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〈条文解説〉地方法人税の実務 【第6回】「確定申告(第19条)の取扱い」

〈条文解説〉 地方法人税の実務 【第6回】 「確定申告(第19条)の取扱い」   税理士 小谷 羊太 税理士 伊村 政代   今回は、「第四章 第二節 確定申告(第19条)」について詳解する。 1 確定申告 【第19条第1項】 【第19条第2項】   2 提出期限 当課税事業年度が平成27年4月1日~平成28年3月31日の法人であれば、平成28年4月1日から平成28年5月31日の間に確定申告書を提出しなければならない。   3 申告書の内容 地方法人税法の確定申告書には、次の金額を記載することになる。 【第19条第1項第1号、第2号】 ①の課税標準法人税額、②の地方法人税の額の流れは、次の図のようになる。 【第19条第1項第3号、第4号】 中間申告書を提出している法人は、通常予定納税をしているので、その予定納税分の地方法人税額を確定申告による地方法人税額から控除することになっている。 ただし、前年度の実績により中間申告分の地方法人税額を納税している会社が、仮に当年度の実績が前年度に比べて大きく減少していたり、赤字であったりする場合には、確定申告による1年分の地方法人税額が中間申告分の地方法人税額よりも少なくなっていることが起こりうる。 その場合には、その控除しきれなかった地方法人税額は法人税法と同様に還付されることとなる。 【第19条第1項第5号】 課税標準法人税額、地方法人税の額、中間申告分の地方法人税の額などの記載にあっては、その金額を計算するために使用した数値なども記載する。またその他、法人の名称や所在地などを記載する。 (了)

#No. 83(掲載号)
#小谷 羊太、伊村 政代
2014/08/28

経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第18回】「欠損金の繰戻し還付」

経理担当者のための ベーシック税務Q&A 【第18回】 「欠損金の繰戻し還付」   仰星税理士法人 公認会計士・税理士 草薙 信久   1 欠損金の繰戻し還付制度とは 青色申告書を提出する事業年度において欠損金が生じた場合(以下、この事業年度を「欠損事業年度」という)に、次の3つの要件に該当すれば、欠損金として翌事業年度以降9年間(または7年間)にわたって繰越控除するのではなく、その欠損金額を事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度(以下「還付所得事業年度」という)の所得金額に繰り戻し、既に納めた法人税額から、欠損金に相当する金額の還付を受けることができます(法法80)。 2 適用対象法人 この制度は、解散等の事実が生じた場合を除き、適用が停止されています(法法80、法令154の3、措法66の13①)。しかし、平成21年度税制改正において、中小企業に対する支援を目的として中小法人等に対してのみ繰戻し還付制度の適用停止措置が廃止されました。 その結果、中小法人等の平成21年2月1日から平成28年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、前事業年度に納付税額がある場合には、繰り戻すことが可能とされました。 3 還付請求できる金額 還付請求できる金額の計算は次のとおりです。 また、欠損金の繰戻し還付による繰戻しが可能な期間は1年間に制限されているため、欠損金額が還付所得事業年度の所得金額を上回る場合でも、前々事業年度以前に遡って欠損金を繰り戻すことはできません。したがって、還付請求できる金額は、分母の金額(=還付所得事業年度の所得金額)が限度になります。 例えば、欠損金額が600万円で、前事業年度の所得金額が400万円、法人税の額が60万円の場合には、還付請求できる金額は60万円が限度となります。  (※) 分子の「欠損事業年度の欠損金額」の限度額は、分母の「還付所得事業年度の所得金額」となります。 4 欠損金の繰戻し還付制度における留意点 欠損金の繰戻し還付制度は法人税についてのみ認められている制度であるため、地方税(法人住民税、事業税)については適用がありません。また、欠損金の繰戻し還付請求を行った場合には、確認のため、税務調査の対象となることがありますので留意が必要です。 5 繰戻し還付制度と繰越控除制度の比較 欠損金の繰戻し還付制度の適用対象法人である中小法人等においては、前回解説した欠損金の繰越控除制度(法法57)が規定されており、いずれかの選択適用が可能になります。 繰戻し還付制度と繰越控除制度の主な違いは、以下のとおりです。 繰戻し還付制度を選択した場合には、繰越控除制度と比べて比較的早く還付金を受け取ることができるため、資金繰りの点で有利といえます。また、発生した欠損金が多額で欠損金の繰越控除期間の9年(または7年)以内に所得金額から控除することができない場合には、欠損金は切り捨てられますので、繰戻し還付制度を選択した方が有利になる場合があります。一方、下記の6のように標準税率が適用される場合には、繰越控除制度を選択した方が有利になる場合があります。 いずれかの制度を選択するかにより、納付税額に有利不利が生じる可能性がありますので、個々の事実に即した試算を行い、慎重に検討を行うことが必要です。 6 繰戻し還付制度と繰越控除制度の計算例 A社は、資本金額2,000万円の内国法人(3月決算)であり、欠損事業年度(平成26年3月期)と還付所得事業年度(平成25年3月期)において、青色申告書である確定申告書を提出期限内に連続して提出しています。 また、各事業年度の所得と欠損の金額の実績および翌事業年度の所得金額の予想は次のとおりです。 繰戻し還付制度 (単位:万円) 繰越控除制度 (単位:万円) 繰越控除制度を選択した場合、繰戻し還付制度を選択した場合よりも、前事業年度から翌事業年度までの3年間の法人税額は、42万円(=894万円-852万円)少なくなります。 繰戻し還付制度において還付請求できる金額は、年800万円以下の所得に対して軽減税率が適用された前事業年度の法人税額を基に算定するのに対して、繰越控除制度において控除する欠損金額は標準税率が適用される前の所得金額から控除されるためです。 (了)

