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改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第4回】「債権者区分の判定要件における注意点」

改正金融検査マニュアルのポイントと 中小企業へ与える影響 【第4回】 「債権者区分の判定要件における 注意点」   OAG税理士法人 税理士 山下 好一   前回、「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」(以下「マニュアル別冊」という)を分かりやすく解説した「知ってナットク! 中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識」(以下「検査の知識」という)及びこの「事例集」があること、そして、マニュアル別冊には金融機関から高く評価されるヒントがあり、これを知っていれば、中小企業等の資金調達に役に立つことを紹介した。 今回は、この「検査の知識」及び「事例集」を用いて、マニュアル別冊の運用上の注意点等について解説をする。 はじめに、「検査の知識」の2ページ目に「金融機関が金融検査を理由に、貸出を断ることはありません。」とある。 しかし残念ながら、実際にはこのような理由で貸出しを謝絶した事例も存在する。 検査においては、金融検査マニュアルの「留意事項」に「金融機関が経営判断で決すべき個別の与信判断の是非には介入しないよう留意する必要がある。」と記載があるように、金融機関の正当なルールに則って行われた貸出しであれば、たとえ信用リスクが大きくても、それに見合った引当てが積まれていれば問題としない。 また、前々回(第2回)の最後で述べたとおり、金融検査マニュアルにおいては、金融機関には、顧客説明の適切性や十分性の確保が求められており、顧客の理解と納得が得られることを目的とした説明を行わなければならないことになっている。 したがって、十分な説明が行えないなどの理由から、安易に金融庁検査を理由とするのである。謝絶理由に納得ができない場合には、納得できるまで説明を求めることができる。 * * * マニュアル別冊による債務者区分の判定は、一定の要件のもと、中小企業等の将来の経営状態を予測して判断するものである。 したがって、以下に掲げる要件により、その企業の経営状態の改善が見込めるものでなければならない。 経営者と企業を一体として判断 (「事例集」p1~p4) 中小企業等は、「株主=経営者」となっている場合が多い。したがって、中小企業等の債務者区分の判定において、代表者やその家族(以下「代表者等」という)の財産や収入を企業の財務諸表に反映させて判断するというものである。 ここは、定量的な判定ができるところであり、実際の判定でも多く使われている。 ここで特に注意すべき点は、以下のとおりである。 いずれにしても、金融機関に対し、個人の資産・負債や生活費等(家計簿があればベスト)のすべてを包み隠さず正直に開示し、信頼関係を保持することが重要である。 技術力・販売力のある中小企業を高く評価 (「事例集」p5~p8) 中小企業等の「技術力や販売力」(以下「技術力等」という)を客観的に評価し、将来の収益予測を行って、債務者区分を判断するというものである。 ここは上記と異なり定性的な判定となるため、誰もが納得できるような技術力等でなければならない。 ここで特に注意すべき点は、以下のとおりである。 金融機関等が技術力等を評価し、それを将来の収益予想に反映させることは容易ではない。 したがって、金融機関に対し、事業計画書等を用いることなどにより、新規受注契約の状況等や技術力による収益性の高い新商品の開発及び業界内シェアの拡大などを積極的にアピールすることが重要である。 努力する経営者を高く評価 (「事例集」p9) 経営者の資質を評価するというものであるが、筆者の経験では、この判定による債務者区分のランクアップは記憶にない。 そもそも、経営者の資質が良くなければ、貸付け自体が行われず、また、経営改善に対する取組み姿勢についても、これを加味した技術力等や事業計画書の策定などによる評価の方が、客観的な判定がしやすいことが理由と考えられる。 しかしながら、他の要件がすべて良好であったとしても、最終的に経営に資質が備わっていないと判断されてしまえば、すべてが徒労に終わる。 そのため、より一層の「再建の熱意」、「返済の誠意」などを見せることが重要である。 業種の特性を勘案・中小企業の特性を踏まえ柔軟に判断 (「事例集」p10・p22) 中小企業等は、自己資本額が少額であるため、債務超過に陥りやすい。特にホテル・旅館業や不動産賃貸業などの業種は、多額の設備投資や改築費用を必要とするとともに、投資資金回収に長期間を要し、また減価償却費も多額となる。 このような場合には、定量的な判定において、運転資金と異なり、債務償還年数も長期に設定することになる。 また、例えば、資産等の除却損など、一過性の要因によっても債務超過に陥ることがある。 このような特性を勘案して、債務者区分を判断するというものである。 ただし、退職金のようなキャッシュアウトを伴うものは注意が必要である。 経営改善に向けた取組みを高く評価 (「事例集」p11~p15) 中小企業等の経営改善に向けた取組みを評価し、債務者区分を判断するというものである。 経営改善に向けた取組みは、技術力等の要件を織り込んだ経営改善計画書や事業計画書などの進捗状況から判断する。 なお、経営改善計画の重要性や策定における注意点は、次回に予定しているので、ここでは省略する。 貸出条件の変更等 (「事例集」p16~p22) これは、債務者区分の判定ではないため、詳細は省略するが、債権の分類の判断を行うための要件である。 債務者区分が「要注意先」である場合、債権の分類は「Ⅱ分類」となるが、貸出条件の緩和を行っている場合には、その債権は同じ「Ⅱ分類」であっても債権の種類が「要管理債権」(不良債権)となってしまう(第1回参照)。 このように、借手企業の支援のための条件変更は不良債権となるが、同じ条件変更であっても、例えば、他行との競争による金利の減額などはこれには当たらない。 また、支援のために金利の引下げを行った場合でも、引下げ後の金利が金融機関の基準金利を上回っていれば(信用リスクに見合った金利の確保)、これも不良債権とはならない。 (了)

