検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10856 件 / 7211 ~ 7220 件目を表示

《速報解説》 配偶者特別控除を拡充、配偶者控除は所得に応じて3段階に~平成29年度税制改正大綱~

 《速報解説》 配偶者特別控除を拡充、配偶者控除は所得に応じて3段階に ~平成29年度税制改正大綱~   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   12月8日、与党より「平成29年度税制改正大綱」が公表された。今年度の改正事項には、毎年のように検討されてきた配偶者控除の見直しが盛り込まれている。 以下、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しの具体的な内容について解説を行う。   1 見直しの概要 見直しのポイントは次の3点であり、平成30年分以後の所得税(平成31年分以後の住民税)に適用される。 (※) 給与所得のみの配偶者の場合、給与収入150万円以下 控除対象配偶者の所得要件(合計所得金額38万円以下)に見直しはなく、38万円控除の対象となる配偶者の所得要件の緩和は、配偶者特別控除を拡充する方法で対応されている。 一方、従来は、配偶者控除の適用に本人の所得要件はなかったが、今回の見直しで新たに本人の所得要件が設けられた。具体的には、本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者控除の適用ができなくなる。 なお、配偶者特別控除の適用にかかる本人の所得要件(合計所得金額1,000万円以下)は、そのまま継続される。 また、本人の合計所得金額が900万円超1,000万円以下にある場合には、配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額が3段階で減少する仕組みが導入されている。   2 配偶者控除の見直し 見直し後の配偶者控除の額は、次のとおりである。本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者控除は適用できない。 〈配偶者控除の額〉   3 配偶者特別控除の見直し 配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が、「38万円超76万円未満」から「38万円超123万円以下」に引き上げられる。なお、従来どおり、本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者特別控除は適用できない。 ① 本人の合計所得金額900万円以下 ② 本人の合計所得金額900万円超950万円以下 ③ 本人の合計所得金額950万円超1,000万円以下 〈配偶者特別控除の額〉 本改正の全体を概観すると、下図のようになる。 (了)

#No. 197(掲載号)
#篠藤 敦子
2016/12/13

《速報解説》 居住用超高層建築物(タワーマンション)に係る固定資産税等の課税の見直し~平成29年度税制改正大綱~

 《速報解説》 居住用超高層建築物(タワーマンション)に係る 固定資産税等の課税の見直し ~平成29年度税制改正大綱~   税理士法人トゥモローズ 代表社員 税理士 角田 壮平   1 はじめに 平成28年12月8日に公表された平成29年度税制改正大綱(与党大綱)において、居住用超高層建築物(タワーマンション)に係る課税の見直しが盛り込まれた。 具体的には、「固定資産税・都市計画税」及び「不動産取得税」についての見直しである。本稿では固定資産税について詳しく解説するが、不動産取得税の改正内容も固定資産税とほぼ同様である。   2 改正の背景 近年、大都市圏で増えつつあるタワーマンション(通称「タワマン」)と呼ばれる超高層物件について、固定資産税や相続税における課税上の問題点が指摘され続けていた。具体的には、低層階と高層階では景観などの違いから取引価格に乖離があるにもかかわらず、固定資産税や相続税の課税は一律同じであるという点だ。 すなわち、4,000万円で購入した低層階であっても1億円で購入した高層階であっても、床面積が同じである限り、賦課される固定資産税は同額であり、また、相続税課税上の評価額も同額となる。このような課税上の問題を改善するために、本改正が盛り込まれた。 なお、平成29年度税制改正大綱において盛り込まれたのは前述の通り「固定資産税・都市計画税」及び「不動産取得税」のみであり、相続税の評価には影響しない。ただし、今後の税制改正において対策が検討される可能性もあり、引き続き留意が必要である。   3 現行制度 現行の計算方法は、タワーマンション一棟の固定資産税評価額を算定し、その固定資産税評価額を基に一棟の固定資産税額を算出する。その一棟の固定資産税額を各区分所有者の専有部分の床面積の比で按分することにより、各区分所有者の固定資産税額を算出している。 この方法によると、高層階であろうが低層階であろうが、専有部分の床面積が同じであれば固定資産税額は同額となる。   4 改正案 ① 居住用超高層建築物とは 本改正により見直しの対象となる「居住用超高層建築物」とは、高さが60mを超える建築物(建築基準法令上の「超高層建築物」)のうち、複数の階に住戸が所在しているものをいう。 ② 計算方法 一棟全体の固定資産税額を各区分所有者に按分する際の専有部分の床面積に、一定の補正率(「階層別専有床面積補正率」という)を反映することにより計算する。 「階層別専有床面積補正率」は、最近の取引価格の傾向を踏まえ、居住用超高層建築物の1階を100とし、階が一を増すごとに、これに、約0.256を加えた数値とする。 例えば、現行の税額が20万円の50階建てタワーマンションであれば、階ごとの税額は下記のとおりとなる。なお、一棟全体の固定資産税額合計は現行制度と同額となり、マンション内部でのみ差をつける。 ③ 居住用以外の専有部分がある場合 居住用以外の専有部分を含む居住用超高層建築物においては、一棟全体の固定資産税額を、床面積により居住用部分と非居住用部分に按分の上、居住用部分の税額を各区分所有者に按分する場合についてのみ、上記②の計算方法を適用する。 ④ 適用時期 平成30年度から新たに課税されることとなる居住用超高層建築物(平成29年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものを除く)について適用する。なお、既存の居住用超高層建築物については、現行制度からの変更はない。 (了) 【参考図】 (2017/1/27追記) (※) 第9回 税制調査会(2017年1月27日)資料「総務省説明資料(平成29年度税制改正等について(地方税))より

