「生産等設備投資促進税制」
適用及び実務上のポイント
【第1回】
「制度の全体をおさえる」
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士 村田 直
◆「生産等設備投資促進税制」新設の背景
平成25年3月29日に「所得税法等の一部を改正する法律案」が国会で成立し、同3月30日に公布された。今回の税制改正は、平成24年12月の衆議院選挙の結果を受けた政権交代により、自民党が中心となって作成した「平成25年度税制改正大綱」が基となっている。
平成25年度税制改正大綱の冒頭においては、今回の税制改正の基本的考え方として、その1つに、「成長による富の創出に向けた税制措置」を挙げている。景気の底割れを回避し、「成長と富の創出の好循環」を実現するため、特に日本経済再生に向けた緊急経済対策の施策については、その効果が最大限に発揮されるよう、期限を区切り、大胆かつ集中的に税制上の措置を講ずる、としている。
その具体的項目として、「民間投資の喚起による成長力強化」、「人材育成・雇用対策」、「中小企業対策・農林水産業対策」を挙げ、「民間投資の喚起による成長力強化」については、以下のように、「生産等設備投資促進税制」を新設する、としている。
「成長と富の創出の好循環」を実現し、わが国経済を再生していくためには、製造業を中心とする投資に対する慎重な姿勢を反転させ、設備投資の拡大によって経済の底上げを図るとともに、生産設備の更新を通じて産業競争力の強化を図る必要がある。このため、国内における設備投資へのインセンティブを広く付与する生産等設備投資促進税制を創設し、生産等設備への投資額を一定以上増加させた場合に、新たに取得等をした機械・装置について特別償却・税額控除を可能とする。
(「平成25年度税制改正大綱」第一 平成25年度税制改正の基本的考え方より)
上記の根底には、いわゆる“アベノミクス”と呼ばれる安倍政権の経済政策がある。
アベノミクスは、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の“3本の矢”で構成されており、今回の税制改正はまさに、この「民間投資を喚起する成長戦略」を税制面で後押しするもので、その中でも「生産等設備投資促進税制」は、今回の“アベノミクス減税”の目玉政策の1つとして注目されている。
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