され、単一税率を維持した上で簡素な給付措置等による負担軽減策とすべきであるとした。また今後の税制改正については、民法(相続)改正に伴う税制のあり方として配偶者居住権や特別寄与料の評価・算定に関する問題について説明が行われた。
〈建議書における重要建議項目 〉
1.消費税における単一税率及び請求書等保存方式を維持すること。
2.所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフトを進めるとともに、基礎的な人的控除のあり方を見直すこと。
3.償却資産に係る固定資産税制度を抜本的に見直すこと。
(了)