公開日: 2026/01/29 (掲載号:No.654)
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書く論 【第1回】「なぜ書く」

筆者: 編集X

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※本連載は会員以外の方もご覧いただけます。

編集X

〈執筆:編集X〉

書く論

第1回

「なぜ書く」

読者の皆さま、はじめまして。

この連載は、実務書の編集職に30年近く携わってきた編集Xが、原稿を「書く」選択をされた実務家の方々とのお仕事を通して学んだことを、これから「書く」人たちへお伝えするためのものです。

まずは簡単に自己紹介を。
私、編集Xは上記のように、そこそこ長く実務書の編集のお仕事に携わり、そして皆さまに読んでいただいているこのWeb情報誌プロフェッションジャーナルの立上げ時から少し関わらせていただきました(この連載は本誌編集者さんからの依頼で始めた連載ですが、編集者には制作の裏方に特化する「黒子」派と、著者と同様に表に出てくる「白子」派(?)がいて、個人的には圧倒的に前者派なので、ご紹介はここまでに)

さて、この連載の第1回は「なぜ書く」のか、について考えてみます。

税理士や公認会計士など実務家の方々で、執筆のみを生業にしている方は非常に少ないと思います。要は、「本業があるので、原稿を書いて、その収益で生活しなくてもよい」、つまり、わざわざ実務の原稿を書く必要のない方々が大半です。

それでも(ありがたいお話ですが)出版社などの要請に応じて、書籍や雑誌、Web媒体などで原稿を書いている、またはこれから書きたいという方がいるのはなぜでしょうか。

これまでの経験では、その理由として「自分の本を世に出したい」「名前を広めたい」などが多かったです(現在のような出版業界の景況から、原稿料を期待している人が昔より少なくなったのは申し訳ない限りです・・・)。

ただ、初めてお会いして「原稿を書きたい」という方に、「ご執筆の目的は何ですか?」とたずねると、そこで初めて自分のお考えに気づき、言葉にされる方がけっこう多いのも事実です。

これから原稿を書きたいという方は、ご執筆の目的は何でしょうか。
すでに原稿をたくさん書かれている方は、その目的を今でも覚えておられますか。

さらに、原稿を書き続けた先にある、そのゴールは何でしょう。

あらためて考えみると、どこに(どの媒体に)、どのようなレベルの原稿を書くべきなのかが、はっきり見えてくると思います。

ちなみに、目的やゴールについては、その人それぞれであって、「○○でないといけない」とは思いません。

ただし、この点が曖昧な方や深く自覚されていない方は、何度か原稿を書いてみて、結局お止めになるケースも多いのです。

また、依頼されるがままに原稿を書くことは、ご自身のためになりません。

これらについては今後、個別に取り上げていきます。

最後に1つエピソードを。

10年ほど前、とある先生にお会いして専門家向けのご執筆をお願いした際に、その方はこうおっしゃいました。

「競争相手である同業者に自分の原稿を読ませるのは、自身のノウハウを開示するだけでメリットがない」

確かにその通り。競争の激しい実務家の世界では正論であり、ぐうの音も出ませんでした。

そのお話を編集Xが尊敬する先生にしたところ、こうおっしゃいました。

「自身が得た知識や経験を、同業者であっても広く伝えたいと思うのは自然なことだ」

編集Xは未だにこの意見の狭間にいるような気がします。

読者の皆さまはどのように感じられるでしょうか。

では、導入部分が長くなっても良くないので、次回からは実際に原稿を「書く」ときのお話に移らせていただきます。

(注)この連載に書かれている内容は筆者の私見であり、所属する組織とは一切関係ありません<(_ _)>

(つづく)

「書く論」は、不定期の掲載となります。

※本連載は会員以外の方もご覧いただけます。

編集X

〈執筆:編集X〉

書く論

第1回

「なぜ書く」

読者の皆さま、はじめまして。

この連載は、実務書の編集職に30年近く携わってきた編集Xが、原稿を「書く」選択をされた実務家の方々とのお仕事を通して学んだことを、これから「書く」人たちへお伝えするためのものです。

まずは簡単に自己紹介を。
私、編集Xは上記のように、そこそこ長く実務書の編集のお仕事に携わり、そして皆さまに読んでいただいているこのWeb情報誌プロフェッションジャーナルの立上げ時から少し関わらせていただきました(この連載は本誌編集者さんからの依頼で始めた連載ですが、編集者には制作の裏方に特化する「黒子」派と、著者と同様に表に出てくる「白子」派(?)がいて、個人的には圧倒的に前者派なので、ご紹介はここまでに)

さて、この連載の第1回は「なぜ書く」のか、について考えてみます。

税理士や公認会計士など実務家の方々で、執筆のみを生業にしている方は非常に少ないと思います。要は、「本業があるので、原稿を書いて、その収益で生活しなくてもよい」、つまり、わざわざ実務の原稿を書く必要のない方々が大半です。

それでも(ありがたいお話ですが)出版社などの要請に応じて、書籍や雑誌、Web媒体などで原稿を書いている、またはこれから書きたいという方がいるのはなぜでしょうか。

これまでの経験では、その理由として「自分の本を世に出したい」「名前を広めたい」などが多かったです(現在のような出版業界の景況から、原稿料を期待している人が昔より少なくなったのは申し訳ない限りです・・・)。

ただ、初めてお会いして「原稿を書きたい」という方に、「ご執筆の目的は何ですか?」とたずねると、そこで初めて自分のお考えに気づき、言葉にされる方がけっこう多いのも事実です。

これから原稿を書きたいという方は、ご執筆の目的は何でしょうか。
すでに原稿をたくさん書かれている方は、その目的を今でも覚えておられますか。

さらに、原稿を書き続けた先にある、そのゴールは何でしょう。

あらためて考えみると、どこに(どの媒体に)、どのようなレベルの原稿を書くべきなのかが、はっきり見えてくると思います。

ちなみに、目的やゴールについては、その人それぞれであって、「○○でないといけない」とは思いません。

ただし、この点が曖昧な方や深く自覚されていない方は、何度か原稿を書いてみて、結局お止めになるケースも多いのです。

また、依頼されるがままに原稿を書くことは、ご自身のためになりません。

これらについては今後、個別に取り上げていきます。

最後に1つエピソードを。

10年ほど前、とある先生にお会いして専門家向けのご執筆をお願いした際に、その方はこうおっしゃいました。

「競争相手である同業者に自分の原稿を読ませるのは、自身のノウハウを開示するだけでメリットがない」

確かにその通り。競争の激しい実務家の世界では正論であり、ぐうの音も出ませんでした。

そのお話を編集Xが尊敬する先生にしたところ、こうおっしゃいました。

「自身が得た知識や経験を、同業者であっても広く伝えたいと思うのは自然なことだ」

編集Xは未だにこの意見の狭間にいるような気がします。

読者の皆さまはどのように感じられるでしょうか。

では、導入部分が長くなっても良くないので、次回からは実際に原稿を「書く」ときのお話に移らせていただきます。

(注)この連載に書かれている内容は筆者の私見であり、所属する組織とは一切関係ありません<(_ _)>

(つづく)

「書く論」は、不定期の掲載となります。

連載目次

書く論

  • 【第1回】 なぜ書く
  • 【第2回】 誰に書く? 2/26公開予定
  • 【第3回】 執筆依頼は断ることも大切 3/12公開予定
  • 【第4回】 壮大な序章を書かないために 4/30公開予定

筆者紹介

編集X

(へんしゅう・えっくす)

実務書の編集業務に携わって約30年。
老眼歴長め。

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