消費税転嫁と独占禁止法・下請法
弁護士 大東 泰雄
1 独占禁止法・下請法は消費税転嫁を目指す企業の味方?
平成24年8月、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(以下「消費税法改正法」という)及び「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律」が成立した。
これにより、消費税の税率(国と地方の合計)は、平成26年4月1日に8%、平成27年10月1日に10%へと、2段階で引き上げられる見通しである。
税率引上げの幅が大きいだけに、引き上げられた消費税相当額を円滑かつ適正に転嫁することは、企業にとって死活問題ともなり得る極めて重要な課題である。
しかし、独占禁止法及び下請法が、消費税の円滑かつ適正な転嫁を実現するためのツールとして重要な役割を果たすことになりそうだということを、読者の皆様はご存知だろうか。
2 消費税法改正法、推進本部基本方針
消費税法改正法7条1号ホは、消費税の円滑かつ適正な転嫁に向けて、政府が諸々の措置を講ずるべき旨を規定している。
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