#No. 28(掲載号)
#山下 好一
2013/07/18

顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第7回】「スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る」 ~総合スコア~

顧問先の経理財務部門の “偏差値”が分かる スコアリングモデル 【第7回】 「スコアリングデータから 優秀な会社の傾向を読み取る」 ~総合スコア~   株式会社スタンダード機構 代表取締役 島 紀彦   はじめに 前回までに述べたとおり、スコアリングモデルは、会社の経理財務部門のサービスレベルを評価する標準的な手法として、経済産業省の実証事業により構築された手法である。 読者が顧問先にスコアリングモデルを活用すれば、スコアリングモデルによる評価結果は、「総合スコア」、「財務諸表の信頼性スコア」、「業務の有効性・効率性スコア」、「5つの視点別スコア」、「18種類の業務プロセス別スコア」、「137個のKPI別スコア」として提供され、顧問先の経理財務部門のサービスレベルが「見える化」される(図表3)。 図表3 スコアリングモデルの概要(再掲) ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。   そこで、今回から3回にわたり、実際のスコアリングデータを紹介しながら、スコアから読み取られた優秀な会社の傾向について紹介する。 今回取り上げるのは、「総合スコア」である。総合スコアは、第3回で述べた「正確性」、「効率性」、「安定性」、「リスク管理」、「戦略性」から見た経理財務のサービスレベルの総合力を表すスコアである。   総合スコアの全体分布 まず、平成18年に行った134社によるスコアリングデータを紹介する。 参加した会社名は、図表11のとおりである(いずれも当時の呼称)。 図表11 スコアリングモデルに参加した会社 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 では、134社の総合スコア分布を見ていただきたい(図表12)。 図表12 総合スコアの分布 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 全体として平均値周辺に集中し、正規分布に近い形状が形成されている。これをスコアリングモデルの有効性の観点から見ると、134社のサンプルであっても、母集団の傾向を十分説明できるだけのモデルであることを示している。   業種別、株式公開別に見た総合スコアの傾向 次に、総合スコアの傾向を、製造業と非製造業の業種別、株式公開別に分析した結果を見てみよう(図表13)。 図表13 総合スコアの業種別、株式公開別傾向 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 結論を先取りすれば、業種別の優劣の傾向は見られなかったが、株式公開別には、上場企業の方が非上場企業よりも優れているという結果が出た。 以下のとおり、このスコア結果は、経験則に照らして納得感があると考えられる。 まず、総合スコアについて製造業と非製造業を比較したが、いずれかが絶対的に優れていることを示す有意な差は見られない。 次に、上場企業と非上場企業を比較すると、上場企業の平均値が高いだけでなく、上場企業のスコアのバラツキが小さく、一定レベルに収斂している。つまり、スコアリングデータでは、上場企業の方が、非上場企業よりも、総合スコアが高いという結果が出ているのである。 これを経験則に照らしてみると、一般的に、上場企業は、外部からの監視によるガバナンスが働くだけでなく、監査法人による会計監査によって、経理財務部門の経営管理レベルが高い水準に維持されていると考えられる。 