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令和8年熊本地震に関する税務・企業経営面の《資料リンク集》(更新)

令和8年熊本地震に関する 税務・企業経営面の《資料リンク集》 このページでは「令和8年熊本地震」に関して各府省庁・主な団体等から公表された情報ページのうち、特に税務・企業経営の面で有用なページへのリンク先をまとめています。 新たな情報の公表により、随時更新します。
#Profession Journal 編集部
2026/07/31
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令和9年度税制改正に関する《資料リンク集》(更新)

  令和9年度税制改正に関する 《資料リンク集》 このページでは「令和9年度税制改正」に関し各府省庁・主な団体等から公表された情報ページへのリンク先をまとめています。 新たな情報の公表により、随時更新します。   - ご 案 内 - Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。
#Profession Journal 編集部
2026/07/31
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《速報解説》 会計士協会、「倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)」を改正~報酬依存度の計算方法及び支配関係の判断基準に関する設問の見直し等行う~

《速報解説》 会計士協会、「倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)」を改正 ~報酬依存度の計算方法及び支配関係の判断基準に関する設問の見直し等行う~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2026年7月15日付けで(ホームページ掲載日は2026年7月30日)、日本公認会計士協会は、倫理規則実務ガイダンス第1号「倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)」の改正を公表した。 これにより、2026年5月22日から意見募集されていた公開草案が確定することになる。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も公表されている。 これは、報酬依存度に関する会員からの相談が多く寄せられていることに対応するものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 倫理規則では、社会的影響度の高い事業体(Public Interest Entity: PIE)の監査において2年連続で報酬依存度が15%を超える場合の開示、5年連続で報酬依存度が15%を超える場合の辞任規定などが規定されている。 報酬依存度に関する会員からの相談が多く寄せられていることに対応して、次のQ&Aの見直し・新設を行う。 (了)
#阿部 光成
2026/07/31
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《速報解説》 監査役協会が「監査役等による会計不正への対応-予兆の早期把握と予防の徹底-」を公表~内部通報制度について親会社主導による統一的な仕組みの構築を提言~