#No. 197(掲載号)
#角田 壮平
2016/12/13

《速報解説》 エコカー減税の縮減等、車体課税の改正事項~平成29年度税制改正大綱~

 《速報解説》 エコカー減税の縮減等、車体課税の改正事項 ~平成29年度税制改正大綱~   公認会計士・税理士 菊地 弘   平成28年12月8日に「平成29年度税制改正大綱」(与党大綱)が公表された。 以下では、自動車の車体課税等に関する主な改正事項等を紹介する。 なお、平成29年4月1日に予定されていた消費税率10%への引上げ時期が平成31年10月1日に変更されたことにより、車体課税には次のとおり各時期に変更がある。   1 車体課税の見直し (1) 自動車重量税(国税) 「自動車重量税のエコカー減税」(排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車に係る自動車重量税の免税等の特例措置)について、次のとおり見直した上で、その適用期限を2年延長する。 〇乗用車 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (注1) 乗用車においては、現行制度では新車新規検査時に免税を受けた車両について、平成29年度は、免税要件を満たし、かつ、平成32年度燃費基準+40%を達成している車両について、平成30年度は、免税要件を満たし、かつ、平成32年度燃費基準+50%を達成している車両について、それぞれ初回継続検査時も免税する。 (注2) 新車新規検査時に限り、本則税率を適用する経過措置を講ずる(H29年度以降はハイブリッド自動車及び軽自動車を除く)。 (2) 自動車製作者等の不正行為への対応(自動車重量税) 自動車重量税のエコカー減税の適用を受け、又は本則税率の適用を受けた自動車の自動車重量税について、自動車製作者等の不正行為に起因し納付不足額が発生した場合には、その自動車製作者等はその納付不足額を納める義務があるものとする等、所要の措置を講ずる。 (注) 平成29年4月1日以後に法定納期限が到来する自動車重量税について適用する。 (3) 自動車取得税(地方税) 「自動車取得税のエコカー減税」(排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車の取得に対して課する自動車取得税に係る特例措置)について、次のとおり見直した上で、その適用期限を2年延長する。 〇乗用車 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (4) 自動車税(都道府県税) 「自動車税のグリーン化特例」(燃費性能等の優れた自動車の税率を軽減し、一定年数を経過した自動車の税率 を重くする特例措置)について、次のとおり適用期限を2年延長する。 ① 自動車税のグリーン化特例(軽課) ② 自動車税のグリーン化特例(重課) 現行のグリーン化特例の適用期限を2年延長し、平成30年度分及び平成31年度分を特例措置の対象とする。 (5) 軽自動車税(市町村税) 軽自動車税のグリーン化特例(軽課)について、次のとおり適用期限を2年延長する。 (6) 自動車製作者等の不正行為への対応(自動車取得税・自動車税・軽自動車税) 自動車製作者等の不正行為に起因し自動車取得税等の納付不足額が発生した場合の対応について、国税における制度の取扱い等を踏まえ、所要の措置を講ずる。   2 災害に関する税制上の措置 自動車検査証等の交付を受けた自動車のうち、使用済自動車の再資源化等に関する法律に規定する使用済自動車で、被災者生活再建支援法が適用される自然災害を原因として滅失し、又は解体された一定のものについて、既に納付された自動車重量税のうち一定の金額を還付する措置を講ずる。 (注) 平成28年4月1日以後に滅失し、又は解体された自動車に適用する。   3 租税特別措置等 (1) 自動車重量税(拡充等) 車両総重量が12tを超えるバス等のうち、車線逸脱警報装置を装備したものについて平成30年4月30日までの間に新車に係る新規検査を受ける場合には、その新規検査の際に納付すべき自動車重量税を25%軽減する措置を講ずる。 (2) 自動車取得税(新設) 車両総重量が12tを超えるバス等のうち、車線逸脱警報装置を装備したものについて、その自動車(新車に限る)の取得が平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に行われたときに限り、その取得価額から175万円を控除する。 (3) 自動車取得税(延長) (了)

