「生産等設備投資促進税制」
適用及び実務上のポイント
【第2回】
「適用にあたっての基本要件」
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士 村田 直
◆要件把握のポイント
前回の第1回は、「生産等設備投資促進税制」について、導入された経緯や背景、税制の全体像と条文構成をお伝えした。
今回からは、具体的な要件の検討に入っていきたい。
大まかに述べると、「生産等設備投資促進税制」は以下の①及び②の要件を満たした場合、新たに国内において取得等をした機械・装置について、30%の特別償却又は3%の税額控除(法人税額の20%を限度)を認める、というものである。
① 国内における生産等設備への年間総投資額が適用事業年度の減価償却費を超えていること
② 国内における生産等設備への年間総投資額が前事業年度と比較して10%超増加していること
従来の投資優遇税制と大きく異なるのは、投資する固定資産1単位当たりの取得価額要件が全くなく、「国内における生産等設備への年間総投資額」に対しての要件として規定されている点である。
ただし、「国内における生産等設備への年間総投資額」に対する要件は前提条件に過ぎない。実際に特別償却や税額控除の対象になるのは、「生産等設備」ではなく、「機械・装置」となる。
このあたりの要件が持つ意味をしっかり理解しておくことが、この税制を活用する上での大きなポイントとなるであろう。
さらに、この「生産等設備投資促進税制」においては、「生産等設備」や「比較取得資産総額」などといった耳慣れない用語が登場する。こういった用語の定義もしっかり把握しておく必要があるだろう。
また、特別償却については30%であるため、通常の設備投資税制と変わりないが、税額控除については“3%”であるところもこの税制の特徴である。
既存の「中小企業投資促進税制」などについては、税額控除は7%となっており、その違いを意識しておかなければならない。
◆基本項目についての要件確認
では、まずは基本項目について、「生産等設備投資促進税制」の要件を確認していくこととする。
〈対象者〉
対象者は、「青色申告書を提出する法人」、「青色申告書を提出する個人」となっている。
法人については、青色申告のみが要件となっているため、中小企業者かどうかを問わず、大企業も含めて適用できる。
これは、特別償却だけでなく税額控除についても同様で、資本金要件などはないため、大企業でも税額控除が適用できる制度となっている。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。