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《編集部レポート》
日税連主催「報道関係者との懇談会」が開催
~消費税の単一税率維持等、「平成30年度税制改正建議書」の重要建議項目について紹介~
Profession Journal 編集部
日本税理士会連合会は2017年7月18日(火)、日本記者クラブにおいて「報道関係者との懇談会」を開催、同会が6月22日付けで公表した「平成30年度税制改正に関する建議書」についての説明が行われた。
会の冒頭では神津信一日本税理士会連合会会長より、当日の日本経済新聞朝刊に掲載された日税連の広告(税理士の主張!日本を支える全ての人と企業のために)について紹介があり、「消費税の軽減税率について、今年は単一税率の維持等を求める勝負の年と考えている。日税連としては、あくまで“あるべき税制”の姿を求めていきたい。」旨の挨拶があった。
(神津信一日本税理士会連合会会長)
続いて、「平成30年度税制改正に関する建議書」の内容について、調査研究部副部長の平井貴昭氏・近藤雅人氏より、特に重要建議項目として掲げられた次の5項目について詳細な説明が行われた。
〈建議書における重要建議項目 〉
1.消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持について
2.所得控除の抜本的見直しについて
3.中小法人に対する繰越欠損金控除制限及び外形標準課税の不適用について
4.償却資産に係る固定資産税の抜本的見直しについて
5.個人事業者番号の導入について
上記1について、消費税の軽減税率(複数税率)制度に関して、コンビニのイートインコーナーを例に、標準税率・軽減税率の判断を事業者に委ねることで起こる負担増の問題、高所得者も恩恵を受ける逆進性対策としての非効率性等を指摘しつつ、一方で、実際に導入された場合の逆進性対策の代替案として、あらかじめ国が一定額入金したプリペイドカードの配付や一定額の簡素な給付措置などの提案も行っている旨、説明があった。
また5については、法人には法人番号が付与され経済産業省等が活用に向けた取組みを行っているのに対し、個人事業者等には取引の際に自由に利用できる「番号」が存在しないことを指摘、競争の中立性が確保されないとして「個人事業者番号」の新設を求めた旨、説明があった。なお、個人事業者番号を導入することで、仮に消費税のインボイス制度が導入された際には、適格請求書発行事業者に付与される登録番号は法人番号と個人事業者番号を活用できる点についても説明が行われた。
その後、報道関係者からの質問として、消費税単一税率の維持等に係る平成30年度税制改正大綱に向けた日税連としての姿勢や、新設要望事項についての確認、償却資産税の見直しに向けた総務省との取組みの現況などについて、上西左大信調査研究部長より回答、説明が行われた。
(了)
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