〔検証〕 適時開示からみた企業実態 【事例21】 株式会社東芝 「当社株式の特設注意市場銘柄及び監理銘柄(審査中)の指定解除に関するお知らせ」 (2017.10.11) 事業創造大学院大学 准教授 鈴木 広樹 1 今回の適時開示 今回取り上げる適時開示は、株式会社東芝(以下「東芝」という)が平成29年10月11日に開示した「当社株式の特設注意市場銘柄及び監理銘柄(審査中)の指定解除に関するお知らせ」である。 この連載で同社の開示を取り上げるのは、今回で4回目になる(【事例1】の平成27年11月17日「当社子会社であるウェスチングハウス社に係るのれんの減損について」、【事例11】の平成28年12月27日「CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について」、【事例16】の平成29年5月15日「2016年度通期業績見通しに関するお知らせ」に続いて)。 同社は、東京証券取引所と名古屋証券取引所(以下「両取引所」という)により、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたため、平成27年9月15日から特設注意市場銘柄に指定されていたが、内部管理体制について「相応の改善がなされたと認められたため」、平成29年10月12日に指定が解除されることになったという内容である。 2 内部統制監査の結果は不適正意見だったが 両取引所が、東芝の内部管理体制について「相応の改善がなされた」と判断した根拠となったのは、東芝が両取引所に対して平成29年3月15日に提出した内部管理体制確認書である。しかし、監査法人による平成29年3月期の内部統制監査の結果は不適正意見だった。 東芝による内部統制報告書は、平成29年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示していた。それに対して、監査法人は、東芝の平成29年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は、開示すべき重要な不備があり、有効ではないため、東芝による内部統制報告書の表示は不適正であると意見表明したのである(東芝は平成29年8月10日に「財務報告に係る内部統制監査報告書における不適正意見に関するお知らせ」を開示)。 監査法人が平成29年3月31日において存在すると指摘した開示すべき重要な不備は、当然、平成29年3月15日においても存在しており、その時点において内部統制は有効でなかったはずだが、両取引所は、その時点で提出された内部管理体制確認書を見て、内部管理体制について「相応の改善がなされた」と判断したことになる。 「監査法人が内部統制を有効でないと判断しているのに、なぜ?」と思われるかもしれないが、両取引所の判断は、「あり得る」判断である。なぜなら、両取引所の上場審査基準において、内部統制監査報告書の適正意見は求められていないし(監査法人に内部統制が有効でないと判断された会社の新規上場は、規則上、一応「あり得る」)(注)、上場廃止基準においても、内部統制監査報告書の不適正意見は要件とされていないからである(監査法人に内部統制が有効でないと判断されても、上場廃止となるわけではない)。 (注) 他の証券取引所に上場している会社の場合、内部統制監査の結果が意見不表明でないことが求められる(東京証券取引所・有価証券上場規程205条7号d(b)・212条6号d(b))。 3 本当に公正な判断がなされたのか? しかし、両取引所の判断が「あり得る」判断であったとしても、「やはり東芝側に立った判断だったのでは?」という疑念は残るだろう。公正な判断だったのか、それとも、やはり東芝側に立った判断だったのか、本当のところはわかり得ない。 東芝の内部管理体制確認書の審査を行った日本取引所自主規制法人の理事長(金融庁長官を務めたこともある人物)が、雑誌等でその審査について発言されているのだが(「文藝春秋」平成29年12月号・170~177頁や「週刊東洋経済」2012年12月2日号・48~49頁)、筆者はそれを読む前、「監査法人が指摘する内部統制上の不備は認識しているが、審査の結果、上場会社として最低限の内部管理体制は認められた」といった、監査法人の意見を踏まえた上で公正な審査を行った結果であるという発言をされているのだと予想していた。 しかし、そうではなかった。監査法人を批判する発言を続けたうえで(元金融庁長官でありながら、監査制度についてよく理解されていないようである)、ついには次のような監査制度を否定する発言をされているのである(「文藝春秋」平成29年12月号・176頁)。こうした発言に真実が映し出されているように見えるのだが。 元金融庁長官・日本取引所自主規制法人理事長によるこうした発言こそ、資本市場のあり方を歪める危険なもののはずである。 (了)