#No. 197(掲載号)
#菊地 弘
2016/12/13

《速報解説》 不動産登記に係る登録免許税の軽減措置の延長等、登録免許税に係る主な改正事項~平成29年度税制改正大綱~

《速報解説》 不動産登記に係る登録免許税の軽減措置の延長等、 登録免許税に係る主な改正事項 ~平成29年度税制改正大綱~   税理士・行政書士・AFP 山端 美德   平成28年12月8日、与党(自由民主党と公明党)による「平成29年度税制改正大綱」が公表された。 登録免許税に係る主な改正事項は、以下のとおりである。 ▷租税特別措置関係 〈新設〉 農業競争力強化支援法(仮称)の制定を前提に、同法に規定する事業再編計画(仮称)の認定(同法の施行の日から平成31年3月31日までの間にされたものに限る。)を受けた事業再編促進対象事業者(仮称)が、その事業再編計画に基づき行う株式会社の設立等に係る下記の登録免許税の税率を軽減する。 〈延長〉 1 土地の売買による所有権移転登記等に係る登録免許税の税率について、下記の軽減税率を平成31年3月31日まで2年間延長する。 2 住宅用家屋の所有権の保存登記及び移転登記並びに住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記についての登録免許税の税率について、下記の軽減税率を平成32年3月31日まで3年間延長する。 3 利用権設定等促進事業により農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、軽減税率を1,000分の10(現行1,000分の8)に引き上げた上、平成31年3月31日まで2年延長する。 〈廃止〉 認定公社管理道路運営事業に係る公共施設等運営権の設定登録に対する登録免許税の税率の軽減措置は、適用期限の到来をもって廃止する。 (了)

#No. 197(掲載号)
#山端 美德
2016/12/12

《速報解説》 外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の総合的な見直し~平成29年度税制改正大綱~

《速報解説》 外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の総合的な見直し ~平成29年度税制改正大綱~   税理士 長谷川 太郎   1 はじめに 平成29年度与党税制改正大綱において、外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の総合的な見直しが行われる方向性が示されている。 本稿では、平成29年度税制改正大綱において示された、外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)に係る改正のポイントについてまとめた。なお、詳細な説明は割愛しており、今後、改正法令等により一部内容に変更等が生じる可能性があることに留意する必要がある。また、文中意見にわたる部分は筆者の私見である。   2 改正の要旨 これらの改正にあたり、企業に過剰な事務負担とならないように配慮しているとのことであるが、制度がより複雑化しているため、改正対応初年度は特に企業の事務負担が増えることが予想される。 なお、本稿の論末には、今回の税制改正大綱を踏まえた「合算課税の判定フローチャート」を掲載しているため、参考にされたい。 以下、改正項目ごとに紹介する。   3 合算対象とされる外国法人の判定等の見直し   4 会社単位の合算課税制度   5 一定所得の部分合算制度   6 特定の外国関係会社に係る会社単位の合算課税制度   7 確定申告書添付要件   8 適用開始時期 *  *  * 今回の税制改正大綱を踏まえた合算課税の判定フローチャートは次の通りである。 なお上述したとおり、今後の改正法令によって下図の判定が異なる可能性もあるため留意されたい。 【平成29年度税制改正大綱を踏まえた〈適用判定フローチャート〉】 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (了)