スコアリングモデルによる総合スコアの分布は、そのような実態を反映しているのである。   他の指標との関係分析 スコアリングモデルで算出した各スコアが持つ意味をさらに理解してもらうため、経営者や読者のような外部のステークホルダーに馴染みのある他指標とスコアの関係について分析した結果を紹介する。 今回は、総合スコアとの関係を検討する他指標として、「営業利益平均成長率(過去3期)」、「個別決算数値確定日数」を使ってみる。 他指標との関係分析では、総合スコアの上位25社、全134社、下位25社の3グループで他の指標の平均値をグラフで比較し、グラフにおいて総合スコアと他指標に一定の関係が見られるか否かを確認する。一般的に、このような分析の仕方は「平均の差の検定」と呼ばれている。   総合スコアと他指標の関係 総合スコアの上位25社、全134社、下位25社の3グループについて、2つの他指標の平均値を算出し、総合スコアと平均値の関係を分析した結果を以下にまとめた。 上表の「正」とは、総合スコアが高いグループほど他指標の数値が大きくなり、総合スコアが低いグループほど他指標の数値が小さくなる関係が、グラフにおいて見られることを意味する。 また「負」とは、総合スコアが高いグループほど他指標の数値が小さくなり、総合スコアが低いグループほど他指標の数値が大きくなる関係が、グラフにおいて見られることを意味する。 結論から言えば、総合スコアが高い会社ほど、営業利益平均成長率が高く、個別決算数値確定日数が短いという結果となった。 以下、その結果が示唆する意味を読み解いてみよう。 (1) 営業利益平均成長率 総合スコアと営業利益平均成長率に、一定の関係が見られるだろうか(図表14)。 図表14 総合スコアと他の基本的指標との関係(営業利益平均成長率) ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 筆者がこれまで複数の会社に対するコンサルティングで見聞した経験則では、経理財務のサービスレベルの総合力が高い会社は、原価低減や販売管理費の低減等を行い、営業利益を持続的に増やすことができるが、経理財務のサービスレベルの総合力が低い会社は、売上成長率に見合う営業利益の増加を確保できない事例が多く見られる。 そこで、グラフを見てみると、総合スコア上位25社の営業利益成長率が最も高く、総合スコア下位25社の営業利益成長率が最も低いという正の関係が見られる。まさに、経理財務のサービスレベルの総合力が高い会社ほど営業利益を持続的に増やしていく状況が、スコアリングモデルによって、客観的なデータとして証明されている。 (2) 個別決算数値確定日数 次に、総合スコアと個別決算数値確定日数に、一定の関係が見られるだろうか(図表15)。 図表15 総合スコアと他の基本的指標との関係(個別決算数値確定日数) ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 これも、筆者が複数の会社に対するコンサルティングを通じて見聞した経験則であるが、個別決算数値確定日数を短くするには、戦略性をもって、決算方針やマニュアルの策定を行うこと、人員の教育を行うこと、そして、日常の経理・財務業務を正確かつ効率的に行う必要があり、経理財務のサービスレベルの総合力が高い会社ほど、決算数値を早期に確定できていることが多い。 そこで、グラフを見てみると、総合スコア上位25社の日数が最も短く、総合スコア下位25社の日数が最も長いという負の関係が見られる。 このグラフは、経理財務のサービスレベルの総合力が高い会社ほど決算数値の早期確定ができるという経験則を、客観的なデータとして証明しているといえよう。 次回は、引き続きスコアの優秀な会社の傾向を読み取るにあたって、「財務諸表の信頼性スコア」を取り上げる。 (了)