《速報解説》 名古屋国税局、株式の保有関係が変更している場合の支配関係の継続要件の判定について文書回答事例を公表 ~株式譲渡による特定承継でも支配関係は継続、未処理欠損金の引継ぎを認める~ 弁護士・公認不正検査士 下尾 裕 本稿では、名古屋国税局が平成29年12月12日に回答した文書回答事例「株式の保有関係が変更している場合の支配関係の継続要件の判定について」(以下「本件文書回答事例」という)について解説を行う。 1 本件文書回答事例の概要 本件文書回答事例は、以下の事実関係において、吸収合併における被合併法人の未処理欠損金の引継ぎが制限なく認められるための要件である「その合併法人の当該適格合併の日の属する事業年度開始の日の5年前の日から」合併法人及び被合併法人間に「継続して支配関係がある」こと(法人税法第57条第3項。以下「継続支配要件」という)を充足するか、具体的には、照会者が本件合併前に株式譲渡により株式を取得したことにより継続支配要件が継続しなくなってしまうのかどうかに関する回答事例である。 本件文書回答事例は、照会者が継続支配要件を充足するものとして本件合併に基づくB社の未処理繰越欠損金額の引継ぎを是認した。 (※) 本件文書回答事例(国税庁HP)より筆者一部修正 2 本件文書回答事例の注目点 本件文書回答事例以前においては、本件文書回答事例における株式取得原因が吸収合併である場合に相当するケースにおいて、継続支配要件の検討にあたり、現支配株主及び旧支配株主による連続した支配関係の継続期間を合算することを認めた質疑応答事例(質疑応答事例「株式の保有関係が変更している場合の青色欠損金額の引継ぎ」)が存在していた。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (※) 国税庁HPより抜粋 しかしながら、株式譲渡等の特定承継により株式を取得するケースにおいては、上記吸収合併のケースのように、被合併法人の権利義務がそのまま合併法人に包括承継されるという理論的説明ができないことから、このような特定承継の場合にまで、継続支配要件の検討にあたって、現支配株主及び旧支配株主による連続した支配関係の継続期間を合算することが可能かについてはなお疑義が残る状態になっていた。 そのような中、本件文書回答事例は、単なる株式譲渡のケースについても現支配株主及び旧支配株主による連続した支配関係の継続期間を合算することを認めた。 この点、上記質疑応答事例及び本件文書回答事例は、いずれも株式取得前の段階で旧支配株主が既に継続支配要件を充足しているケースであったが、上記質疑応答事例が と述べていることに鑑みれば、国税当局は、株式取得前の段階で既に継続支配要件を充足しているかどうかには意を払っておらず、「それらの支配関係がある状態が5年間継続」してればよい、言い換えれば、支配関係承継の原因を問わず、現支配株主及び旧支配株主による連続した支配関係の継続期間を合算して5年以上経過していれば、継続支配要件を充足するとの考え方を前提にしているものと考えられる。 本件文書回答事例は、法人税法第57条第3項における「継続して支配関係がある」かどうかの判定にあたり、合併のような包括承継の場合のみならず、株式譲渡という特定承継の場合についても、現支配株主及び旧支配株主による連続した支配関係継続期間を合算することが可能であることを明らかにした点において、M&A実務上の有用性を有するものである。 (了)
《速報解説》 日本年金機構、「平成29年分公的年金等の源泉徴収票」の 記載誤りについて対応を公表 Profession Journal編集部 2月16日から平成29年分の確定申告書の受付が始まるが、このほど日本年金機構は、「平成29年分公的年金等の源泉徴収票」に表示上の誤りがあったとしてホームページ上で公表を行った。 具体的には、本年1月12日以降に送付された「平成29年分公的年金等の源泉徴収票」のうち一部について、源泉徴収票に記載された「控除対象配偶者」及び「控除対象扶養親族」の氏名(漢字氏名、フリガナ)に誤りがあることが判明したというもの。 日本年金機構によると、「平成 29 年分公的年金等の源泉徴収票」の作成に当たっては、提出された「平成 29 年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に基づき委託契約業者が控除対象配偶者の氏名等のデータ入力処理を行ったが、その際に誤りが発生したとしている。 なお、源泉徴収票に記載された事項のうち、「支払金額」、「源泉徴収税額」等、他の項目に誤りはないとした。 日本年金機構は、正しい源泉徴収票を再作成したうえで、1月末を目途に改めて送付するとしており、国税庁もホームページにて、受け取った源泉徴収票の記載内容を確認のうえ、内容に誤りがある場合は、正しい源泉徴収票が送付された後に確定申告書を作成するよう注意喚起を行っている。 なお、既に確定申告書を提出済みで、源泉徴収票の「控除対象配偶者」欄及び「控除対象扶養親族」欄の氏名に誤りがあり、是正が必要な場合には、税務署から連絡を行うとしている。 本件の問い合わせ先として、日本年金機構による下記のフリーダイヤルが開設されている。 (了) ↓お勧め連載記事↓
2018年1月18日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル No.252を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!- - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。
