〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第11回】「製糖所が減損に至った経緯」-ねらいはコストダウンか-
日々の生活に欠かすことができない食品の1つに、砂糖があります。砂糖はたいていのお菓子や飲料等に食材として含まれており、砂糖を摂取しない日はまずないといってよいでしょう。
しかしながら、2020年来の新型コロナウイルス感染拡大のあおりを受けて、そのような砂糖も国内需要が減少しています。そして、そのためか製糖所の固定資産の減損が発生しています。
生活必需品という強みがありながら、製糖業でなぜ減損が発生するのでしょうか。以下、順に探っていきましょう。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第10回】「タクシー会社が減損に至った経緯」-顧客関連資産減損の読み方-
今回は、東京の大手タクシー会社として知られる大和自動車交通の減損事例を取り上げます。減損された資産は顧客関連資産という耳慣れない資産です。顧客関連資産とは何か、なぜ減損に至ったのかということを、この会社の中期経営計画も見ながら探っていきましょう。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第9回】「鉄道子会社が減損に至った経緯」-減損の理由は観光客減少か、人口減少か-
東急は2022年3月期において、子会社である伊豆急行の保有資産について減損を実施しました。
伊豆急行は、伊豆半島の東側(伊東-伊豆急下田間)を南北に走る鉄道路線の会社です。伊豆急行線はJR東日本と相互乗り入れしており、東京、神奈川方面からの観光客が利用する観光鉄道としてよく知られています。それゆえ、コロナ禍により観光客が激減し、業績が悪化したことは間違いないでしょう。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第8回】「モノレールが減損に至った経緯」ー背景にある事業計画ー
減損処理は、これまで見てきたとおり、資産の今後の収益性を織り込む会計処理です。つまり、会社の将来の姿を現在の決算書に反映させる処理ともいえます。
そのため、減損を実施した時点では見えにくかった背景が、1~2年ぐらいたってようやく見えてくることがあるのです。
今回は、東京モノレールの減損処理について、その将来像との関係を見ていきたいと思います。
〔コロナ禍で気をつけたい〕固定資産管理のポイント
2020年から新型コロナウイルス感染症により、ビジネスのあり方が大きく変化している。特に大きく変わったのは、テレワークが多くの企業に導入されたことではないだろうか。東京のオフィス空室率は上昇し、電通やエイベックスなど本社ビルを手離す企業も一部出てきている。感染者数は一時減少したものの、変異株が発見され、再び感染者数が増加している。企業が保有する固定資産の価値を見直す良い時期ともいえるだろう。
そこで今回は、コロナ禍で気をつけたい固定資産管理のポイントをまとめた。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第7回】「鉄道事業が減損に至った経緯」ー減損が発生しやすい会社の特徴は?ー
減損が発生しやすい会社には、特徴があります。もちろん、様々な側面から論ずることができるテーマなので、一概にはいえないのですが、収益構造に関して見られるある特徴は、その1つであるといってよいでしょう。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第6回】「ホテル事業が減損に至った経緯」ー減損後にまた減損となる可能性は?ー
減損の金額というのは、誰が計算しても同じかというと、そうではありません。減損の金額が見積りによって計算されるからです。見積りの前提が変われば、減損の金額も当然変わってきます。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第5回】「飲料メーカーが減損に至った経緯」-核心に迫れるか-
缶コーヒーのメーカーで減損が実施されました。仕事の合間に自販機で買って飲む、あの缶コーヒーです。在宅勤務で働く人が増えて、缶コーヒーを飲まなくなったからだろうという話は確かにありますが、本当にそれだけでしょうか。注記を手掛かりに、そのあたりを探ってみましょう。