公開日: 2014/10/30 (掲載号:No.92)
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〔小説〕『東上野税務署の多楠と新田』~税務調査官の思考法~ 【第1話】「定期異動」

筆者: 堀内 章典

カテゴリ:
〔小説〕

『東上野税務署の多楠と新田』

~税務調査官の思考法~

【第1話】

「定期異動」

税理士 堀内 章典

 

税務署に定期異動の日がやってきた。

毎年7月10日に行われる定期異動は、国税の年中行事で税務署によっても異なるが、例年3割程度の職員が異動するのが通例である。

平均すると、職員一人がひとつの署に在籍するのは3年、ということになる。

今年の東上野税務署の定期異動は職員210名のうち74名。74名とは東上野署から国税局や他の税務署に異動する人の数であり、多楠調査官のように、署内の法人課税第1部門から法人課税第5部門に異動する人は含まれない。

昨年私立大学を卒業し、国税専門官で国税局に採用された多楠は、3ヶ月の税務大学校和光校舎での研修を経て、昨年7月、東上野署に配属された。24歳、褐色の肌、身長175㎝、幼いころから水泳で鍛えた体育会系の青年である。

1年間は法人課税第1部門において、会社税務である法人税、消費税、源泉所得税などの内部事務を担当、縁の下の力持ち的な仕事を経験した。

そして今年は晴れて念願の調査部門への配属になった。

定期異動の数日前、法人担当副署長の安倍から法人課税第5部門に配属されるとの内示を受けた。

▼   ▲   ▼

多楠には、5部門の中で気になっている先輩調査官がいた。

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〔小説〕

『東上野税務署の多楠と新田』

~税務調査官の思考法~

【第1話】

「定期異動」

税理士 堀内 章典

 

税務署に定期異動の日がやってきた。

毎年7月10日に行われる定期異動は、国税の年中行事で税務署によっても異なるが、例年3割程度の職員が異動するのが通例である。

平均すると、職員一人がひとつの署に在籍するのは3年、ということになる。

今年の東上野税務署の定期異動は職員210名のうち74名。74名とは東上野署から国税局や他の税務署に異動する人の数であり、多楠調査官のように、署内の法人課税第1部門から法人課税第5部門に異動する人は含まれない。

昨年私立大学を卒業し、国税専門官で国税局に採用された多楠は、3ヶ月の税務大学校和光校舎での研修を経て、昨年7月、東上野署に配属された。24歳、褐色の肌、身長175㎝、幼いころから水泳で鍛えた体育会系の青年である。

1年間は法人課税第1部門において、会社税務である法人税、消費税、源泉所得税などの内部事務を担当、縁の下の力持ち的な仕事を経験した。

そして今年は晴れて念願の調査部門への配属になった。

定期異動の数日前、法人担当副署長の安倍から法人課税第5部門に配属されるとの内示を受けた。

▼   ▲   ▼

多楠には、5部門の中で気になっている先輩調査官がいた。

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連載目次

筆者紹介

堀内 章典

(ほりうち・あきのり)

税理士
株式会社SKC代表取締役
堀内税理士事務所所長
東京新宿相続サロン主宰

昭和54年3月学習院大学経済学部卒
昭和54年4月東京国税局採用
33年間、国税局及び税務署に勤務
税務署24年(うち特別国税調査官7年)
国税局資料調査課6年
税務大学校簿記会計担当教育官3年
平成24年9月税理士開業
株式会社SKC設立、現在に至る。

◆株式会社SKC&堀内税理士事務所公式サイト
http://skc.jp.net/
~会社の節税、税務調査対策情報が満載~

◆東京新宿相続サロン
http://souzoku-salon.net/
~相続税の節税、納税、税務調査対策情報が満載~

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