日本の企業税制 【第51回】 「事業承継税制の特例の創設」 一般社団法人日本経済団体連合会 経済基盤本部長 小畑 良晴 昨年12月14日に与党税制改正大綱が取りまとめられ、同月22日には政府の税制改正大綱が閣議決定された。本年1月22日からは通常国会が開会し、ほどなく平成30年度税制改正に係る改正法案が国会に提出されるものと見込まれる。 今回の改正は、たばこ税や個人所得課税の見直しに加え国際観光旅客税(仮称)の創設といった増税項目が中心であり、大きな減税項目は、事業承継税制における特例措置の創設のみという状況である。 今回創設される事業承継税制の特例は、平成30年1月1日から10年間に行われる贈与等を対象にした措置であり、この間に、現在平均で60歳台後半となっている中小企業経営者の代替わりを促進することを目指した思い切った措置である。 例えば、納税猶予の対象となる株式の範囲、承継する者の範囲、納税猶予の要件(雇用確保要件)の緩和、承継後の事業譲渡・合併・解散の場合の納税額の再計算など幅広い措置が予定されている。 〇対象となる会社(特例承継会社) 特例承継計画(仮称)を、平成30年4月1日から35年3月31日までの間に、都道府県に提出した会社であって、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12 条第1項の認定を受けた会社(特例認定承継会社(仮称))が対象となる。 なお、特例承継計画は、認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けた特例認定承継会社が作成した計画であって、当該特例認定承継会社の後継者、承継時までの経営見通し等が記載される必要がある。 〇対象となる非上場株式の範囲 後継者が贈与等により特例認定承継会社の非上場株式を取得した場合には、その取得した「全て」の非上場株式に係る課税価格に対応する贈与税又は相続税の「全額」について、その後継者の死亡の日等までその納税が猶予される。 従来は、その会社の発行済議決権株式総数の3分の2まで、しかも、取得した株式の80%に対応する税額までしか納税猶予の対象にならなかった(つまり発行済議決権株式総数の15分の8までしか納税猶予されなかった)が、今回の特例では100%納税猶予の対象になる。 また、後継者が特例認定承継会社の代表者以外の者から贈与等により取得する特例認定承継会社の非上場株式についても、特例承継期間(仮称)(5年)内に当該贈与等に係る申告書の提出期限が到来するものに限り、この特例の対象となる。従来の制度では、先代の経営者の持ち株のみが納税猶予の対象であったところ、今回の特例では、それ以外の複数者からの贈与等も対象となる。 (※) 経済産業省ホームページより 〇対象となる後継者(特例後継者) 特例の対象となる特例後継者(仮称)は、特例認定承継会社の特例承継計画に記載された当該特例認定承継会社の代表権を有する後継者であって、同族関係者と合わせて当該特例認定承継会社の総議決権数の過半数を有する者でなければならない。しかも、当該同族関係者のうち、当該特例認定承継会社の議決権を最も多く有する者である。 なお、今回の特例では、特例承継計画に記載された代表権を有する後継者が2名又は3名以上の場合には、その議決権数において、それぞれ上位2名又は3名の者(当該総議決権数の10%以上を有する者に限る)が、特例後継者となるので、複数の後継者への事業承継が納税猶予の対象となりうる。 (※) 経済産業省ホームページより 〇雇用確保要件の緩和 従来の事業承継税制における雇用確保要件(経営承継期間(申告期限の翌日から5年)平均で、贈与又は相続開始時の雇用の8割以上を確保すること)を満たさない場合であっても、今回の特例においては、納税猶予の期限は確定しないこととされた。 ただし、雇用確保要件を満たせない場合には、その満たせない理由を記載した書類(認定経営革新等支援機関の意見が記載されているものに限る)を都道府県に提出しなければならないとされている。なお、その理由が、経営状況の悪化である場合又は正当なものと認められない場合には、特例認定承継会社は、認定経営革新等支援機関から指導及び助言を受けて、当該書類にその内容を記載しなければならない。 したかって、今回の特例では、一定の書類を都道府県に提出することで、雇用確保要件は実質的には撤廃されたものと評価できよう。 (※) 経済産業省ホームページより 〇納税額の再計算 今回の特例では、経営環境の変化を示す一定の要件(直近3年間のうち2年以上赤字など)を満たす場合において、特例承継期間経過後に、特例認定承継会社の非上場株式の譲渡をするとき、特例認定承継会社が合併により消滅するとき、特例認定承継会社が解散をするとき等には、納税額を再計算し、猶予額のうち再計算された納税額を超える部分の納税を免除することとされている。 第1に、特例認定承継会社に係る非上場株式の譲渡若しくは合併の場合で、その対価の額が当該譲渡又は合併の時の相続税評価額の50%に相当する額以上の場合、又は解散の場合には、譲渡等の時の特例認定承継会社の非上場株式の相続税評価額を基に再計算した贈与税額等と譲渡等の前5年間に特例後継者及びその同族関係者に対して支払われた配当及び過大役員給与等に相当する額(以下「直前配当等の額」という)との合計額を納付することとし、当該再計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額が当初の納税猶予税額を下回る場合には、その差額を免除する。 