#No. 83(掲載号)
#草薙 信久
2014/08/28

税務判例を読むための税法の学び方【42】 〔第5章〕法令用語(その28)

税務判例を読むための税法の学び方【42】 〔第5章〕法令用語 (その28)   立正大学法学部准教授 税理士 長島 弘   14 不確定概念と宥恕規定 (3) 「相当の(な)理由」 「相当の理由」と「特別の事情」は、前回述べた「正当な理由」や「やむを得ない事情」等とは異なり、通常、公権力の行使における裁量権、例えば税法においては、税務署長等課税庁に何らかの裁量権が与えられている場合に、その裁量権を行使するか否かの限界を画する基準として規定されている。 前々回、「正当の理由」の「正当」とは、正しいこと、道理にかなっていることで、一般的な正しさや、正当性を指すものである旨記した。 では「相当の理由」の「相当」とは何であろうか。 【第39回】で述べたように、一般的に、「相当」は「ふさわしいこと」、「つりあうこと」を意味している(なおこの回に、税法においては「相当する」という語が「対応する」というようなニュアンスの語としても使われている旨述べたが、当然この場合はその意味ではない)。 したがって「相当の理由」は、「それにふさわしい理由」「合理的な理由」という意味で使われる。 どのような場合が「それにふさわしい理由」といえるのか、あるいは「合理的な理由」といえるのかということは、その言葉が使われている条文の立法趣旨に応じて判断されることになるが、「合理的な理由」という意味である以上、客観的に、経験則や条理に従って合理的であると認定される理由でなければならない。 例えば、刑事訴訟法には以下の用例がある。 これは通常逮捕の要件の一つであり「逮捕の理由」といわれるものでるが、具体的には、特定の犯罪の嫌疑を肯定しうるような客観的・合理的な根拠があることをいい、すでに捜査機関が集めた捜査資料に基づいて相当高度の嫌疑が経験則上認められるということが必要である。 しかし、刑事訴訟法第210条にある「緊急逮捕」の要件とされる「死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由」ほど確実な嫌疑である必要はないとされる。 また同様の規定として、警察官職務執行法第2条第1項には、以下の条文がある。 ここにあるように、警察官の職務質問は合理的に疑い得る理由が必要であり、同法の1条2項において禁じられている権限の行使の濫用のみならず、警察法第2条第1項所定の目的を逸脱して行われた職務質問も違法とされる。 その他、自衛隊員の武器の使用について定めている自衛隊法第95条にも、この「相当の理由」という用語が使用されている。 税法には、国税徴収法に以下の規定がある。 この第1項において、原則日没後の捜索は禁止されているが、夜間捜索を実施せざるを得ないと客観的、合理的に認定されうる理由がある場合には、許されることになる。 このように「相当の理由」には、客観性、合理性が求められるのであるから、その意味では前回取り上げた「やむを得ない理由」よりも、さらに明確であることが要求されているものとされる。 もう1つ、国税通則法第23条第5項を見てみよう。 この場合には「正当な理由」よりは幅が広いが、「相当の理由」として猶予すべき理由に客観性、合理性が求められるために、「やむを得ない理由」よりも限定的であるとされる。 (4) 「特別の事情」 「特別の事情」というのは、「普通の事情とは異なった困難な事情」を意味している。 納税の猶予の要件等を規定した国税通則法第45条第5項を見てみよう。 この場合の、担保徴することができない「特別の事情」とは、一般的には担保を徴収すべきところ、金融機関の与信等の関係から担保を徴取すると事業経営に回復困難な影響を与えるおそれがあるというような特別の事情を指す。 (了)

