競業避止規定の留意点
【第4回】
(最終回)
「個別特約と就業規則」
特定社会保険労務士 大東 恵子
退職後の競業避止義務契約の有効性は、競業の制限が合理的範囲を超え、債務者らの職業選択の自由等を不当に拘束し、同人の生存を脅かす場合には、その制限は公序良俗に反し無効となるのは言うまでもない。退職労働者は、これまでの経験を活かせる職業に就こうとするため、自然と同業となる。労働者の働く権利を侵害しすぎない範囲に限って、会社を守ることも許されるのである。
特約については、民法上の公序良俗違反(民法90条)として無効とすることにより、特約の適用範囲に一定の歯止めをかけている。
上記の合理的範囲を限定するにあたって、裁判例には若干のバラつきはあるが、概ね、使用者の正当な利益の保護を目的とする(ノウハウ等の要保護性)営業秘密はもちろん、技術的な秘密や営業上のノウハウ等、顧客との人間関係等についても企業利益の有無が判断される。
〔従業員の退職前の地位・業務の性質・勤続年数〕
従業員すべてを対象にした規定は、合理性が認められにくい。
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