#No. 197(掲載号)
#長谷川 太郎
2016/12/12

《速報解説》 株主総会期日設定の柔軟化に対応する法人税の申告期限の見直しについて~平成29年度税制改正大綱~

《速報解説》 株主総会期日設定の柔軟化に対応する 法人税の申告期限の見直しについて ~平成29年度税制改正大綱~   公認会計士・税理士 石川 理一   1 法人税確定申告書の提出期限の延長の特例の見直し 平成28年12月8日に公表された「平成29年度税制改正大綱」(以下、大綱)において、法人税確定申告書の提出期限延長の特例の見直し案が盛り込まれた(大綱P66)。   2 現行制度 法人は事業年度終了の日(以下、決算日)の翌日から2ヶ月以内に当該事業年度の確定した決算に基づく申告書(以下、確定申告書)を提出しなければならない(法人税法74条1項、81条の22第1項)。 現行制度上、これに対する特例として、会計監査人の監査を受けなければならないことその他これに類する理由により決算が確定しないため、提出期限までに確定申告書を提出できない常況にあると認められる場合には、納税地の所轄税務署長は、その法人の申請に基づき、提出期限を1ヶ月(連結納税の場合は2ヶ月)延長することができるとされている(法人税法75条の2第1項、81条の24第1項)。   3 改正案 大綱では当該特例に対して、 という改正案が示された。 現状、事業年度終了後3ヶ月以内に法人税確定申告書を提出しなければならなかったところ、この改正により最大で、事業年度終了後6ヶ月以内に提出すればよいこととなる。   4 改正の背景 この改正案が盛り込まれた背景には、「上場企業の株主総会期日設定の柔軟化を進め、企業と株主・投資家の対話期間を欧米諸国並みに確保できるようにする」という要請がある。 会社法では、株主総会における議決権行使のための基準日を決定した場合、基準日の3ヶ月以内に株主総会を開催しなければならないとされている(会社法296条1項、124条)。 実務上、基準日を決算日と一致させており、決算日後3ヶ月以内に株主総会を開催しているが、会社法では決算日を基準日として設定することを要請していないため、例えば基準日を決算日の1ヶ月後などに設定することによって、決算日後3ヶ月を超えて株主総会を開催することも可能である。 他方で、会計監査人設置会社の場合で、計算書類に対する会計監査人の監査結果が無限定適正意見である等の一定の要件を満たした場合、当該計算書類は株主総会の承認を受ける必要はなく、その内容を株主総会に報告することで足りるとされている(会社法439条)。 しかしながら、当該一定の要件を満たさない場合、決算を確定するためには計算書類に対する株主総会の承認が必要となるため、確定申告書の提出期限の制約から決算日後3ヶ月以内に株主総会を開催する必要があった。 その結果、3月末日を決算日とする企業が大多数を占めている日本においては、株主総会は6月下旬に集中している。 このような状況に対して、海外機関投資家から、日本においては決算から株主総会までの期間が短く、決算情報に基づく対話が十分でないという指摘がなされている。 この指摘に対応するため本改正案が大綱に盛り込まれたのである。   5 改正への対応及び改正の影響 実務上、定時株主総会の基準日は定款に記載されていることが一般的である。この場合、基準日を決算日以後に設定するためには定款変更の手続が必要となる。 定款変更には、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数をもってする特別決議が必要となることに注意が必要である(会社法466条、309条2項11号)。 また、株主総会開催日が決算日後3ヶ月を超えて開催されることになると、有価証券報告書の提出のタイミングにも影響が及ぶことになることから、金融商品取引法の改正も見込まれる。税制に限らず、今後の法改正の動きに注意が必要である。 〔参考図〕(2016/12/15追記) (※) 経済産業省ホームページより (了)