#No. 83(掲載号)
#長島 弘
2014/08/28

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第8回】「持分法会計」

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第8回】 「持分法会計」   仰星監査法人 公認会計士 西田 友洋   【はじめに】 前回は持分法会計を除く連結会計を解説した。今回は、持分法会計を解説する。 【連結・持分法会計の全体イメージ】(再掲) ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。 連結会計は、個別財務諸表を単純合算して、そこに連結修正仕訳を追加する。いったん、すべて合計して、そこから修正を行うことから、「全部連結」ともいう。 一方、持分法会計は、持分法を適用する関連会社又は非連結子会社(持分法適用会社)のうち、投資会社(関連会社又は非連結子会社の株式を保有している会社)持分を基本的に という一行の仕訳で連結財務諸表に取り込む。そのため、「一行連結」ともいう。 なお、個別財務諸表では、関連会社又は非連結子会社は、関連会社株式又は子会社株式で表示されるが、連結財務諸表では、持分法適用会社に対する投資勘定は、投資有価証券で表示される。 持分法会計は、以下の7つのステップに分けることができる。 ※各ステップをクリックすると、それぞれのページに移動します。 ※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。 (次ページ【STEP1】へ進む) (前ページ【はじめに】へ戻る) まず、持分法の適用範囲を決定しなければならない。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。   (1) 関連会社とは 出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えている場合における当該子会社以外の他の企業は、関連会社に該当する。 具体的には、以下の①~③に該当する場合、関連会社に該当する。 ただし、更生会社、破産会社その他これらに準ずる企業であって、かつ、当該企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められる企業は除く(企業会計基準第16 号「持分法に関する会計基準」(以下「持分法基準」という)5、5-2)。   (2) 非連結子会社とは 非連結子会社とは、子会社であるが、連結の範囲に含まれなかった子会社である。詳細は、第7回【STEP1】参照。   (3) 持分法の適用範囲 関連会社及び非連結子会社については、原則として持分法を適用する(持分法を適用した会社を「持分法適用会社」という)。ただし、以下の①及び②は、持分法の適用範囲に含めない(企業会計基準適用指針第22 号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」25、26)。また、以下の③の会社は、持分法の適用範囲に含めないことができる(監査・保証実務委員会報告第52号「連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する重要性の原則の適用等に係る監査上の取扱い」5)。 持分法の適用から除いた会社を「持分法非適用会社」という。 (次ページ【STEP2】へ進む) (前ページ【STEP1】へ戻る) 持分法の適用にあたっては、持分法適用会社の直近の財務諸表を使用する。そのため、仮決算は必ずしも求められていない。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。   ただし、投資会社と持分法適用会社の決算日に差異があり、その差異の期間内に重要な取引又は事象が発生しているときには、必要な修正又は注記を行う(持分法基準10)。 (注) なお、以下では、基本的に関連会社を前提に解説する。 (次ページ【STEP3】へ進む) (前ページ【STEP2】へ戻る) 投資会社と関連会社間で会計方針に違いがある場合、持分法の会計処理を行う前にその違いを統一しておく必要がある。また、決算日が異なることによる修正の検討も必要である。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。   (1) 会計方針の統一による修正 同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社と持分法を適用する関連会社の会計方針は原則として統一しなければならない(会計制度委員会報告第9号「持分法会計に関する実務指針」(以下「持分法指針」という)5)。 上場会社の株式を関連会社としたときなど、支配力が及ぶ子会社とは異なり、修正のために必要となる詳細な情報の入手が極めて困難なことがあり得る。 このような場合、投資会社と持分法適用会社である関連会社の会計処理方法を統一しないことが認められる(実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い 本実務対応報告の考え方(2)」。 (※) 在外関連会社における会計方針の統一については、本フロー・チャートでは解説していない。   (2) 決算日が異なることによる修正 連結決算日と持分法適用会社の決算日に差異があり、その差異の期間内に重要な取引又は事象が発生しているときには、影響する時期により、以下の修正又は注記を行う(持分法基準10)。 ① 当期に影響 その差異の期間内に発生した取引又は事象のうち、その影響を持分法適用会社の当期の損益又は純資産に反映すべきもので、かつ連結上重要なものについては修正を行う。 ② 次期以後に影響 また、持分法適用会社の次期以後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすもので、かつ連結上重要なものについては注記を行う(持分法指針4)。 例えば、以下のような場合に修正が必要となる。 連結決算日が3月末で関連会社の決算日が12月末の場合に、3月中に関連会社が重要な土地を外部に売却した。この場合に何ら修正しないと、関連会社の土地売却という取引は連結財務諸表に反映されない。 そのため、関連会社の12月末の個別財務諸表に土地売却取引の会計処理を追加する必要がある。 (次ページ【STEP4】へ進む) (前ページ【STEP3】へ戻る) 在外関連会社の場合、個別財務諸表は外貨で表示されているため、日本円に換算する必要がある。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。 具体的には、以下のように換算を行う(外貨建取引等会計処理基準第三、会計制度委員会第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」(以下「外貨指針」という)39、44)。 (*1) 在外関連会社の決算日が連結決算日と異なる場合、在外関連会社等の貸借対照表項目の換算に適用する決算時の為替相場は、在外関連会社の決算日における為替相場とする(外貨指針33)。なお、連結決算日との差異期間内において為替相場に重要な変動があった場合、在外関連会社は連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続による決算を行い、当該決算に基づく貸借対照表項目を連結決算日の為替相場で換算する(外貨指針33、71)。 (*2) 在外関連会社の決算日が連結決算日と異なる場合、在外関連会社の損益計算書項目の換算に適用する期中平均相場は、連結会計期間に基づく期中平均相場ではなく、当該在外関連会社の会計期間に基づく期中平均相場とする(外貨指針34)。 換算したことによる差額のうち、投資会社持分は「為替換算調整勘定」として連結貸借対照表の純資産の部に計上する(外貨指針46)。 (次ページ【STEP5】へ進む) (前ページ【STEP4】へ戻る) 連結会計と同様に、持分法会計においても資本連結と同様の項目について会計処理する(第7回【STEP6】参照)。 本フロー・チャートでは、以下のような項目を「持分法会計における資本連結」とする。 (※) 他にも応用的な論点として、株式売却による関連会社でなくなった場合、増資の場合等あるが、本フロー・チャートでは解説していない。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。 持分法会計は一行連結ともいうが、考え方は連結会計と同様のため、以下の解説では、まず連結会計と同様に考えた上で(実際に会計処理するのではなく、あくまでも考え方である)、持分法における会計処理(実際の会計処理)を解説している箇所がある。当該箇所には、【連結会計と同様の考え方】と記載している。   (1) 持分法適用時の資本連結 持分法会計における資本連結も大きく持分法適用時と持分法適用後に分けることができる。 また、持分法適用時の資本連結は「一括取得」と「段階取得」に分けて考えることができる。 ① 一括取得における資本連結 一括取得とは、例えば関連会社株式を一度で20%以上取得した場合などが該当する。 一括取得における資本連結では「のれん(又は負ののれん)を認識(計上ではない)」するために、以下の4つを検討する。 (ⅰ) 関連会社の資産・負債の時価評価 通常、資産を購入するときに、時価を考慮する。したがって、関連会社株式を取得する時も時価を考慮するはずである。 したがって、持分法適用時には、関連会社の資産・負債のすべてを持分法適用時の時価で評価する(持分法基準8)。関連会社は「部分時価評価法」という方法で評価する(持分法指針6-2)。 なお、非連結子会社は連結子会社と同様に「全面時価評価法」で評価する。詳細は、第7回【STEP6】参照。 部分時価評価法には、原則法と簡便法がある。 時価評価の金額と個別貸借対照表上の金額の差額のうち、投資会社持分に対応する部分の金額(税効果額控除後)は評価差額として認識する。 【連結会計と同様の考え方】 (*1) (時価-帳簿価額)×投資会社持分比率 (*2) (*1)×(1-法定実効税率) (*3) (*1)× 法定実効税率 上記で認識した評価差額及び繰延税金負債は、連結財務諸表に計上されることはない。あくまでも、のれん(又は負ののれん)を認識するためのものである。 (ⅱ) 投資と資本の相殺 投資会社の投資(関係会社株式の取得)は企業グループで見ると、単に金銭が投資会社から関連会社へ移動しているにすぎない。つまり、企業グループ内の内部取引にすぎない。 したがって、投資会社の投資と関連会社の資本を相殺する必要がある。 ここで、関連会社の資本には、連結子会社と同様に以下が含まれる。 (※) 資本には新株予約権は含まれない。 なお、取得関連費用(外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等)は、連結会計では、連結財務諸表上、発生した事業年度の費用として処理するが、関連会社株式を取得(追加取得を含む)した場合、個別財務諸表及び連結財務諸表とも、取得関連費用は関連会社株式の取得原価に含まれる(持分法指針36-4)。 (ⅲ) 非投資会社持分の認識 関連会社の資本(評価差額を除く)のうち投資会社に帰属する部分を「投資会社持分」という。また、本フロー・チャートでは、投資会社に帰属しない部分(投資会社以外の株主に帰属する部分)を、「非投資会社持分」とする。 のれん(又は負ののれん)を認識するため、非投資会社持分を認識する。 (ⅳ) のれん(又は負ののれん)の認識 投資会社が関連会社株式を取得するとき、関連会社の資本の金額よりも高く購入したり、安く購入したりする。投資会社の関連会社への投資額=関連会社の資本になるとは限らない。 そのため、投資会社の関連会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本との相殺消去をすると、差額が生じる。この場合に、借方に生じた差額を「のれん」という。貸方に生じた差額を「負ののれん」という(持分法基準11)。会計処理の考え方は連結会計と同様である。 【連結会計と同様の考え方】 (*1) 取得原価 (*2) 関連会社の資本(評価差額を除く)×非投資会社持分比率 (*3) 関連会社の株主資本 (*4) (時価-帳簿価額)×投資会社持分比率×(1-法定実効税率) (*5) 差額 持分法会計上、のれん(負ののれん)は認識するが、連結貸借対照表に計上されることはない。 ただし、のれんは、原則として、20年以内に、定額法その他合理的な方法により償却する。負ののれんは、発生時の損益として計上する(持分法指針9)。そして、のれん償却額、負ののれんの発生額は、「持分法による投資損益」に含めて表示する(持分法指針10)。 (イ) のれんの償却 のれんの償却の会計処理は以下のとおりである。 【連結会計と同様の考え方】 【会計処理】 (*1) 償却額 (ロ) 負ののれんの計上 負ののれんの計上は以下のようになる。 【会計処理】 (*2) 負ののれん発生額   《設例》持分法適用時の資本連結 持分法適用時の資本連結の会計処理は以下のようになる。 【当期(連結会計と同様の考え方)】 以下の仕訳によりのれんを認識する。 (*1) 取得原価(=個別上の簿価) (*2) 800×80%=640 (*3) 持分法上の簿価300(=800×20%+20+120) (*4) 差額 【翌期(のれんの償却のみ)】 (*1) のれん120÷10年=12 (注) 「個別上の簿価」とは、個別財務諸表上の関連会社株式の金額をいう。「持分法上の簿価」とは、「関連会社の資本(評価差額を除く)に対する投資会社持分」、「評価差額」と「のれん未償却残高」の合計をいう。なお、持分法適用時には、個別上の簿価=持分法上の簿価となる。 ② 段階取得における資本連結 段階取得とは、例えば関連会社株式を二度以上の取得により20%以上保有した場合などが該当する。 段階取得における資本連結でも「のれん(又は負ののれん)を認識(計上ではない)」するために、以下の5つを検討する。 (ⅰ) 持分法適用開始年度よりも前に発生した取得後利益剰余金 当期において持分法の適用となった関連会社の利益剰余金のうち、株式の段階的取得に伴い生じた取得後利益剰余金の持分法適用日における投資会社持分額は、連結株主資本等変動計算書の利益剰余金の区分に「持分法適用会社の増加に伴う利益剰余金増加高(又は減少高)」等の科目をもって表示する(持分法指針32)。 【会計処理】 (*1) 持分法適用開始年度よりも前に発生した取得後利益剰余金(のれんの償却額控除後) (ⅱ) 関連会社の資産・負債の時価評価 通常、資産を購入するときに、時価を考慮する。したがって、関連会社株式を取得する時も時価を考慮するはずである。 したがって、持分法適用時には、関連会社の資産・負債のすべてを持分法適用時の時価で評価する(持分法基準8)。関連会社は「部分時価評価法」という方法で評価する(持分法指針6-2)。詳細は、上記①(ⅰ)参照。 (ⅲ) 投資と資本の相殺 投資会社の投資(関係会社株式の取得)は企業グループで見ると、単に金銭が投資会社から関連会社へ移動しているにすぎない。つまり、企業グループ内の内部取引にすぎない。したがって、投資会社の投資と関連会社の資本を相殺する必要がある。詳細は、上記①(ⅱ)参照。 (ⅳ) 非投資会社持分の認識 のれん(又は負ののれん)を認識するため、非投資会社持分を認識する。詳細は、上記①(ⅲ)参照。 (ⅴ) のれん(又は負ののれん)の認識 投資会社が関連会社株式を取得するとき、関連会社の資本の金額よりも高く購入したり、安く購入したりする。投資会社の関連会社への投資額=関連会社の資本になるとは限らない。 そのため、投資会社の関連会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本との相殺消去をすると、差額が生じる。この場合に、借方に生じた差額を「のれん」という。貸方に生じた差額を「負ののれん」という(持分法基準11)。会計処理の考え方は連結会計と同様である。詳細は、上記①(ⅳ)参照。   (2) 持分法適用後の資本連結 持分法適用後の資本連結では、例えば、以下のような検討が必要である。 ① 当期純損益の按分 関連会社が獲得した利益のうち、投資会社の持分相当額を連結財務諸表に取り込む。 