#No. 28(掲載号)
#島 紀彦
2013/07/18

税理士・公認会計士事務所[ホームページ]再点検のポイント 【第1回】「事務所ホームページの費用対効果って、どうなっているの?」

税理士・公認会計士事務所 [ホームページ]再点検のポイント 【第1回】 「事務所ホームページの費用対効果って、 どうなっているの?」   データライズ株式会社 代表取締役社長 公認会計士・税理士 河村 慎弥   そう考えて、事務所のホームページを公開して10年。 最初の頃こそ、「ホームページを見た」という問合せが時々あったけれど、ここ3年くらいは1件の問い合わせもない。 ホームページの維持費もばかにならないし、「こんなもの公開するんじゃなかった」とお考えの人はいらっしゃいませんか? 税理士に限らず、公認会計士、弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、およそ士業と呼ばれる人たちで独立開業している場合、ご自分の事務所のホームページを公開している人も多いかと思います。 ホームページを公開する目的はもちろん「集客」ですが、その期待する程度は人それぞれ異なっています。 例えば、紹介の見込み客が見てくれて住所や電話番号を確認してくれればそれでよいという人から、1年に1件くらい新規顧客が獲得できればよいという人、さらには毎月数件の新規顧客を獲得したいという人まで。 ホームページの制作は、それなりにお金のかかることですし、公開し続けるためには毎月の費用も発生します。これらの「費用」と「集客」という効果を天秤にかけて、最低でも釣り合いがとれるようにしなければならないのですが、費用はかかるけれどそのわりに集客に役立っていない、ということが多いようです。 その原因は明確です。 みなさんのホームページに関する知識が不足しているのです。 さらに、あなたの事務所のホームページが、あなたの事務所のイメージを傷つけている場合もあります。 もしそうなら集客にマイナスの効果となる恐れがありますので、すぐにでもホームページを改修することをお薦めします。 この連載では、まず、費用の話として、ホームページ管理会社に毎月支払う費用について考えていきます。 その上で、効果の話として、ホームページによる集客について考えていきます。 そして、指摘した問題点については、改善するための具体的な方法を提示します。 ホームページに関する知識のない人でもお読みいただけるよう、ホームページの基本的な知識や用語を解説しながら進めますので、気楽に読んでいただき、少しでもお役に立つことがあれば幸いです。 なお、すでにご自身の事務所のホームページを公開している人が対象ですが、これからホームページを制作する人の参考にもなると考えています。 (了)

#No. 28(掲載号)
#河村 慎弥
2013/07/18

《速報解説》 平成25年度税制改正の事業承継税制の見直しに伴う 「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部改正」について

《速報解説》 平成25年度税制改正の事業承継税制の見直しに伴う 「中小企業における経営の承継の円滑化に関する 法律施行規則の一部改正」について   ミレニア綜合会計事務所 代表税理士 甲田 義典   平成25年度税制改正において事業承継税制(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度)の適用要件等の見直し(緩和)がされたことに伴い、平成25年7月1日に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則等の一部の改正する省令」が公布された。 事業承継税制の適用にあたっては、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」)に規定された要件(経済産業大臣の確認・認定等)が必要となることから、従前より両法令の改正は呼応して行われてきたため、上記税制における要件の見直しが、今回の円滑化法施行規則の一部改正へ至ったこととなる。 なお、今回の改正については、事前にパブリックコメントが実施されていた。 事業承継税制の主な改正点の全体像と今回の円滑化法施行規則の改正項目との関係を示すと、以下のとおりになる。 上記の改正は、事業承継税制について定めている租税特別措置法の改正内容が施行される平成27年1月1日にあわせて施行する。 (了)