#No. 197(掲載号)
#石川 理一
2016/12/12

《速報解説》 中小企業向けの各租税特別措置、平均所得金額年15億円超の事業年度は適用停止に~平成29年度税制改正大綱~

《速報解説》 中小企業向けの各租税特別措置、 平均所得金額年15億円超の事業年度は適用停止に ~平成29年度税制改正大綱~   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   12月8日に公表された「平成29年度与党税制改正大綱」(与党大綱)には、資本金1億円以下の中小企業に対する課税強化策が明示された。「8 その他の租税特別措置等」の縮減とされる項目の(14)として、以下の記述がある(大綱90ページ)。 この次ページにも、地方税の縮減項目として同様の文章が記述されている。 この改正の影響を最初に受ける(適用廃止の対象となる)法人は、資本金が1億円以下である等の一定の要件を満たす中小企業のうち、平成31年3月31日までに終了した3年分の事業年度(3月期決算法人であれば、平成29年3月期、平成30年3月期及び平成31年3月期)における所得金額(大綱に特段の記述がないため、法人税確定申告書別表四における所得金額を示しているものと考えられる)の平均額が15億円を超える法人である。 税制改正大綱には縮減項目についての個別的な記載はないため、本稿では、現在の法人税制において、中小企業に認められている租税特別措置法上の優遇措置を概説することにより、税制改正の影響度を検討したい。 なお、法人税制において、中小企業とは、「中小法人等(法人税法57条)」と「中小企業者(租税特別措置法42条の4、租税特別措置法施行令27条の4)」とに分類されているが、措置法の定めである中小企業者を念頭に検討する。 1 欠損金の繰戻し還付制度(法人税法80条、措置法66条の13) 欠損金の繰戻し還付については、措置法66条の13において、平成30年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、中小法人等以外の法人について適用しない旨の定めがある。 2 交際費等の損金不算入制度の特例(措置法61条の4) 交際費等は基本的に損金不算入であるが、中小法人等以外は平成26年度税制改正において、接待飲食費の50%については損金算入が認められているところ、中小法人等については年間800万円までの交際費等は損金算入できる規定もあり(定額控除限度額)、いずれか有利な方を選択することが可能である(平成30年3月31日まで)。 3 少額減価償却資産の取得価額の損金算入(措置法67条の5) 中小企業者等が取得した30万円未満(年300万円限度)の減価償却資産(少額減価償却資産)については、取得した事業年度における損金算入が認められている(平成30年3月31日まで)。 4 試験研究費の税額控除の特例(措置法42条の4) 試験研究費の税額控除については、中小企業者等については試験研究費の額の12%を税額控除限度額とする優遇措置が設けられている。中小企業者等以外の法人は試験研究費の額の10%が税額控除限度額となっている。 5 中小企業投資促進税制(措置法42条の6) 中小企業者等が、平成29年3月31日まで(※)に終了する期間において、一定の機械設備等を取得して一定の事業の用に供した場合には、30%の特別償却または7%の税額控除が選択できる優遇措置が設けられており、さらに、生産性の向上に資する一定の設備については、即時償却又は10%の税額控除を選択適用できる。 (※) 大綱に2年延長の記述あり。 6 雇用促進税制の特例(措置法42条の12) 青色申告法人が雇用者数を増加させるなど一定の要件を満たした場合における税額控除限度額について、中小企業者等は調整前法人税額の20%を限度とする優遇措置が設けられている。中小企業者等以外の法人については、調整前法人税額の10%が限度とされている。 7 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特例(措置法42条の12の3) 認定経営革新等支援機関等の指導及び助言を受けた一定の中小企業者等が、平成29年3月31日まで(※)の期間において、経営改善設備を取得して事業の用に供した場合には、特別償却又は税額控除が選択適用できる。 (※) 大綱に2年延長の記述あり。 8 所得拡大促進税制の特例(措置法42条の12の4) 青色申告法人が従業員への給与支給を増加させた場合において、一定の要件を満たせば、増加額の10%の税額控除(税額控除限度額)を認める制度である。中小企業者等については、増加割合の要件が3%と緩和されており(中小企業者等以外の法人は4%又は5%)、加えて、税額控除限度額は控除前法人税額の20%となっている。 9 生産性向上設備投資促進税制の特例(措置法42条の12の5) 青色申告法人が生産性向上設備等を取得して事業の用に供した場合の特別償却又は税額控除について、中小企業者等については、その適用要件である対象設備の範囲が広くなるなどの緩和措置が設けられている。 (※) 平成29年3月31日をもって廃止が決定。 以上の特例措置については、すでに長年の適用により企業実務にも浸透しているものも少なくない。これらの措置が、該当する事業年度から一度に適用停止となるとしたら、増税分の企業経営への負担については相当なものになると思料する。 すでに廃止が決定している「9 生産性向上設備投資促進税制の特例」以外のどの特例が縮減の対象になるかは、大綱発表時点では不明である。とはいえ、適用廃止の対象となる法人に該当することが予想される中小企業にあっては、平成31年3月期までの事業年度において、新規設備の導入や既存設備の更新などを前倒しで行うといった対抗策を検討する必要が生じることが予想される。 なお、以下に掲げる規定については、租税特別措置法上の優遇規定ではなく、法人税法上の規定であるため、税制改正大綱の建付け(租税特別措置の縮減)からすると対象となる規定ではないと思料するが、「欠損金の繰戻し還付制度」と同様、措置法上に新たな規定を設けて、法人税法上の適用要件から除外することも考えられるところである。 特に法人税収の落ち込みが報じられるなか、中小法人等に対する法人税率の軽減は、税収増加に与える影響が大きいだけに、今後の具体的な法案策定推移を注視する必要があろう。 ① 法人税率の軽減(法人税法66条)(※)下記追記参照 ② 欠損金の繰越控除制度の特例(法人税法57条) ③ 特定同族会社の留保金課税の適用除外(法人税法67条) ④ 貸倒引当金の損金算入(法人税法52条) (了) 【参考図】 (2016/12/19追記) (※) 中小企業庁ホームページより