具体的には、持分法適用日以降における関連会社の純利益又は純損失のうち投資会社の持分相当額を算定して、投資の額(投資有価証券勘定)を増額又は減額し、当該増減額を「持分法による投資損益」に含める(持分法指針10)。 【会計処理】 (*1) 関連会社の当期純利益×投資会社持分比率 ② 配当金の消去 配当は、関連会社の過去の利益から行われる。そして、過去の利益は、その利益が発生した時点で投資会社に帰属している。帰属した時には、 として連結財務諸表に計上している。 他方、関連会社から投資会社へ配当が行われた時に受取配当金として計上してしまうと、既に利益を取り込んでいる上に、受取配当金も取り込んでしまい、二重計上になってしまう。そのため、受取配当金を消去する必要がある。 また、配当により利益剰余金(資本)が減少し、投資会社持分も減少するから、投資勘定(投資有価証券勘定)を減少させる(持分法基準14)。 【会計処理】 (*1) 関連会社の配当金総額×投資会社持分比率 ③ その他の包括利益の按分 上記①の当期純損益と同様に、持分法適用日以降に発生したその他の包括利益(その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整累計額等)のうち、投資会社の持分に相当する額を算定して、投資の額(投資有価証券勘定)を増額又は減額する(持分法指針10-2)。 また、持分法会計では、単純合算を行わないため、投資有価証券の相手科目はその他の包括利益の各勘定科目を使用する。 (ⅰ) その他有価証券評価差額金の場合 【会計処理】 (*1) 「当期末のその他有価証券評価差額金-前期末のその他有価証券評価差額金」×投資会社持分比率 (ⅱ) 退職給付に係る調整累計額の場合 【会計処理】 (*1) 「当期末の退職給付に係る調整累計額-前期末の退職給付に係る調整累計額」×投資会社持分比率 ④ のれんの償却 のれんは、原則として、その計上後20年以内に、定額法その他合理的な方法により償却しなければならない(持分法指針9)。詳細は、上記(1)①(ⅳ)参照。   (3) 追加取得 追加取得とは、前期末に20%株式を取得し、関連会社となった後に、当期末にさらに10%取得した場合等の、持分法適用後にさらに株式を取得した場合(子会社になる場合を除く)をいう。 追加取得すると、非投資会社の持分比率が減少し、投資会社の持分比率が増加するため、関連会社の資本に対する非投資会社持分が減少し、投資会社持分が増加する。 また、関連会社の時価評価は、部分時価評価法により行われるため、追加取得持分について、株式の取得の都度、時価評価する。 そして、追加取得によって増加した投資会社持分は、追加投資額と相殺する。この相殺によって生じる差額はのれん(又は負ののれん)として認識する(持分法指針16)。連結会計と異なり、資本剰余金として認識するわけではない。 【連結会計と同様の考え方】 (*1) (時価-帳簿価額)× 追加取得比率 (*2) (*1)×(1-法定実効税率) (*3) (*1)× 法定実効税率 【連結会計と同様の考え方】 (*4) 追加取得した関連会社株式の取得原価 (*5) 関連会社の資本(評価差額を除く)×追加取得比率 (*6) 差額 【会計処理】 追加取得時には、のれんを認識するのみであり、特段の会計処理は行わず、その後、償却を行う。負ののれんを認識した場合には、発生時の損益として計上する。会計処理は上記(1)①(ⅳ)と同様である。   (4) 一部売却(売却後も持分法を適用) 一部売却(売却後も持分法を適用)とは、前期末に30%の株式を保有していて、当期末に10%売却した場合等の、売却後も影響力が続き、持分法を適用する場合をいう。 一部売却すると、投資会社の持分比率が減少し、非投資会社の持分比率が増加するため、関連会社の資本(評価差額を除く)に対する投資会社持分が減少し、非投資会社持分が増加する。また、評価差額及びのれん未償却残高のうち、売却した部分も取り崩す。 そして、売却した株式と「一部売却によって減少した投資会社持分、評価差額及びのれん未償却残高の売却部分の合計額」の差額は、売却損益の修正として会計処理する。 なお、当該差額のうち、関連会社が計上しているその他の包括利益累計額に係る部分については、売却損益の修正には含めず、連結財務諸表に計上したその他の包括利益累計額(上記(2)③参照)のうち、売却した持分に相当する金額を消去する(持分法指針17)。 【連結会計と同様の考え方】 (*1) 関連会社株式の取得原価×売却比率÷売却前投資会社持分比率 (*2) 売却時の関連会社の資本(評価差額を除く)×売却比率 (*3) 売却時の評価差額×売却比率÷売却前投資会社持分比率 (*4) 売却時ののれん未償却残高×売却比率÷売却前投資会社持分比率 (*5) 連結財務諸表に計上している関連会社のその他有価証券評価差額金×売却比率÷売却前投資会社持分比率 (*6) 差額 【会計処理】 (*7) 差額 (次ページ【STEP6】へ進む) (前ページ【STEP5】へ戻る) 連結会計と同様に、連結会社と持分法適用会社間の取引、持分法適用会社同士の取引により未実現損益が生じている場合、重要性が乏しい場合を除き、未実現損益を消去する必要がある(持分法基準13)。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。 例えば連結会社と持分法適用会社間で商品や固定資産を売却側の帳簿価格より高い(又は安い)金額で売買した場合、未実現損益の消去が必要となる。 なお、未実現損失の場合、売手側の帳簿価額のうち回収不能と認められる部分の消去は行わない(持分法指針11)。回収可能と認められる部分まで消去することになる。 消去すべき未実現損益及び使用する勘定科目は以下のとおりである(持分法指針11~13)。 (注) 状況から判断して、他の株主の持分についても実質的に実現していないと判断される場合には、全額消去する。 未実現損益の実現は連結会計と同様である。実現の態様を資産の種類ごとにまとめると以下のように異なる。 (次ページ【STEP7】へ進む) (前ページ【STEP6】へ戻る) 持分法会計で考慮する一時差異は以下の2つである。 ※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。   (1) 資産・負債の評価差額に係る一時差異 連結会計と同様に持分法適用会社は、時価評価に伴う評価差額についても税効果を認識する。詳細は、第5回【STEP1】(2)①及び上記【STEP5】(1)①参照。   (2) 未実現損益の消去に係る一時差異 未実現損益の消去に係る一時差異における税効果の上限に関する考え方は、第5回【STEP4】(2)と同様である。ただし、ダウンストリームとそれ以外で使用する勘定科目が異なる。 ① ダウンストリームの場合 ダウンストリームの場合、投資会社で未実現損益を消去するため、投資会社で税効果を認識する(持分法指針26)。そのため、「繰延税金資産(繰延税金負債)」及び「法人税等調整額」の勘定科目を使用する。 投資会社が関連会社に商品を販売し、関連会社がその商品を保有している場合の会計処理は以下のとおりである。 【会計処理】 (*1) 投資会社から購入した商品の期末残高×利益率×投資会社持分比率 (*2) (*1)×法定実効税率 ② ダウンストリーム以外の場合 ダウンストリーム以外(アップストリーム、持分法適用会社間の取引)の場合、持分法適用会社で未実現損益を消去するため、持分法適用会社で税効果を認識する(持分法指針25)。 ただし、持分法会計では、持分法適用会社の個別財務諸表を合算せず、「投資有価証券」の増減で持分法適用会社に対する持分の増減を表すため、税効果についても「投資有価証券」及び「持分法による投資損益」の勘定科目を使用する。 関連会社が投資会社に建物を販売し、投資会社がその建物を保有している場合の会計処理は以下のとおりである。 【会計処理】 (*1) (売却価額-関連会社で計上していた際の帳簿価額)×投資会社持分比率 (*2) (*1)×法定実効税率 *   *   * 以上、7のステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。 ※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。 (了)