#No. 27(掲載号)
#甲田 義典
2013/07/18

《速報解説》 法人税基本通達等の一部改正(7/9公表)について

《速報解説》 法人税基本通達等の一部改正(7/9公表)について   弁護士 木村 浩之   1 はじめに 平成25年7月9日付けで、国税庁ホームページにおいて、平成25年度税制改正に伴う法人税関係の通達改正の内容が公表された。 平成25年度税制改正のうち、法人税に関するものについては、租税特別措置法の改正として各種の政策促進税制が創設され、又は既存の制度の拡充がなされたものの、法人税法において例年のような大きな改正はなく、比較的小幅な改正にとどまっていた。 そこで、これに伴う法人税関係の通達改正についても、それほど大きな改正がみられるわけではなく、通達改正の内容としては、基本的には、法令改正に伴う用語・引用条文等の整理、廃止された規定に関する定めの廃止、新たに創設等された規定に関する定め(既存の通達と同様の定め)の新設等を行うための一部改正がなされたものである。 ただし、一部の新たに創設された制度(①生産等設備投資促進税制及び②所得拡大促進税制)に係るものについては、既存の通達にはない定めもみられることから、以下では、これらについて簡潔に解説することとしたい。   2 生産等設備投資促進税制(措法42の12の2)に係る改正 平成25年度税制改正では、国内の設備投資を促進するために、「生産等設備」への年間総投資額が前年度と比較して10%超増加した場合には、その事業年度に新たに取得した機械装置について、30%の特別償却又は3%の税額控除の選択適用が認められる制度が創設された。 今回の通達改正では、この制度の投資対象である「生産等設備」に含まれる範囲が具体的に明らかにされている。 すなわち、工場、店舗、作業場のように収益を稼得するために行う活動(生産等活動)の用に直接供されるものが生産等設備に含まれるのであり、いわゆるバックオフィス機能のみを有する本店その他の直接には生産等活動の用に供されないものは生産等設備には含まれないという基本的な区分に加えて、これらの双方の機能を有する共用資産については、① 一部でも生産等活動の用に供されていれば全部が生産等設備になること、② 生産等活動とそれ以外の用に供される部分を合理的に区分して計算されている場合には、継続適用を要件として、それも認められることが明らかにされている。   3 所得拡大促進税制(措法42の12の4)に係る改正 平成25年度税制改正では、いわゆるアベノミクス経済政策の一環として、個人所得の拡大を図り、よって個人消費を促進するという観点から、給与等の支給額を増加させた場合に、その増加額の10%を税額控除できるという所得拡大促進税制が創設された。 この制度の適用に当たっては、給与等の支給額に含まれるかどうかに疑義が生じる場面があることから、今回の通達改正では、その取扱いが明らかにされている。 すなわち、①労働者の雇用に応じて国等から支給を受けた助成金相当額については、給与等の支給額から除かれることが明らかにされている。 また、出向元法人が出向者に給与等の支給をして、出向先法人が出向元法人に給与負担金を支払う場合には、②負担金の支払を受けた出向元法人においては、その負担金相当額が給与等の支給額から除かれること、逆に、③負担金の支払をする出向先法人においては、賃金台帳に出向者を記載していることを要件として、その負担金相当額が給与等の支給額に含まれることが明らかにされている。  (了)

#No. 27(掲載号)
#木村 浩之
2013/07/18

《速報解説》 「時価の算定に関する研究資料」の解説

《速報解説》 「時価の算定に関する研究資料」の解説   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成25年7月9日、日本公認会計士協会は「時価の算定に関する研究資料~非金融商品の時価算定~」(会計制度委員会研究資料第4号。以下「研究資料」という)を公表した。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 「研究資料」の意義 我が国の会計実務においては、資産の時価を算定する局面が増加している。 しかしながら、棚卸資産に関する正味売却価額の算定や固定資産の減損会計における正味売却価額の算定のように、非金融商品についての時価算定については判断に迷う論点が多いと思われる。 「研究資料」は、時価の算定方法について1つの見解や結論を見出すことは困難であるが、これまでの専門委員会での検討経過を研究資料として公表することは意義があると考えられて、公表されたものである。 「研究資料」については、次のことに注意が必要である。   Ⅲ 「研究資料」の内容 時価の定義について、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)では、 としている(「金融商品に関する会計基準」6項)。 他の会計基準で時価を定義する際には、それぞれの会計基準が適用される状況に応じた表現を用いている。 時価の算定に際して、市場価格が観察できればそれに基づくことになる。 市場価格が観察できない場合には、合理的に算定された価額は、一般に、次の見積方法が考えられる。 「研究資料」は、有形固定資産、無形資産、企業結合に関連する論点について、これらの見積方法を用いつつ、【設例】により「時価算定のポイント」を説明している。 (了)