#No. 197(掲載号)
#米澤 勝
2016/12/12

《速報解説》 相続税・贈与税の納税義務者の見直しについて(② 相続人等が外国籍の場合)~平成29年度税制改正大綱~

 《速報解説》 相続税・贈与税の納税義務者の見直しについて (② 相続人等が外国籍の場合) ~平成29年度税制改正大綱~   税理士 菅野 真美   1 現行税制はどういうものか 現行の相続税や贈与税の納税義務者は、相続・贈与時に国内に住所を有していたか、財産を取得した人の国籍が日本か否かによって無制限納税義務者(国内財産・国外財産について課税)か、制限納税義務者(国内財産について課税)に区分される。 外国籍の相続人等や受贈者が相続・贈与時に日本に住所を有していた場合は、被相続人や贈与者がどの国に住所を有していたか否かを問わず、無制限納税義務者となる。 また、平成25年度の税制改正で、被相続人や贈与者が相続や贈与時点に日本に住所を有していた場合は、たとえ、外国籍の相続人等や受贈者が日本に住所を有していなかったとしても無制限納税義務者となった。 これは、贈与時に外国に住所を有する外国籍の孫(生まれたばかりの子供)に国外財産を贈与することにより贈与税課税を回避する事案が生じたことが問題となって改正に至ったものと考えられる。 〈現行:相続時の基本的な外国籍の納税義務者〉 (※) なお、改正については、相続を前提として説明する。   2 改正案はどういうものか 現行税制は、上記のように 相続時に被相続人又は相続人のいずれかが国内に住所を有する場合は、無制限納税義務者として国内財産・国外財産課税となるが、この部分を[Aゾーン]とし、被相続人も相続人も相続時に国内に住所を有していない場合は制限納税義務者として国内財産課税となるが、この部分を[Bゾーン]とし、それぞれのゾーンについて改正を説明する。 なお、納税義務者が日本国籍の場合の改正事項については、「《速報解説》①相続人等が日本国籍の場合」を参照されたい。 [Aゾーン]については、改正により、被相続人及び相続人等が一時的滞在に該当する場合は、国内財産課税となる。 「一時的滞在」とは、次の要件を満たしている人のことをいう。 [Aゾーン] 被相続人、相続人のいずれかが相続時国内住所あり [Bゾーン]については、現行では、国内財産課税に限定されているが、改正により相続開始から10年以内に国内に住所を有していた被相続人等からの相続又は遺贈に財産を取得した場合は、原則としては、国内財産だけでなく国外財産についても課税される。 例外として、その被相続人が日本国籍を有しないもので、かつ、上記一時的滞在をしていた人である場合は、国内財産に限定されることになる。 [Bゾーン] 被相続人、相続人のいずれも相続時国内住所なし これらの改正は、平成29年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用される。   3 なぜこのような改正となったのか [Aゾーン]の改正については、現行制度では被相続人が一時的に日本に住んでいる間に相続が発生し、相続人が全員外国籍で外国に居住している場合についても国内財産・国外財産について課税されるということになるが、この制度は、外国人の理解を得られることが難しいことと、現実問題として外国に居住している相続人から相続税等を徴収することが難しいことによると考えられる。 [Bゾーン]の改正については、外国籍の人に相続や贈与により財産を移転することによる相続税や贈与税の節税スキームを回避するためと考える。 (了)