#No. 83(掲載号)
#西田 友洋
2014/08/28

〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《貸倒損失・貸倒引当金》編 【第1回】「個別評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入」

〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領 《貸倒損失・貸倒引当金》編 【第1回】 「個別評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入」   公認会計士・税理士 前原 啓二   はじめに 個別注記表の重要な会計方針において、貸倒引当金の計上基準として、「一般債権については法人税法の規定する貸倒実績率(法人税法の法定繰入率が貸倒実績率を超える場合には法定繰入率)により計上するほか、個々の債権の回収可能性を勘案して計上している」という記載を見ることがあります。 この「個々の債権の回収可能性を勘案して計上している」ケースには、法人税法の規定する個別評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入の損金算入ができる事業年度以前の事業年度において、決算書上は貸倒引当金計上すべきとされる場合がよくあります。 今回は、このような有税引当となる貸倒引当金の繰入についてご紹介します。   1 当期末の引当計上の仕訳 〈A社〉 〈B社〉 〈C社〉 〈D社〉 破産更生債権等(経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権)に係る取立不能見込額の原則的な算定方法は、債権金額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を取立不能額とします(中小企業会計指針18)。 A社、B社、C社をこの方法により取立不能見込額を算定すると、会計上の貸倒引当金繰入額は次のとおりです。 貸倒懸念債権(経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権)に係る取立不能見込額の原則的な算定方法は、債権金額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して算定します(中小企業会計指針18)。 D社をこの方法により取立不能額を算定すると、会計上の貸倒引当金繰入額は下記のとおりです。   2 決算書の金額 〈当期損益計算書〉 〈当期末貸借対照表〉   3 損益計算書の当期純損益から法人税申告書の課税所得を算出する際の加算・減算調整 〈当期法人税申告書別表四〉 〈当期法人税申告書別表五(一)〉 税務上は、金銭債権に係る債務者につき次に掲げる事由が生じている場合におけるその金銭債権の額(その金銭債権の債務者から受け入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額及び担保権の実行、金融機関又は保証機関による保証債務の履行等により取立て又は弁済の見込があると認められる部分の金額を除く)の50%に相当する金額は、個別評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入限度額に含められます(法令96①)。 この設例では、税務上の個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる債務者に、A社・B社・C社は該当しますが、D社は該当しません。貸倒引当金に係る税務上の加算調整は次のとおりです。 (注) 期末資本金が1億円を超える法人で、かつ、貸倒引当金の適用法人に該当しない場合など所定の法人については、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に開始する事業年度において、上記の繰入限度額の4分の3、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度において、上記の繰入限度額の4分の2、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度において、上記の繰入限度額の4分の1が損金算入限度額となります(平成23年度税制改正)。 (了)