#No. 27(掲載号)
#阿部 光成
2013/07/12

《速報解説》 「日本における公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿の提言プロジェクトチーム」(中間報告)の解説

《速報解説》 「日本における公認会計士及び 公認会計士制度のあるべき姿の 提言プロジェクトチーム」 (中間報告)の解説   公認会計士 阿部 光成   平成25年7月3日、日本公認会計士協会・日本における公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿の提言プロジェクトチームは、「日本における公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿の提言プロジェクトチーム」(中間報告)(以下「中間報告」という)を公表した。 なお、文中、意見に関する部分は私見であることを申し添える。   Ⅰ 中間報告の背景 平成15年公認会計士法改正、平成23年公認会計士法改正案の廃案の過程において、結果として、待機合格者問題もあり、近年、公認会計士試験の出願者が激減している状況にある。 これらの課題に対応するために、最も重要な要素としては、公認会計士制度のあるべき姿、公認会計士の存在意義などについての基本的認識を把握し、現状における問題点を指摘するとともに、それに対する公認会計士としての考え・解決策を継続的に表明していくことが必要と考えられている。 中間報告は、この基本的認識を踏まえ、協会自らが制度設計から法改正について提案することが、本来のあるべき姿ではないかと考えられると述べている。 そこで、「我が国における公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿提言プロジェクトチーム」が設置され、「公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿」について、その歴史的背景や現状を踏まえて考察するとともに、諸外国の制度に関する調査研究を行い、制度の国際競争力を高めるのに必要なビジョンとして継続して内外に広く提言するものである。   Ⅱ 中間報告の提言 中間報告では、「6.常設の調査研究機関設置について(提言)」において、いわゆるシンクタンク機能を有する調査研究機関を常設することを提言している。 当該機関は、公認会計士・監査制度について高い専門的知識と研究手法を有する人材を集め、現行の委員会及び事務局とは別に組織化するものであり、中長期的及び国際的観点から、内外の公認会計士制度及び監査制度の情報の収集及び整理並びに収集した情報の分析及び調査研究活動を行うことが予定されている。 (了)

#No. 27(掲載号)
#阿部 光成
2013/07/12

《速報解説》 「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い(案)」の解説

《速報解説》 「従業員等に信託を通じて 自社の株式を交付する取引に関する 実務上の取扱い(案)」の解説   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 従業員の福利厚生に資するために、信託を利用して自己株式を取得する取引が行われており、実務上、日本版ESOP(Employee Stock Ownership Plan)などと呼ばれることがある。 当該取引に関する会計処理は、実務上、バラツキがあるといわれている。 そこで、平成25年7月2日、企業会計基準委員会は、実務対応報告公開草案第39号「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い(案)」(以下「公開草案」という)を公表し、意見募集を行っている。 意見募集期間は平成25年9月2日までである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 範囲 従業員への福利厚生を目的として、① 従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引及び②受給権を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引を対象とする。 つまり、公開草案は次の取引を対象としている。 公開草案は、当該取引に関する法律的な解釈を示すことを目的とするものではなく、当該取引が、法的に有効であることを前提としている(公開草案注1)。   Ⅲ 従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引 1 個別財務諸表の会計処理 個別財務諸表上、総額法で会計処理する。すなわち、信託の資産及び負債を企業の資産及び負債として貸借対照表に計上し、信託の損益を企業の損益として損益計算書に計上する。 このため、信託の財産は、個別財務諸表に計上することになる。 総額法の会計処理は、次のように行われる。 2 自己株式処分差額の認識 信託による企業の株式の取得が、企業による自己株式の処分により行われる場合、企業は信託からの対価の払込期日に自己株式の処分を認識する(「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第2号)5項参照)。 3 連結財務諸表の会計処理 連結財務諸表上、次のように会計処理する。   Ⅳ 受給権を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引 1 個別財務諸表の会計処理 個別財務諸表上、総額法で会計処理する。 このため、信託の財産は、個別財務諸表に計上することになる。 総額法の会計処理は、次のように行われる。 2 従業員へのポイントの割当て等に関する会計処理 企業は、従業員に割り当てられたポイントに応じた株式数に、信託が自社の株式を取得したときの株価を乗じた金額を基礎として費用及びこれに対応する引当金を計上する。 信託による自社の株式の取得が複数回にわたって行われる場合には、従業員に割り当てられたポイントに関する費用及びこれに対応する引当金は、平均法又は先入先出法により算定する。 信託から従業員に株式が交付される場合、企業はポイントの割当て時に計上した引当金を取り崩す。引当金の取崩額は、信託が自社の株式を取得したときの株価に交付された株式数を乗じて算定する。信託による自社の株式の取得が複数回にわたって行われる場合、引当金の取崩額は、平均法又は先入先出法により算定する。 3 自己株式処分差額の認識 信託による企業の株式の取得が、企業による自己株式の処分により行われる場合、企業は信託からの対価の払込期日に自己株式の処分を認識する。 4 連結財務諸表の会計処理 連結財務諸表上、次のように会計処理する。   Ⅴ 開示等 次の注記を行う。   Ⅵ 適用時期等 平成26年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用する。 ただし、実務対応報告公表後最初に終了する事業年度から適用できる。 実務対応報告の適用初年度の期首より前に締結された信託契約に係る会計処理については、実務対応報告の方法によらず、従来採用していた方法を継続することができる。 この場合、各期において、以下を注記する。 (了)

