公開日: 2018/06/21 (掲載号:No.273)
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改正法案からみた民法(相続法制)のポイント 【第3回】「配偶者短期居住権」

筆者: 阪本 敬幸

改正法案からみた

民法(相続法制)のポイント

【第3回】

「配偶者短期居住権」

 

弁護士 阪本 敬幸

 

前回は、配偶者の居住に関する権利のうち配偶者居住権(長期居住権)について解説した。今回は配偶者短期居住権(法案1037条~1041条)について解説する。

 

1 趣旨

被相続人の配偶者(以下、単に「配偶者」という)が、生前被相続人所有建物で被相続人と同居していた場合、被相続人死亡後に被相続人所有建物を取得しないとしても、配偶者に対し直ちに建物から退去して転居するよう求めることは酷であり、配偶者保護の必要性がある。

現行法の下でも、最高裁平成8年12月17日判決は、被相続人と同居の相続人に短期的な居住権を認めており(被相続人・同居相続人間に、遺産分割時までの使用貸借契約が成立するという法律構成)、同判例を参考に、配偶者短期居住権が設けられることとなった。

 

2 配偶者短期居住権の内容

配偶者短期居住権は、配偶者が、居住建物の遺産分割をすべき場合は、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始時の時から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日までの間、前記以外の場合(遺贈により建物を取得した者がいる場合など)は、居住建物取得者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6ヶ月を経過する日までの間、居住建物のうち配偶者が従前使用していた部分を、無償で使用することができる権利である(法案1037条)。

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改正法案からみた

民法(相続法制)のポイント

【第3回】

「配偶者短期居住権」

 

弁護士 阪本 敬幸

 

前回は、配偶者の居住に関する権利のうち配偶者居住権(長期居住権)について解説した。今回は配偶者短期居住権(法案1037条~1041条)について解説する。

 

1 趣旨

被相続人の配偶者(以下、単に「配偶者」という)が、生前被相続人所有建物で被相続人と同居していた場合、被相続人死亡後に被相続人所有建物を取得しないとしても、配偶者に対し直ちに建物から退去して転居するよう求めることは酷であり、配偶者保護の必要性がある。

現行法の下でも、最高裁平成8年12月17日判決は、被相続人と同居の相続人に短期的な居住権を認めており(被相続人・同居相続人間に、遺産分割時までの使用貸借契約が成立するという法律構成)、同判例を参考に、配偶者短期居住権が設けられることとなった。

 

2 配偶者短期居住権の内容

配偶者短期居住権は、配偶者が、居住建物の遺産分割をすべき場合は、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始時の時から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日までの間、前記以外の場合(遺贈により建物を取得した者がいる場合など)は、居住建物取得者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6ヶ月を経過する日までの間、居住建物のうち配偶者が従前使用していた部分を、無償で使用することができる権利である(法案1037条)。

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連載目次

筆者紹介

阪本 敬幸

(さかもと・のりゆき)

弁護士

東北大学法学部及び関西学院大学法科大学院卒業後、大阪弁護士会にて弁護士登録。

【著書】
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