〈実務家が知っておきたい〉
空家をめぐる法律上の諸問題
【前編】
弁護士法人東町法律事務所
弁護士 羽柴 研吾
1 はじめに
総務省の統計によれば、平成25年10月1日現在における総住宅数は6,063万戸とされ、そのうち空家数は820万戸であり、空家率は13.5%といずれも過去最高を記録したと報告されている(総務省統計局平成27年2月26日付統計トピックスNo.86「統計からみた我が国の住宅 (「平成25年住宅・土地統計調査(確報集計)」の結果から)」の1を参照)。
空家戸数や空家率は今後も上昇していくものと見込まれるところ、空家は相続や住居の変更等、様々な理由から生じる身近な問題である。また、近時、空家等対策の推進に関する法律が制定されるなど、空家問題は古くて新しい問題でもある。
本稿は、空家問題に関する様々な法的問題の一端を整理することを目的としたものである。
なお、本稿内の意見等にわたる部分については筆者個人によるものであり、所属する団体等の見解を代表するものではないことを申し添える。
2 空家の発生理由と不適正管理から生じる問題
(1) 空家の発生理由
空家が生じる理由には様々な要因が存在するところ、国土交通省近畿地方整備局の「住環境整備方策調査業務報告書」(2012年3月)によれば、以下のような事情があるとされている。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。