「平成24年版
中小企業の会計に関する指針」の
主な改正点と留意点
【第2回】
「各論における改正事項
『有価証券・棚卸資産』」
税理士 永橋 利志
前回は「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」)における改正の経緯について主に述べたが、今回より各論における改正の留意点について確認する。
1 有価証券に係る留意点
(1) 有価証券の範囲
有価証券は、保有目的の観点から、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式・関連会社株式及びその他有価証券に分類され、それぞれの区分に応じた評価を行うこととしている。
中小会計指針では、それぞれの区分ごとに貸借対照表に計上すべき金額(以下「貸借対照表価額」という)と評価差額が計算された場合の取扱いを規定している。
まず、有価証券を区分する場合に、注意すべきは、売買目的有価証券の取扱いであり、その具体的内容について確認する。
(2) 売買目的有価証券の留意点
売買目的有価証券とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券であり、期末に売買目的有価証券を保有している場合には、時価をもって貸借対照表価額とする。その結果、評価差額がある場合には、当期の損益として営業外損益に計上する。
ここで、注意すべきは、単に上場株式等を短期間所有しているのみでは、売買目的有価証券に該当せず、頻繁に売買取引を行い、短期間の価格差によるより大きな利益を獲得することを目的としたものを売買目的有価証券としている点である。
具体的には、銀行や証券会社等のトレーディング目的の有価証券がこれに該当すると考えられている。
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