公開日: 2017/06/22 (掲載号:No.223)
文字サイズ

〈実務家が知っておきたい〉空家をめぐる法律上の諸問題【前編】

筆者: 羽柴 研吾

〈実務家が知っておきたい〉

空家をめぐる法律上の諸問題

【前編】

 

弁護士法人東町法律事務所
弁護士 羽柴 研吾

 

1 はじめに

総務省の統計によれば、平成25年10月1日現在における総住宅数は6,063万戸とされ、そのうち空家数は820万戸であり、空家率は13.5%といずれも過去最高を記録したと報告されている(総務省統計局平成27年2月26日付統計トピックスNo.86「統計からみた我が国の住宅 (「平成25年住宅・土地統計調査(確報集計)」の結果から)」のを参照)。

空家戸数や空家率は今後も上昇していくものと見込まれるところ、空家は相続や住居の変更等、様々な理由から生じる身近な問題である。また、近時、空家等対策の推進に関する法律が制定されるなど、空家問題は古くて新しい問題でもある。

本稿は、空家問題に関する様々な法的問題の一端を整理することを目的としたものである。
なお、本稿内の意見等にわたる部分については筆者個人によるものであり、所属する団体等の見解を代表するものではないことを申し添える。

 

2 空家の発生理由と不適正管理から生じる問題

(1) 空家の発生理由

空家が生じる理由には様々な要因が存在するところ、国土交通省近畿地方整備局の「住環境整備方策調査業務報告書」(2012年3月)によれば、以下のような事情があるとされている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〈実務家が知っておきたい〉

空家をめぐる法律上の諸問題

【前編】

 

弁護士法人東町法律事務所
弁護士 羽柴 研吾

 

1 はじめに

総務省の統計によれば、平成25年10月1日現在における総住宅数は6,063万戸とされ、そのうち空家数は820万戸であり、空家率は13.5%といずれも過去最高を記録したと報告されている(総務省統計局平成27年2月26日付統計トピックスNo.86「統計からみた我が国の住宅 (「平成25年住宅・土地統計調査(確報集計)」の結果から)」のを参照)。

空家戸数や空家率は今後も上昇していくものと見込まれるところ、空家は相続や住居の変更等、様々な理由から生じる身近な問題である。また、近時、空家等対策の推進に関する法律が制定されるなど、空家問題は古くて新しい問題でもある。

本稿は、空家問題に関する様々な法的問題の一端を整理することを目的としたものである。
なお、本稿内の意見等にわたる部分については筆者個人によるものであり、所属する団体等の見解を代表するものではないことを申し添える。

 

2 空家の発生理由と不適正管理から生じる問題

(1) 空家の発生理由

空家が生じる理由には様々な要因が存在するところ、国土交通省近畿地方整備局の「住環境整備方策調査業務報告書」(2012年3月)によれば、以下のような事情があるとされている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

「〈実務家が知っておきたい〉空家をめぐる法律上の諸問題」(全2回)

【 前 編 】

1 はじめに

2 空家の発生理由と不適正管理から生じる問題

(1) 空家の発生理由

(2) 空家の不適正管理から生じる問題

3 空家に係る民事上の問題

(1) 相隣関係上の責任

(2) 不法行為法上の責任

(3) 空家が火遊び等により火災の被害に遭った場合

(4) 相続放棄後の留意点

【 後 編 】

4 空家に係る行政上の問題

(1) 建築基準法上の責任

(2) 空家特措法上の責任

(3) 消防法上の責任

(4) 道路法上の責任

5 空家の有効活用策

6 おわりに

筆者紹介

羽柴 研吾

(はしば・けんご)

弁護士
弁護士法人東町法律事務所(神戸事務所所属)

企業法務、金融法務、自治体法務(固定資産税含む)を中心に一般個人案件にも従事。
現在は、企業の事業承継問題、研究開発税制、不動産投資を含む空家対策問題に関心を寄せる。

【略歴】
京都府出身
平成17年 立命館大学法学部卒業
平成19年 立命館大学法科大学院修了、新司法試験合格
平成20年 弁護士登録
平成24年 仙台国税不服審判所(国税審判官)
平成27年 東京国税不服審判所(国税審判官)
平成28年 日弁連法務研究財団「国税不服審査制度に関する研究」研究員

【著書】
民法改正に対応 空き家の法律問題と実務対応
 

関連書籍

信託法務大全 第2編

田中和明 編著 小出卓哉 編著 及川富美子 著 齋藤 崇 著 佐久間 亨 著 冨田雄介 著 畠山久志 著 松田和之 著 森田豪丈 著

【電子書籍版】相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

【電子書籍版】資産税実務問答集

後藤幸泰 編 信永 弘 編

ここが違う! プロが教える土地評価の要諦

税理士・不動産鑑定士 東北 篤 著

〇×判定ですぐわかる資産税の実務

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

資産税の取扱いと申告の手引

後藤幸泰 編 信永 弘 編

資産税実務問答集

後藤幸泰 編 信永 弘 編

相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

不動産の評価・権利調整と税務

鵜野和夫 著 税理士・不動産鑑定士 下﨑 寛 著 税理士・不動産鑑定士 関原教雄 著

土地・株式等の財産評価

税理士 香取 稔 著

不動産実務百科Q&A

一般財団法人 日本不動産研究所 著

新着情報

もっと⾒る

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#