第2に、特例認定承継会社に係る非上場株式の譲渡若しくは合併の場合で、その対価の額が当該譲渡又は合併の時の相続税評価額の50%に相当する額を下回っている場合、再計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額については、担保の提供を条件に、その納税を猶予し、さらに、当該譲渡又は合併後2年を経過する日において、譲渡後の特例認定承継会社又は吸収合併存続会社等の事業が継続しており、かつ、これらの会社において特例認定承継会社の譲渡又は合併時の従業員の半数以上の者が雇用されているときには、実際の譲渡又は合併の対価の額を基に再々計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額を納付することとし、当該再々計算した贈与税額等と直前配当等の額との合計額が納税が猶予されている額を下回る場合には、その差額を免除することとされている。 (※) 経済産業省ホームページより (了)
移転価格文書化における ローカルファイルの作成期限前チェックポイント 【第1回】 太陽グラントソントン税理士法人 マネジャー 税理士 川瀬 裕太 Ⅰ はじめに 平成28年度税制改正により、独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)が平成29年4月1日以後開始する事業年度から同時文書化義務の対象となった。本稿では作成までの期限が差し迫っていることをふまえ、ローカルファイルの作成上の留意点について確認していきたい。 Ⅱ 作成義務のある企業の範囲等及び作成時期 まずはローカルファイルの作成義務のある企業の範囲等及び作成時期について、チェック方式で確認する。 1 作成義務のある企業の範囲等 2 作成時期 Ⅲ ローカルファイルの記載内容 ローカルファイルにおいては、租税特別措置法施行規則22条の10に記載されている内容を織り込む必要がある。以下では記載内容、準備書類、チェックポイントについて確認していくこととする。 1 「国外関連取引の内容を記載した書類」のチェックポイント (1) 資産及び役務の内容(措規22の10①一イ) ① 記載内容 国外関連取引の対象となる資産の明細及び役務の内容を説明する。 取引の当事者、取引の流れ等を明らかにする必要がある。 ② 準備書類 有価証券報告書、営業報告書又は会社案内 商品のパンフレット、カタログ又はプライスリスト 契約書 ③ チェックポイント (2) 機能及びリスク(措規22の10①一ロ) ① 記載内容 国外関連取引において、法人及び国外関連者がどのような機能を果たし、どのようなリスクを負担しているのかを説明する。 法人及び国外関連者の国外関連取引に係る機能を、誰がどこでどのように果たしているかを記載する。 機能を果たすための重要な判断や決定を誰がどこでどのように行っているか、また、費用の負担は誰がどのように行っているか、さらに、その機能が基本的活動のみを行う法人の機能とは異なる独自の機能である場合には、独自の機能と判断した理由を記載する必要がある。 ② 準備書類 経営組織図、所属員数表、業務分掌表、業務フロー図、有価証券報告書、会社案内及びホームページをアウトプットしたもの 契約書 国外関連取引の取引フロー図 事業計画、事業計画に係る稟議書、出張稟議書及び出張報告書 事業再編等に係る計画書、稟議書、報告書及び会議資料 ③ チェックポイント (了)
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第21回】 公認会計士 佐藤 信祐 (《第2章》 平成13年度税制改正) (12) 減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法 ① 概要 『平成13年版改正税法のすべて』172-173頁(大蔵財務協会、平成13年)では、減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法の改正内容として、(イ)期中損金経理額の損金算入、(ロ)損金経理をした金額、(ハ)取得価額、(ニ)取得日、(ホ)増加償却、(へ)中古耐用年数について記載されている。 【第16回】で解説したように、適格合併及び適格分割型分割では「引継ぎ」と規定し、適格分社型分割及び適格現物出資では「譲渡」と規定していることから、前者は当然に計算要素を引き継ぎ、後者は計算要素を引き継がないという違いがある。 さらに、平成13年当時の法人税法では、適格合併及び適格分割型分割を行った場合には、みなし事業年度を区切るのに対し、適格分社型分割及び適格現物出資を行った場合には、みなし事業年度を区切らないという違いがある(平成22年度税制改正により、適格分割型分割を行った場合についても、みなし事業年度を区切らないこととなった)。 これらの違いを考慮しながら条文を読んでみると、理解が進みやすいと思われる。 ② 期中損金経理額の損金算入 平成13年度税制改正により、適格分社型分割又は適格現物出資を行った場合における「期中損金経理額の損金算入」の制度が設けられた(法法31②)。 