#No. 27(掲載号)
#阿部 光成
2013/07/12

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第1回】「馬券訴訟」

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第1回】 「馬券訴訟」   国士舘大学法学部教授・法学博士 酒井 克彦   はじめに 個人が得た競馬の馬券の払戻金に対しては所得税が課されることとなるが、その際の所得区分が争点となっている事案が注目を集めている。ここでは、札幌国税不服審判所平成24年6月27日裁決(札裁(所)平成23第9号)を取り上げてみたい。 裁決では、納税者の主張する雑所得ではなく一時所得に該当するとの判断が示されているが、その判断の妥当性について考えてみたい。まずは、事案の概要と国税不服審判所の裁決内容を紹介しよう。   1 事案の概要 X(請求人)は公務員であり、その余暇のほとんどの時間を競馬の馬券の購入に充てている。払戻金を原資に継続的に毎週馬券を購入しており、購入に当たっては、出走馬の過去の実績、競走への適合性、騎手の技量や騎乗馬との相性、その日の出走馬のコンディション、枠順、コースの特徴、馬場の状態など多種多様のファクターを組み合わせて着順を予想し、また、競走後には競走内容及び自らの予想の分析及び検討を繰り返して次の競走に生かし、高確率で馬券を的中させている。 Xは確定申告において、馬券の払戻金(本件競馬所得)について、これを雑所得として申告したが、税務署長Y(原処分庁)はこれを一時所得に当たるとして更正処分及び加算税賦課決定処分等を行った。 本件は、Xがこれを不服として審査請求した事案である。 争点は、本件競馬所得は、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」に該当し一時所得となるか、これに該当せず雑所得となるか、また、本件競馬所得に係る所得金額の計算において、年間を通じた馬券の購入金額の全額を控除できるか否かである。 〔図表1〕 馬券の購入と払戻しの状況(概数) (注)概数での表記であるため、差引金額や合計金額は合致していない。 〔図表2〕 申告等の状況(概数)   2 国税不服審判所の判断 裁決は以下のように断じて、Xの主張を排斥し、処分を妥当なものと判断した。 すなわち、国税不服審判所は、 とする。 その上で、 というのである。 次回もこの裁決について、深く切り込んでみたい。 (続く)