#No. 83(掲載号)
#前原 啓二
2014/08/28

減損会計を学ぶ 【第15回】「減損損失の認識の判定③」~将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケース~

減損会計を学ぶ 【第15回】 「減損損失の認識の判定③」 ~将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケース~   公認会計士 阿部 光成   減損損失の認識の判定は、割引前将来キャッシュ・フローの総額を用いて、それが帳簿価額を下回るかどうかによって行うこととされている(「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)二、2(1))。 「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)では、減損損失の認識の判定に用いる将来キャッシュ・フローについて、その見積期間が20年を超えるかどうかによって、異なる取扱いとしている。 今回は、将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケースについて解説する。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅰ 減損損失の認識 減損損失の認識の判定は、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行い、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、減損損失を認識することになる(減損会計基準二、2(1))。 減損損失を認識するかどうかを判定するために割引前将来キャッシュ・フローを見積もる期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方で行うことになる(減損会計基準二、2(2))。   Ⅱ 将来キャッシュ・フローの見積期間(20年を超えるケース) 1 基本的な考え方 減損適用指針は、①主要な資産と、②主要な資産以外の構成資産に分けて規定している。そして、主要な資産の経済的残存使用年数と、主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数のいずれが長いかによって、さらに詳細な規定を設けている。 2 主要な資産(20年を超える) 資産又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数が20 年を超える場合には、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額を、20年目までの割引前将来キャッシュ・フローに加算する(減損適用指針18項(2))。 回収可能価額とは、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額である(減損会計基準注解(注1)1)。 このため、20年経過時点の回収可能価額については、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローも、その割り引かれた金額が減損損失を認識するかどうかを判定するために見積もられる割引前の将来キャッシュ・フローに含まれることになる(減損適用指針98項)。 【将来キャッシュ・フローの見積りのイメージ(20年を超えるケース)】 (出所:監査法人トーマツ編『Q&A減損会計適用指針における会計実務』(清文社、2004年4月)103ページを一部修正)   3 主要な資産以外の構成資産(主要な資産の経済的残存使用年数を超えない) 資産グループ中の主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数が、主要な資産の経済的残存使用年数を超えない場合には、当該構成資産の経済的残存使用年数経過時点における当該構成資産の正味売却価額を、主要な資産の経済的残存使用年数までの割引前将来キャッシュ・フロー(当該構成資産の経済的残存使用年数が20年を超えるときには21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フロー)に加算する(減損適用指針18項(3))。 4 主要な資産以外の構成資産(主要な資産の経済的残存使用年数を超える) 資産グループ中の主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数が、主要な資産の経済的残存使用年数を超える場合には、当該主要な資産の経済的残存使用年数経過時点における当該構成資産の回収可能価額を、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに加算する。(減損適用指針18項(4))。 以上についてまとめると、資産グループ中の主要な資産のほか、それ以外の構成資産の経済的残存使用年数が20年を超える場合には、以下を21 年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに加算するということになる。 また、資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数は20年を超えるが、それ以外の構成資産の経済的残存使用年数が20年を超えない場合、当該構成資産の経済的残存使用年数経過時点における当該構成資産の正味売却価額を、主要な資産の経済的残存使用年数までの割引前将来キャッシュ・フローに加算するとされている(減損適用指針18項(3))。 減損適用指針98項では次のイメージ図を示している。 (横軸は経済的残存使用年数、矢印は割引前将来キャッシュ・フローに加算する金額) (了)

#No. 83(掲載号)
#阿部 光成
2014/08/28

国際出向社員の人事労務上の留意点(海外から日本編) 【第3回】「帰国前後の事務処理」

国際出向社員の人事労務上の留意点 (海外から日本編) 【第3回】 (最終回)  「帰国前後の事務処理」   社会保険労務士 平澤 貞三     (1) 手続の概要 エクスパットが帰任により出国することとなった場合、給与、社会保険関連では以下の事務処理が必要となる。   (2) 帰国後の給与処理 出国日の翌日から非居住者となるので、たとえ居住者であった期間に対する金銭給与や現物給与であっても、出国日の翌日以降に支払う給与については20.42%の税率で源泉徴収を行う必要がある。 3年間日本で勤務したエクスパットが、9月30日に出向元企業のあるアメリカへ帰任した。その後、本人が使用した水道電気代の最後の請求(50,000円)が届き、会社は10月に入ってから本人に代わってすべて支払いをした。 ⇒給与(会社が本人の水道光熱費を負担したという経済的利益)を支給した時点の居住形態は「非居住者」であり、国内勤務時に受けた利益であるから「国内源泉所得」に該当する。したがって、20.42%の税率でグロスアップ計算が必要となる。   〔事例①〕のエクスパットに対し、出国年の7月1日から12月31日までの勤務に対する賞与が確定し、翌年1月にその全額がアメリカ側で払われた。 ⇒日本勤務に基づく部分のみが国内源泉所得に該当するため、上記例では全体の約半分が日本での課税所得となる。 (連載了)