この規定の適用を受けるためには、適格分社型分割又は適格現物出資の日以後2月以内に期中損金経理額等を記載した書類(適格分割等による期中損金経理額等の損金算入に関する届出)を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある(法法31③、法規21の2)。これは、みなし事業年度を区切らないことから、例えば、3月決算法人が1月1日に適格分社型分割を行った場合に、4月1日から12月31日までの損金経理ができなくなってしまうために設けられた制度である。 そのため、上記の書類の提出を失念した場合には、分割法人では減価償却を行えず、分割承継法人では1月1日から3月31日までの減価償却しか行えないため、残りの9ヶ月分の減価償却は、将来の事業年度において行うことになる。そして、同令60条において、同様の趣旨により前述(ホ)増加償却についての規定が定められている。 なお、条文の読み方としては、「当該減価償却資産につき当該適格分社型分割等の日の前日を事業年度の終了の日とした場合に」と規定されていることから、1月1日が適格分社型分割の日である場合には、12月31日を事業年度終了の日とした場合の償却限度額に達するまでの金額が期中損金経理額になる。 さらに、平成22年度税制改正により、適格分割型分割を行った場合のみなし事業年度が廃止されたため、現行法人税法では、適格分割型分割を行った場合にも、期中損金経理額の制度が設けられている。 ③ 損金経理をした金額 平成13年度税制改正直後の法人税法31条4項、5項では、以下のように規定されていた。 つまり、法人税法31条4項では、損金経理額又は期中損金経理額には、被合併法人、分割法人又は現物出資法人が損金経理をした金額のうち、損金の額に算入されなかった金額が含まれることが規定されている。これにより、被合併法人等の法人税確定申告書別表5(1)で加算・留保されていたものを合併法人等でそのまま引き継ぐことが可能になる。 なお、適格合併及び適格分割型分割と、適格分社型分割、適格現物出資及び適格事後設立が分けて規定されているが、期中損金経理額の有無によるものであるため、それを理解しておけば読みやすいであろう。 そして、同条5項では、例えば、会計上、被合併法人での帳簿価額が100である減価償却資産を合併法人が30で引き継いだ場合に、差額の70を損金経理額として処理することが規定されている。これにより、合併法人の法人税確定申告書別表5(1)では、別表4を通さずに70の加算を行うことができるため、合併法人の事業年度において、減価償却費の対象とすることができる。 このように、損金経理要件の範疇で組織再編税制を組み込んだため、かなり複雑な制度になったということが言える。私見ではあるが、組織再編税制、連結納税制度を受けて、損金経理要件もかなり限界になっていると思われる。なお、上記の取扱いは、平成16年度税制改正を受けて、さらに細かく整理されていくことになる。この点については、後日、解説を行うこととする。 ④ 取得価額 法人税法施行令54条1項では、適格組織再編成を行った場合における減価償却資産の取得価額について規定された。法人税法62条の2以下で、帳簿価額が引き継がれることが規定されたが、減価償却費の計算上、取得価額も引き継がれる必要があるため、別途、ここで規定されている。 ここで特徴的なものは、「当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額」と規定されている点である。 実際に、これに該当するものがあるかどうかを拙著『組織再編におけるのれんの税務』94-95頁(中央経済社、平成20年)で検討したことがある。当時、「直接に要した」と規定されていることから、実際に該当するものはほとんどないのではないかと解説した。なぜなら、合併に伴って発生する費用のうち、特定の減価償却資産のために発生するものはほとんど存在しないからである。不動産の所有権移転登記に係る費用が該当しそうであるが、法人税基本通達7-3-3の2において、取得価額に含める必要がないことが明らかにされている。 そのため、実務上、合併後の効率化のために、資本的支出として発生したものを除き、取得価額に含める必要はないと考えられる。 ⑤ 取得日 【第16回】で解説したように、「引継ぎ」と「取得」の違いを理解しながら条文解釈を行う必要がある。例えば、平成13年度税制改正で導入された法人税法施行令48条3項(現行48条の3)では、適格分社型分割又は適格現物出資により減価償却資産の移転を受けた場合には、分割法人又は現物出資法人が当該減価償却資産の取得をした日において、分割承継法人又は被現物出資法人により取得をされたものとみなすことが明らかにされている。 なお、当時は、平成10年3月31日以前に取得された「建物」と「営業権」のみが問題となっていたため、「建物」と「営業権」のみが規定されていたが、平成19年度税制改正により、減価償却制度が見直された時期に、すべての減価償却資産が本規定の対象になった。 ⑥ 中古耐用年数 平成13年度税制改正後の減価償却資産の耐用年数等に関する省令3条2項では、適格分社型分割等により移転を受けた減価償却資産について、分割法人等が中古資産の見積耐用年数等によっていた場合において、分割承継法人等がその資産の減価償却をするときは、当該見積耐用年数によることができることが規定された。 