#No. 197(掲載号)
#菅野 真美
2016/12/12

《速報解説》 相続税・贈与税の納税義務者の見直しについて(① 相続人等が日本国籍の場合)~平成29年度税制改正大綱~

 《速報解説》 相続税・贈与税の納税義務者の見直しについて (① 相続人等が日本国籍の場合) ~平成29年度税制改正大綱~   税理士 菅野 真美   1 現行税制はどういうものか 税制度を事象や取引にあてはめるとき、「誰の」「何に対して」税金を課するかということが基本となる。相続税や贈与税は、相続や贈与というイベントによる財産の移転により経済的利益を取得した人(納税義務者)に対して、その経済的利益である財産に基づいて税金が課せられる制度である。 相続税も贈与税も制度の作り方は同じような形をしており、納税義務者は2つのタイプ分かれる。すなわち、相続や贈与により取得した財産を「国内財産」と「国外財産」に分類し、国内財産、国外財産について納税義務のある「無制限納税義務者」と国内財産について納税義務のある「制限納税義務者」に分かれる。 10年超前においては、相続や贈与時に日本に住所を有するか否かで納税義務者が区分されていたが、大きな租税回避のたびに改正が行われ、現行税制では、納税義務者の基本的な範囲は次のようなものとなる。 〈現行:相続時の基本的な納税義務者〉   2 改正案はどういうものか 「平成29年度税制改正大綱」(与党大綱)によると、納税義務者についての改正が行われ、納税義務者が日本国籍かそれ以外かによってより大きく異なることとなる。 納税義務者が日本国籍である場合は、現行では相続人等・受贈者と被相続人・贈与者が相続や贈与開始前5年超日本に住所を有していない場合に限り、制限納税義務者とされていたが、これが10年超日本に住所を有していない場合に限られる。 この改正は、平成29年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用される。 〈改正案:相続人等が日本国籍の場合の納税義務者〉 なお、納税義務者が外国籍の場合の改正事項については、「《速報解説》②相続人等が外国籍の場合」を参照されたい。   3 なぜこのような改正となったのか このような改正が行われた背景には、富裕層が財産を国外移転して、所得税、相続税、贈与税等の租税回避を行うことが大きな問題となっていたからと考える。この問題の解決のために平成27年度の税制改正で国外転出時課税が設けられ、有価証券のキャピタルゲイン課税を確実に日本で行えるようになったが、これだけでは、相続税や贈与税の租税回避の解決にはならないと考えられていた。 10年に延長することにより、贈与者と受贈者がともに海外に移住して、期間要件を満たした時点で国外財産を贈与するという節税策の歯止めを行いたいからと考える。 (了)

