《インボイス制度下に独禁法・下請法違反とならないための》
免税事業者との取引における実務対応
のぞみ総合法律事務所
弁護士 大東 泰雄
弁護士 福塚 侑也
1 はじめに
2023年10月1日から、消費税の適格請求書等保存方式(以下「インボイス制度」という)が実施される。
インボイス制度の実施後、仕入税額控除を行うためには、仕入先事業者から適格請求書(以下「インボイス」という)の交付を受け、これを保存する必要があるとされる。そして、インボイスは課税事業者でなければ発行できないため、仕入先が免税事業者である場合にはインボイスの交付を受けることができず、結果として、当該仕入先からの仕入れについて仕入税額控除ができないこととなる。
そのため、企業においては、免税事業者からの仕入について消費税額の負担が増えないよう対応策を検討しているところであろう。
しかしながら、その対応の仕方によっては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という)が禁止する優越的地位の濫用に該当したり、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という)に違反することが懸念される。
そこで、本稿では、インボイス制度下において独禁法・下請法違反とならないための免税事業者との取引における実務対応について、財務省・公正取引委員会(以下「公取委」という)・経済産業省・中小企業庁・国土交通省が連名で公表した「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」(2022年1月19日公表・同年3月8日改正。以下「インボイス対応Q&A」という)の記載を踏まえて解説する。
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