なお、同条1項では、減価償却資産を「取得」した場合に、中古耐用年数を使用することができると規定されている。この規定により、分割法人又は現物出資法人が中古耐用年数を使用していたかどうかにかかわらず、適格分社型分割又は適格現物出資を行った場合には、分割承継法人又は被現物出資法人で中古耐用年数を使用することができる。これに対し、平成13年当時では、適格合併又は適格分割型分割を行った場合には、減価償却資産を「引継ぐ」ため、本規定の適用を受けることができないと解されていた。 この点につき、平成15年度税制改正が行われ、適格合併又は適格分割型分割を行った場合にも、中古耐用年数を使用することが可能になった。 * * * 次回では、圧縮記帳(国庫補助金)及び貸倒引当金について解説を行う予定である。 (了)
平成29年分 確定申告実務の留意点 【第3回】 (最終回) 「誤りやすい事項Q&A」 公認会計士・税理士 篠藤 敦子 最終回は、確定申告実務の留意点について、平成29年分から改正となる医療費控除及び過去に取り上げていない事項についてQ&A方式で解説することとする。取り上げるのは次の6項目である。 〈医療費通知の添付①〉 【Q1】 居住しているA市には、中学生以下の子供に対する医療費助成制度があり、窓口負担額は1日あたり500円である。「医療費のお知らせ」に記載されている自己負担額欄には助成された分が反映されておらず、実際の負担額とは異なる金額が記載されている。 この「医療費のお知らせ」を「医療費通知」として確定申告書に添付できるか。 【A1】 「医療費のお知らせ」に医療費負担の減免がある旨を付記することにより、「医療費通知」として確定申告書に添付できる。 -解説- 本連載の【第1回】で解説したとおり、平成29年分の確定申告から、申告書に医療費の領収書を添付する必要がなくなり、代わりに「医療費控除の明細書」を添付することとなった(所法120④一、所規47の2⑧⑨)。 さらに、「医療費通知」(「医療費のお知らせ」等)を申告書に添付する場合には、「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要となる(所法120④二・⑤、所規47の2⑨)。 「医療費通知」は医療保険者が発行するもので、次に掲げる所定の6項目すべてが記載されていなければならない。 しかし、「医療費のお知らせ」には、公費負担医療制度(指定難病の治療の場合等に適用される)や本ケースのような市区町村による医療費助成等が反映されていない場合がある。この場合には、医療費を補填する金額がある旨や医療費負担の減免がある旨を付記・追記すれば、「医療費のお知らせ」を「医療費通知」として確定申告書に添付することができる(国税庁「医療費控除に関する手続について(Q&A)」、(以下「医療費Q&A」という)8、9)。 〈記載例Ⅰ:「医療費のお知らせ」〉 ① 医療費を補填する金額がある場合(例:公費負担医療制度による給付) ② 医療機関の窓口において医療費負担の減免がある場合(例:市区町村による医療費の助成) (※) 医療費Q&A9より一部筆者変更。 〈記載例Ⅱ:「医療費控除の明細書」〉 ① 医療費を補填する金額がある場合(記載例Ⅰ①のケース) 〈医療費通知の添付②〉 【Q2】 「医療費のお知らせ」を確認したところ、自己負担額の記載がなく、医療費総額のみ記載されている。 この「医療費のお知らせ」を確定申告書に添付できるか。 【A2】 自己負担額を「医療費のお知らせ」に補完記入すれば、確定申告書に添付できる。ただし、自己負担額を補完記入して確定申告書に添付した場合には、記入内容について確認を受けることができるよう医療費の領収書を確定申告期限から5年間保存する必要がある。 -解説- 上述した「医療費通知」に記載が必要とされる6項目(①~⑥)のうち「⑤ 被保険者又はその被扶養者が支払った医療費の額」が記載されていない場合には、次の2つの方法のいずれかにより「医療費控除の明細書」を作成する(医療費Q&A11)。 なお、いずれの方法によっても、医療費の領収書を確定申告期限の翌日から起算して5年間保存する必要がある(所法120⑤)。 〈ふるさと納税と確定申告〉 【Q3】 甲の所得は、B社からの給与所得(年末調整済)のみである。甲は、医療費控除の適用を受けるため、平成29年分の確定申告を行う予定である。 甲は、平成29年中に3つの自治体に対してふるさと納税をしており、「ワンストップ特例制度」を利用できるよう「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を各自治体に提出している。 この場合、甲は、確定申告にふるさと納税の金額を含める必要はあるか。 【A3】 確定申告を行う場合には、「ワンストップ特例制度」の手続をしたふるさと納税についても、その金額を寄附金控除額の計算に含める必要がある。 -解説- 平成27年4月1日以降に行うふるさと納税については、確定申告を行わなくても税の軽減を受けることができる「ワンストップ特例制度」を利用することができる。 「ワンストップ特例制度」の適用を受けるには、次の要件をすべて満たす必要がある(地法附7)。 