#No. 83(掲載号)
#平澤 貞三
2014/08/28

現代金融用語の基礎知識 【第9回】「GPIF」

現代金融用語の基礎知識 【第9回】 「GPIF」   事業創造大学院大学 准教授 鈴木 広樹   1 GPIFとは GPIFとは、Government Pension Investment Fundの略で、年金積立金管理運用独立行政法人のことである。文字どおり年金積立金の管理と運用を行う組織だが、より具体的に言うと、国民年金と厚生年金で国民から集めた保険料のうち、国民に年金として給付した後に余ったお金を運用する組織である。実際には自身で運用を行っているわけではなく、民間の信託銀行や投資顧問会社に運用を委託している。運用資産額は平成26年3月末時点で126兆5,771億円あり、世界最大の年金基金である。 〈GPIFによる年金積立金の運用〉   2 今なぜGPIFが注目されるのか GPIFは民間の信託銀行や投資顧問会社に運用を委託しているのだが、それらに完全に運用を任せっぱなしというわけではない。管理運用方針を定めたうえで、運用を委託した信託銀行や投資顧問会社に対して運用目標や運用手法などを指示する。ポートフォリオ(資産構成割合)も定めていて、現在は、日本債権60%、日本株12%、外国債券11%、外国株12%、短期資産5%の割合で運用することとしている。 最近になって急にメディアでGPIFという名前を見聞きするようになったが、その理由はこのポートフォリオの内訳を変更する可能性があるからなのである。平成26年6月24日に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2014においてもGPIFのポートフォリオの見直しがあげられている。昨年平成25年にも、アベノミクスによる株価の上昇を受けて、日本株の割合が11%から12%に増やされたのだが、今後行われるポートフォリオの見直しにおいても日本株の割合が増やされるのではないかと見られている。   3 ポートフォリオ変更のはらむリスク 上述のとおりGPIFは世界最大の年金基金である。それが日本株として運用する割合を増やせば、日本の株式市場に大量の資金が投入されることになり、当然、株価が上がることになる。だから今GPIFは注目を集めているのである。そうしたGPIFの動きを期待して(株価が上がるかもしれないと期待して)、日本株を購入する動きもあり、それも現在株価を上げる要因となっている。 しかし、大丈夫なのだろうか。GPIFは、平成24年度以降、アベノミクスの影響で10兆円以上の収益を得ている。しかし、毎年度収益を得られているわけではなく、損失を出している年度もあり、平成20年度はリーマンショックの影響で9兆円以上の損失を出した。日本株として運用する割合を増やせば、株式相場の影響をより大きく受けることになり、損失を出すリスクがより高まることになる。 そうしたリスクに対応するため、「日本再興戦略」改訂2014では、GPIFのポートフォリオの見直しとともにガバナンス体制の見直しも行うこととされている。しかし、政府が行うこうした組織のガバナンス改革は当てにならないだろう。おそらく適当に形だけを整えて、自分達に都合の良い人達をそこに充当するのだろう。そうしたガバナンス体制が機能するはずがない。 そもそもなぜGPIFは日本株の運用割合を増やすのだろうか。日本株の運用割合を増やすに当たっては、それが合理的なのだという説明がなされるだろう。それが本当ならばいいのだが、他方、株価上昇を政権への支持につなげたいという安倍政権の意図があるのではないかという見方もある。もしも株価を上げるためにGPIFの日本株の運用割合を増やすのだとしたら、とんでもないことだ。年金積立金は国民のものであることを決して忘れないでいただきたいものである。  (了)

#No. 83(掲載号)
#鈴木 広樹
2014/08/28

《速報解説》 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」について~女性の登用等に関する記載を義務付けへ~

《速報解説》 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」について ~女性の登用等に関する記載を義務付けへ~   大阪経済大学教授 小谷 融   平成26年8月22日に、金融庁から「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」が公表された。 本改正案は、平成26年9月22日(月)12時00分までコメントが募集されている。   Ⅰ 改正の背景 民間投資を喚起する成長戦略である「日本再興戦略」は、アベノミクスの「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」と併せて、三本の矢を形成するものである。 昨年の成長戦略で残された課題の1つに、「女性の更なる活躍の場の拡大や海外の人材の受入れの拡大を含めた『世界でトップレベルの雇用環境』をどう実現していくか」がある。これを含めた課題の解決に向けて、「『日本再興戦略』改訂2014-未来への挑戦-」が平成26年6月24日に閣議決定された。 このなかで、「女性の更なる活躍促進」の方策の一つとして、「企業側のマインドを変えるために、役員の女性比率や女性の登用方針等を積極的に開示することを促すこと」を提言している。 具体的には、「有価証券報告書における役員の女性比率の記載を義務付けるとともに、コーポレート・ガバナンスに関する報告書において、企業における役員、管理職への女性の登用状況や登用促進に向けた取組を記載するよう各金融商品取引所に要請する」というもの。   Ⅱ 主な改正内容 有価証券報告書の【役員の状況】においては、定められた様式に、役員ごとの役名・職名・氏名・生年月日・略歴・任期・所有株式数を記載することになっている。改正案は、その様式の冒頭に「男性 名 女性 名(役員のうち女性の比率 %)」の欄が設けられ、「役員の男女別人数を記載するとともに、役員のうち女性の比率を括弧内に記載する」というもの。 なお、この改正は、有価証券報告書のほか有価証券届出書、四半期報告書および半期報告書が対象となっている。   Ⅲ 適用時期 改正後の規定は、平成27年3月31日以後に終了する事業年度を最近事業年度とする有価証券届出書およびその事業年度に係る有価証券報告書から適用される予定である。 (了)

#No. 82(掲載号)
#小谷 融
2014/08/25

Profession Journal No.82が公開されました!~今週のお薦め記事~

2014年8月21日(木)AM10:30、Profession Journal  No.82 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。

#Profession Journal 編集部
2014/08/21
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