#No. 197(掲載号)
#菅野 真美
2016/12/12

《速報解説》 中小企業庁、「事業承継ガイドライン」を策定~5つのステップで取組を紹介~

《速報解説》 中小企業庁、「事業承継ガイドライン」を策定 ~5つのステップで取組を紹介~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成28年12月5日、中小企業庁は「事業承継ガイドライン」を公表した。 これは、中小企業経営者の高齢化の進展等を踏まえ、円滑な事業承継の促進を通じた中小企業の事業活性化を図るため、事業承継に向けた早期・計画的な準備の重要性や課題への対応策、事業承継支援体制の強化の方向性等について取りまとめたものであり、中小企業・小規模事業者の経営者の方に事業承継の課題を知っていただくことを目的としている。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 ガイドラインは、表紙を含めて98ページにわたっており、次の事項を中心にして、円滑な事業承継のために必要な取組、活用すべきツール、注意すべきポイントなどを述べている(廃業を検討する場合も述べている)。 次の診断票なども掲載されており、実際の活用が期待される。 1 事業承継に向けた5ステップ ガイドラインの20ページでは、次の「事業承継に向けた5ステップ」が記載されている。 各ステップの主な内容は次のとおりである。 [ステップ1] 事業承継に向けた準備の必要性の認識 後継者教育等の準備に要する期間を考慮し、経営者が概ね60歳に達した頃には事業承継の準備に取りかかることが望ましい。 60歳を超えてなお経営に携わっている経営者も多数存在するが、そのような場合は、すぐにでも身近な専門家や金融機関等の支援機関に相談し、事業承継に向けた準備に着手すべき。 国や自治体、支援機関が概ね60歳を迎えた経営者に対して承継準備に取り組むきっかけを提供していくことが重要である。 「事業承継診断」の実施が有益である。 [ステップ2] 経営状況・経営課題等の把握(見える化) 事業を後継者に円滑に承継するためのプロセスは、経営状況や経営課題、経営資源等を見える化し、現状を正確に把握することから始まる。 現状把握は、身近な専門家や金融機関等に協力を求めた方がより効率的である。 正確で適正な決算書の作成や業界内における地位の確認、知的資産等の適切な評価なども必要。 [ステップ3] 事業承継に向けた経営改善(磨き上げ) 現経営者は経営改善に努め、より良い状態で後継者に事業を引き継ぐ姿勢を持つことが望ましい。 事業承継の前に経営改善を行い、後継者候補となる者が後を継ぎたくなるような経営状態まで引き上げておくことや、魅力作りが大切。 「磨き上げ」の対象は、業績改善や経費削減にとどまらず、商品やブランドイメージ、優良な顧客、金融機関や株主との良好な関係、優秀な人材、知的財産権や営業上のノウハウ、法令遵守体制などを含む。 効率的に進めるために士業等の専門家や金融機関等の助言を得ることも有益。 [ステップ4-1] 事業承継計画の策定(親族内・従業員承継の場合) 会社の10年後を見据え、いつ、どのように、何を、誰に承継するのかについて、具体的な計画を立案する。 [ステップ4-2] M&A等のマッチング実施(社外への引継ぎの場合) 後継者不在等のため、親族や従業員以外の第三者に事業引継ぎを行う場合、売り手はステップ1~3の行程を経た後、買い手とのマッチングに移行する。 M&A 仲介機関の選定など [ステップ5] 事業承継の実行 ステップ1~4を踏まえ、把握された課題を解消しつつ、事業承継計画やM&A手続き等に沿って資産の移転や経営権の移譲を実行する。 弁護士、税理士、公認会計士等の専門家の協力を仰ぎながら実行することが望ましい。 [ポスト事業承継] 事業承継実行後(経営交代実行後)には、後継者が新たな視点をもって従来の事業の見直しを行い、中小企業が新たな成長ステージに入ることが期待される。 2 事業承継の円滑化に資する手法 事業承継の円滑化に資する手法として、①種類株式の活用、②信託の活用、③生命保険の活用、④持株会社の設立が述べられている。 3 中小企業の事業承継をサポートする仕組み 現状における事業承継支援は、商工会議所・商工会の経営指導員、金融機関等の身近な支援機関をはじめ、税理士・弁護士・公認会計士等の専門家や、事業引継ぎ支援センター等の公的・専門的な支援機関が、それぞれの立場から支援業務に関与し、その役割を担っている。 地域の将来に責任を有する都道府県のリーダーシップのもと、地域に密着した支援機関をネットワーク化し、よろず支援拠点や事業引継ぎ支援センター等とも連携する体制を国のバックアップの下で早急に整備することが強く期待されると述べ、各機関の連絡先が紹介されている。 (了)

#No. 197(掲載号)
#阿部 光成
2016/12/09
#