ふるさと納税を行う際、各自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出していたとしても、最終的に適用要件を満たさなくなった場合(甲の場合、①を満たさない)には、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含めて確定申告を行わなければならない。 〈同族会社の役員の確定申告〉 【Q4】 C社(同族会社)の代表取締役乙の平成29年分の所得は、次のとおりである。 乙は、確定申告を行う必要があるか。 【A4】 乙は、同族会社C社の役員であるため、C社から支払を受けた貸付金の利子(20万円以下)についても確定申告を行う必要がある。 -解説- 1箇所から年末調整済の給与の支払を受け、かつ、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下であるときは、確定申告を要しないとされている(所法121①一)。 しかし、同族会社の役員が、その同族会社から次の支払を受けている場合には、当該支払による所得金額が20万円以下であっても、確定申告を行う必要がある(所令262の2)。 〈妻の連れ子を扶養親族にすることの可否〉 【Q5】 妻の連れ子(17歳の高校生、所得なし)とは同居し生活を共にしているが、養子縁組はしていない。 この連れ子を控除対象扶養親族として確定申告できるか。 【A5】 養子縁組をしていない配偶者の連れ子は、1親等の姻族に該当する。本ケースの連れ子は、生計を一にする16歳以上の親族であり所得もないことから、控除対象扶養親族として確定申告することができる。 -解説- 配偶者の連れ子は、養子縁組をしていない場合は1親等の姻族となり、養子縁組をしている場合は1親等の血族となる(民法725、726、727)。 居住者と生計を一にする親族で、合計所得金額38万円以下の者は扶養親族に該当し、扶養親族のうち年齢16歳以上の者は、控除対象扶養親族に該当する(所法2①三十四・三十四の二)。 〈連帯債務の借換えと住宅借入金等特別控除〉 【Q6】 夫婦の連帯債務として借り入れていた住宅ローン(負担割合1/2ずつ)を借り換え、夫単独名義の住宅ローンとした。 借換え後は、借入金残高のすべてが夫の住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)の対象となるのか。 【A6】 借換え後の住宅ローンのうち2分の1は、妻が負担すべき金額を返済するためのものとされ、その部分は夫の住宅借入金等特別控除の対象とはならない。 -解説- 住宅借入金等特別控除の対象となるのは、家屋を取得等するための借入金である(措法41)。借換え後の住宅ローンは、当初の住宅ローンを消滅させるための借入金であり、原則として住宅借入金等特別控除の対象とはならない。 しかし、次の要件を満たす場合には、借換え後も引き続き住宅借入金等特別控除を受けることができる(措通41-16)。 本ケースにおいて、借換え後の住宅ローンの2分の1は、連帯債務の住宅ローンのうち妻が負担すべき部分を返済するためのものであり(※)、家屋を取得等するための借入金には該当しない。 (※) 妻が負担すべき部分を返済するための金額については、夫から妻への贈与として贈与税がかかることがある。 (連載了)
相続空き家の特例 [一問一答] 【第28回】 「「住宅借入金等特別控除」との適用関係」 -相続空き家の特例と他の特例との重複適用関係- 税理士 大久保 昭佳 Q Xは、父親が相続開始の日まで単独で居住の用に供していた家屋(昭和56年5月31日以前に建築)及びその敷地(以下「A家屋等」という)を、昨年7月に父親の相続により取得し、その家屋の耐震リフォームを行い、相続後は空き家の状態のままで、同年10月にA家屋等を4,200万円で譲渡しました。 また、Xは、昨年2月に自己の居住用家屋及びその敷地(以下「B家屋等」という)を取得し入居していますが、B家屋等に係る住宅借入金を有しています。 この場合、「相続空き家の特例(措法35③)」と「住宅借入金等特別控除(措法41)」の適用関係はどのようになるのでしょうか。 A 「相続空き家の特例」は、「住宅借入金等特別控除」との重複適用が可能です。 ●○●○解説○●○● 「住宅借入金等特別控除(措法41)」(いわゆる住宅ローン控除)は、入居した年とその前後の2年ずつの5年間にその家屋(その家屋の敷地等を含む)以外の資産(従前の住宅及びその敷地の譲渡に限る)を譲渡した場合において、その資産の譲渡につき、次に掲げるいずれかの特例を受けるときは、その入居した年以後10年間の各年分について、その適用を受けることができないこととなっています(措法41⑮⑯)。 (イ) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3①) (ロ) 居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35①)(同条第3項の規定により適用する場合を除く。) (ハ) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2) (ニ) 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の5) (ホ) 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(措法37の5) したがって、上記下線部分のとおり、「相続空き家の特例(措法35③)」は重複適用できない規定から除かれていることから、本事例の場合、Xは、A家屋等については「相続空き家の特例」を、B家屋等については「住宅借入金等特別控除」を重複して適用できることとなります。 