#No. 27(掲載号)
#酒井 克彦
2013/07/11

相続税対策からみた生前贈与のポイント 【第1回】「贈与契約・贈与財産管理と贈与税の課税方法の選択」

相続税対策からみた 生前贈与のポイント 【第1回】 「贈与契約・贈与財産管理と 贈与税の課税方法の選択」   税理士法人タクトコンサルティング 税理士 山崎 信義     1 税務トラブルを避けるための贈与契約と贈与財産の管理のポイント 相続税法においては、贈与により財産を取得した個人について贈与税の納税義務を課している。ただし、相続税法上、贈与についての定義規定は設けられておらず、実務上は贈与に関する民法の規定を踏まえ、贈与があったかどうかを判定している。 民法上、贈与は当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる(549条)。贈与契約は口頭でも可能だが、その契約が本当に成立したことを明確にするため、書面により贈与契約書を作成しておいた方がよい。 さらに、過去の国税不服審判所の裁決事例等をみると、税務上贈与として認められるためには、贈与を受けた財産を受贈者が管理し、使用することも必要である。例えば、親から子への預貯金の贈与について、名義だけを子に変更しても、通帳やキャッシュカードを親が管理している、子が預金を引き出して使った形跡がないというような場合は、“名義預金”として親の財産と認定され、相続税の課税対象とされるおそれがあるので、注意を要する。 なお、贈与税の申告及び納税を行うことは、贈与が行われたかどうかの事実を認定する上での証拠の1つにすぎない。贈与が行われたかどうかは、具体的な事実関係を総合勘案して判断されることになるので、この点についても注意したい。   2 相続税対策から見た贈与税の課税方法の選択 贈与税の課税方法には、「暦年贈与課税制度」と「相続時精算課税制度」の2種類がある。 暦年課税制度は、その年1月1日から12月31日の1年間に贈与でもらった財産につき、基礎控除の110万円を超える金額に税率を乗じて贈与税を計算する方法である。 贈与税は累進課税制度を採用しており、贈与を受けた金額の大きさに応じて税率も高くなるので、一度にまとまった額の財産の贈与を受けると贈与税の負担がかなり重くなる。このため、1回あたりの贈与額を小さくし、贈与する人数と回数(年)を多くすれば、子の贈与税負担を抑えながら親の財産を減らすことができ、安全確実な相続税の節税対策となる。 ただし、贈与した財産であっても相続税の対象とされる場合があるので注意が必要である。被相続人から財産を相続した人が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産は、原則、相続税の課税対象とされる。 相続税の節税を考えるなら、相続人となる子への贈与は早いうちから始めておくべきである。また、子の配偶者や孫など遺産を相続しない人へ贈与した財産は相続税の課税対象とならないので、贈与する相手は子以外にも広げておくとよいだろう。 相続時精算課税制度は、原則、その年1月1日現在で65歳以上の親(※1)から、同20歳以上の子(※2)が財産の贈与を受けた場合に、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に子がこの特例の選択する旨の届出書を贈与税の申告書に添付して住所地の税務署に提出したときは、贈与により取得した財産の額から2,500万円の特別控除を差し引き、差引後の金額に20%の税率を掛けて贈与税を計算するという税制である。 相続時精算課税制度の選択をした場合、子に贈与をした財産は最終的には贈与時の相続税価額により親の相続税の計算に取り込まれ、相続税の課税対象とされる。贈与財産も相続税の課税対象となるので、相続時精算課税制度による贈与については、基本的に相続税の課税対象額を減らす効果はない。さらに、贈与者が平成27年以降に死亡した場合には、相続時精算課税に係る贈与財産について、増税改正後の税制により相続税が計算される。 また、相続税の課税対象とされる財産の価額は贈与時の相続税評価額とされるので、贈与時よりも相続時の相続税評価額が高い場合はよいが、反対に贈与時よりも相続時の相続税評価額が低い場合であっても、贈与時の高い評価額で相続税の計算を行うことになり、結果的に税負担が増加することになる。 平成27年以降に実施される相続税増税を念頭に置けば、現時点での贈与について相続時精算課税制度を選択すると税務上不利となるケースが大半であろう。 相続時精算課税制度は選択制であり、いったん選択すると暦年課税制度への変更ができない。課税方法の選択については、慎重に検討したい。 (了)

#No. 27(掲載号)
#山崎 信義
2013/07/11
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