公開日: 2013/05/23 (掲載号:No.20)
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民法改正(中間試案)―ここが気になる!― 【第2回】「保証人保護(2)」

筆者: 中西 和幸

民法改正(中間試案)

─ここが気になる!─

【第2回】

「保証人保護(2)」

 

弁護士 中西 和幸

 

1 個人保証を有効とする場合の保証人の保護

前回に説明した個人保証の制限については、導入されるかどうか、まだ不明である。しかし、過去の保証人トラブルの原因においては、主債務者が保証人に虚偽の説明をしたり、保証人が保証債務について誤解をしていることがあったり、また、主債務の状況を知らずに保証人となって想像以上の過大な保証債務を負うことなどがよく見られた。

そこで、保証人が保証債務を負うにあたって保証制度やそのリスクを正確に理解できるよう、債権者に説明義務及び情報提供義務を課すことが検討されている。

 

2 説明義務について

(1) 契約前の説明義務
本改正案における説明義務は、事業者である債権者が個人を保証人とする保証契約を締結しようとする場合に、

 保証人は主たる債務者がその債務を履行しないときにその履行をする責任を負うこと

 連帯保証である場合には、連帯保証人は催告の抗弁、検索の抗弁及び分別の利益を有しないこと

 主たる債務の内容(元本の額、利息・損害金の内容、条件・期限の定め等)

 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合には、主たる債務者の[信用状況]

を説明しなければならないとされる。そして、これを怠った場合、保証人が保証契約を取り消すことができるという考え方を取り上げている。

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─ここが気になる!─

【第2回】

「保証人保護(2)」

 

弁護士 中西 和幸

 

1 個人保証を有効とする場合の保証人の保護

前回に説明した個人保証の制限については、導入されるかどうか、まだ不明である。しかし、過去の保証人トラブルの原因においては、主債務者が保証人に虚偽の説明をしたり、保証人が保証債務について誤解をしていることがあったり、また、主債務の状況を知らずに保証人となって想像以上の過大な保証債務を負うことなどがよく見られた。

そこで、保証人が保証債務を負うにあたって保証制度やそのリスクを正確に理解できるよう、債権者に説明義務及び情報提供義務を課すことが検討されている。

 

2 説明義務について

(1) 契約前の説明義務
本改正案における説明義務は、事業者である債権者が個人を保証人とする保証契約を締結しようとする場合に、

 保証人は主たる債務者がその債務を履行しないときにその履行をする責任を負うこと

 連帯保証である場合には、連帯保証人は催告の抗弁、検索の抗弁及び分別の利益を有しないこと

 主たる債務の内容(元本の額、利息・損害金の内容、条件・期限の定め等)

 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合には、主たる債務者の[信用状況]

を説明しなければならないとされる。そして、これを怠った場合、保証人が保証契約を取り消すことができるという考え方を取り上げている。

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連載目次

筆者紹介

中西 和幸

(なかにし・かずゆき)

弁護士
田辺総合法律事務所

・昭和61年3月 岡崎高等学校卒業
・平成4年3月 東京大学法学部卒業
・平成4年4月 住友海上火災保険株式会社に就職(平成5年3月まで)
・平成7年4月 弁護士登録(第一東京弁護士会会員となる)、田辺総合法律事務所入所
・平成19年4月 第一東京弁護士会総合法律研究所会社法研究部会部会長就任(平成23年4月まで)
・平成22年4月 CFE(Certified Fraud Examiner:公認不正検査士)資格取得
・平成24年4月 国分寺市オンブズパーソンに就任
・平成24年6月 オーデリック株式会社の社外(独立)監査役に就任

【著書等】
・『会社法関係法務省令逐条実務詳解 ─会社法施行規則・会社計算規則・電子公告規則』編集代表(清文社)
・『信託と倒産』共著(商事法務)
・『企業不祥事と対応【事例検証】』編共著(清文社)
・『〔新訂〕貸出管理回収手続双書 回収』共著(金融財政事情研究会)
・「振替株式に設定された質権と質権設定者の振替株式に対する差押え」共著『金融法務事情』No.1912
・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社)
・『【Q&A】大規模災害に備える企業法務の課題と実務対応』編集代表(清文社)
・『実践!営業秘密管理 企業秘密の漏えいを防止せよ!』編集代表(中央経済社)
・「平成24年株主総会の実務対応(6)株主総会までの準備と議事運営」『旬刊 商事法務』 No.1963
・『最新 役員報酬をめぐる法務・会計・税務』編集代表(清文社)
・「「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明内容と運用のあり方」共著『旬刊 商事法務』 No.1980 

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