また、「相続空き家の特例」は、住宅取得関係に係る特例に関しては、この「住宅借入金等特別控除」のほか、「認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除(措法41の19の4)」も重複適用が可能とされています。 (了)
相続税の実務問答 【第19回】 「相続税の申告期限前に相続人が死亡した場合の 申告書の提出(第二次相続人が複数の場合)」 税理士 梶野 研二 [答] お姉様が負担すべきであった相続税は、2人のお子様が、法定相続分である2分の1ずつを承継することとなります。 お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名が、この2分の1相当の相続税について、それぞれお姉様の相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告し、納付することとなります。 ● ● ● ● ● 説 明 ● ● ● ● ● 1 相続があった場合の国税の納付義務の承継 前回説明したように、相続の開始があった場合、相続人(包括受遺者を含みます)は、被相続人に課されるべき又はその被相続人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継することとされています(通法5①)。 この場合、相続人が2名以上いるときには、それぞれの相続人が承継することとなる税額は、被相続人の納付すべき税額を、民法第900条(法定相続分)、第901条(代襲相続人の相続分)及び第902条(遺言による相続分の指定)の規定による相続分の割合により按分計算することとなります(通法5②)。 (注) 国税通則法において、相続によって得た財産(積極財産)の価額が、民法第900条から第902条までの規定による相続分の割合によって按分計算して求めた税額を上回る相続人については、その上回る金額を限度として、他の相続人が承継する国税を納付する責任がある旨が定められていますが(通法5③)、相続税法においては、同一の被相続人から相続により財産を取得した者は、その被相続人に係る相続税については、その相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付義務があると定められています(相法34②)。 2 第二次相続が発生した場合の第一次相続に係る相続税の申告 相続又は遺贈により財産を取得し、相続税の申告書を提出しなければならない者(第一次相続人)が、相続税の申告書を提出せずに亡くなった場合には、その者の相続人(包括受遺者を含みます)(第二次相続人)が、第一次相続に係る第一次相続人の申告及び納付の義務を承継することとなり、その相続税の申告書は、第二次相続人が第一次相続人について相続(第二次相続)の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に提出し(相法27②)、申告書に記載した相続税額を納付することとされています(相法33)。 この場合、第二次相続人が複数いるときには、それぞれの相続人は、第一次相続人に相続(第二次相続)の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、各相続人が承継した相続税額その他所定の事項を記載した相続税の申告書を提出するとともに(相法27②)、その相続税額を納付することとなります(相法33)。各相続人が承継することとなる相続税額は、上記1により按分計算をして求めた金額となります。 3 ご質問の場合 (1) 第一次相続に係る相続税の申告 ご質問の場合、昨年3月25日に亡くなったお兄様の遺産に係る相続税の申告の準備中にその相続人であるお姉様がお亡くなりになったということですので、お姉様が行うべきであった相続税の申告は、お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名それぞれが、お姉様の相続開始を知った日(昨年12月10日)の翌日から10ヶ月以内、すなわち10月10日までに行い、その申告書に記載した各相続人が承継した相続税額を納付することとなります。 お姉様の相続人は、お姉様のお子様2名ですので、この2人が、お姉様が負担するはずだった相続税額の2分の1(法定相続分)をそれぞれ承継することになります。 (2) 第二次相続に係る相続税の申告 お姉様の遺産についての相続税の申告は、お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名それぞれが、お姉様の相続開始を知った日(昨年12月10日)の翌日から10ヶ月以内、すなわち10月10日までに行い、申告書に記載したそれぞれの相続税額を納付します。 (了)