[新型コロナウイルスを乗り越えるための]
中小企業の経営相談
【第1回】
「財務状況の把握」
虎ノ門第一法律事務所
弁護士 山口 智寛
株式会社バンカーズ・アイ
代表取締役 山田 正貴
◆はじめに◆
新型コロナウイルス肺炎の感染拡大により、企業活動が大きく停滞しています。事業計画の中止、売上低下、仕入停止、予定していた出資の撤回、売掛金の未回収といった問題が次々に押し寄せて来て、急速に財務状況が悪化し、どうしてよいかわからなくなっている事業者も少なくありません。実際に、事業停止や破産に追い込まれる企業も増えてきています。事業者の立場として、あるいは事業者を支援する専門家の立場として、この局面を乗り切るためには、ネガティブな発想のみに支配されて思考停止、活動停止状態に陥ってはなりません。できる限り広く正確な情報を収集することに努め、事態の打開に協力してくれる人を募り、今できる最善のことは何かをよく考え、そして実践していく。私たちにはそれができるか否かが問われています。
この連載では、経営不振に陥った事業者(主に中小企業を想定していますが、基本的には規模の大小や組織構成を問わずに当てはまる内容です)、及び、経営不振に陥った事業者を支援する立場にある専門家向けに、危機を乗り越えるために必要な「今すぐに役立つ」情報を提供していきます。少しでも記事を読んでくださった方のお役に立つことができれば幸いです。
-相談内容-
当社はコロナショックのあおりを受けて売上げが激減してしまっています。このままだと会社の存亡自体が危ないということは肌感覚で感じているのですが、具体的に「いつ」「どうなってしまうのか」は把握できていません。どうすれば自社の財務状況を正確に把握できるでしょうか。
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