《速報解説》 監査役協会が「監査役等による会計不正への対応 -予兆の早期把握と予防の徹底-」を公表 ~内部通報制度について親会社主導による統一的な仕組みの構築を提言~   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   公益財団法人日本監査役協会会計委員会(以下、「会計委員会」と略称する)は、2026年7月28日、「監査役等による会計不正への対応-予兆の早期把握と予防の徹底-」を公表した。 会計委員会は、「はじめに」において、近時の会計不正は、経営者に対するガバナンスの問題や親会社の子会社グループに対するガバナンスの脆弱性に起因すると思われる事案がみられるが、こうした事案は単に一企業の問題にとどまらず、監査役等(監査役、監査等委員及び監査委員をいう)による監査や会計監査、さらには内部統制システムの実効性に対する社会的な信頼にも関わるものであり、市場全体の信頼性にも影響を及ぼす重大な事案であるという認識を踏まえ、改めて監査役等による会計不正への対応の在り方について検討し、会計不正の予兆の早期把握と予防の徹底に向けた提言を行う必要があるとの問題意識を持つに至ったと説明している。 会計委員会による報告書の内容は次のとおりである。 「はじめに」に続く、「昨今の主な会計不正事案の特徴・要点」では、ニデック株式会社、株式会社オルツ、エア・ウォーター株式会社、KDDI株式会社及び株式会社イーエムネットジャパンの5社が公開した調査報告書について、「事実の概要」「主な原因」及び「監査役等に対する提言」がそれぞれコンパクトにまとめられている。 本稿では、「各種会計不正の予兆(黄色信号)を掴むための方法」及び「各種会計不正を防ぐための予防・体制整備について」を中心に、報告書の内容について確認したい。   1 各種会計不正の予兆(黄色信号)を掴むための方法 会計委員会による「各種会計不正の予兆(黄色信号)を掴むための方法」について、まずは、項目ごとに確認したい。 最初に挙げられているのは、「経営トップの誠実性」である。会計委員会は、企業不祥事防止の観点で監査役等としてまず着目すべきは、経営トップが経営姿勢としてコンプライアンスを重視しているかであり、経営理念そのものが経営者の行動を律することにもなるため、経営執行陣、ガバナンスが適切に機能しているかというところも一つの兆候を察知するきっかけとなると説明している。 次いで、「循環取引:について、会計委員会は、循環取引が起こりうる状況として、直接の仕入先や販売先までは把握しているものの、取引の全体像の詳細までは把握していないということを挙げたうえで、監査役等の目線でも、取引の全体像を会社として把握しているかに注意する必要があるとしている。そのうえで、「循環取引を示唆する状況・兆候」について、「事業上の合理性が不透明な取引」「留意すべき取引の特徴」「特定担当者への権限の集中」及び「財務諸表上の数字に表れる特徴」の4項目について、具体的事例を列挙している。 さらに、「会計監査人への不適切な対応」について、会計委員会は、経理部門による会計不正の実行または他部門による会計不正の見過ごしや隠蔽などの場合には、会計監査人への対応が不適切となることがあるとして、次のような状況の有無を会計監査人に確認して、監査役等の立場からも経理部等の対応の合理性について検討することが有用であると説明いている。 また、監査役等の立場から、不正の予防発見のために、執行側に働きかけることが期待されている例として、「業界慣行を安易に正当化せず、他業種の上場会社の実務と照らして一般的であるかを評価すること」や「組織における経理部の地位が低い又は立場が弱い場合には、営業等の他部署に対する統制や牽制が利きにくいこと」を提言することを挙げている。   2 各種会計不正を防ぐための予防・体制整備について 会計委員会による、「各種会計不正を防ぐための予防・体制整備」についても、まずは、報告書の項目を挙げておきたい。 報告書における「各種会計不正を防ぐための予防・体制整備」で最も紙数を割いて説明している項目は、当然のことながら、「監査役会等の監査と会計監査人及び内部監査部門等との連携」である。会計委員会は、この連携に当たって、監査役等は三様監査を統括する意識を持って、主体的な役割を果たすべきであると強調したうえで、監査役等としても必要な情報を積極的に発信していくべきであると提言している。 また、「内部通報制度の整備」の解説の中では、子会社の内部通報制度について、子会社独自の通報制度を整備した場合、従業員数が少ない子会社では、匿名で通報を行ったとしても、職場環境や業務状況等から通報者が特定される可能性が高い。このことが通報に対する心理的障壁となり、結果として通報制度が十分に機能しないという懸念を示したうえで、会計委員会は、子会社を含めたグループ全体としての内部通報制度を確立し、親会社主導による統一的な仕組みの構築が望ましいという提言に導いており、これは新しい論点ではないかと思料する。 また、エア・ウォーター社の事例で、社内リニエンシー制度の導入や少人数制の対話型説明会の実施によって多くの疑義が明るみに出てきたことを取り上げ、平時におけるこうした制度の活用も考えられると説明している点については、筆者も賛同したい。   3 おわりに 報告書の最後に、会計委員会は、昨今、企業を取り巻く環境は複雑化しており、不祥事の未然防止及び透明性の確保に対する社会的要請が一層高まっている中で、監査役等は独立した立場から、経営の実態を的確に把握し、必要に応じて適切な指摘や助言を行うことが期待されているとしたうえで、経営トップによるコンプライアンス軽視の姿勢が認められる場合においても、組織内の力関係や圧力に左右されることなく、監査役等が自らの責務を全うする覚悟を持つことが不可欠であると提言している。 さらに、監査役等は、単なる形式的な監査にとどまらず、実効性のある監査を実現するための主体的かつ強い意志が求められる。今後もその役割の重要性は増していくと考えられるため、継続的な自己研鑽と責任ある行動が期待されるとして報告書を締め括っている。 (了) ↓お勧め連載記事↓
#米澤 勝
2026/07/31
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《速報解説》 社会保障国民会議が「給付付き税額控除」等に関する「中間とりまとめ」を公表~令和11年度の「所得に連動したきめ細かな給付」導入方針は維持、飲食料品に係る消費税率引下げ等の経過措置(つなぎ)は意見の一致に至らず~

《速報解説》 社会保障国民会議が「給付付き税額控除」等に関する 「中間とりまとめ」を公表 ~令和11年度の「所得に連動したきめ細かな給付」導入方針は維持、 飲食料品に係る消費税率引下げ等の経過措置(つなぎ)は意見の一致に至らず~   Profession Journal編集部   令和8年7月29日(水)、「社会保障国民会議(第2回)」が開催され、「給付付き税額控除」等に関する「中間とりまとめ」が取りまとめられ、内閣官房ホームページにおいて公表された。 本とりまとめは、「社会保障国民会議 給付付き税額控除等に関する実務者会議(第16回)」(令和8年6月24日開催)において示された「中間とりまとめ(案)」(以下「6月案」という)について、その後の実務者会議(第17回~第22回)等における検討を経て取りまとめられたものである。 「所得に連動したきめ細かな給付」を令和11年度に本格導入し、そのために必要な法制上の措置を可及的速やかに講ずるとの方針や、制度の基本的設計(個人単位・単身者も対象、勤労性の所得と一定の税・社会保険料負担がある者を対象、給付額の逓増→定額→逓減・消失、18歳以下のこどもの人数に応じた加算等)は6月案から維持されている一方、経過措置(つなぎ)及び財源の記載には大きな変更が加えられている。 以下では、6月案からの主な変更点を中心に概観する(6月案の内容は下記【関連記事】参照)。   1 6月案からの主な変更点 項目 6月案 中間取りまとめ 経過措置(つなぎ) 飲食料品に係る消費税率の引下げと「所得に連動したきめ細かな給付」の先行導入を組み合わせることが適当とのとりまとめに向けた意見があった 同組合せは「適当との議長案の提示があった」とした上で、議長案に対する各意見を併記し、「具体案について意見の一致には至らなかった」と明記 財源 「P」(記載未定) 項目を新設(下記3参照) 「年収の壁」への加算 「いわゆる年収の壁を超えた方向けに一定の給付額を上乗せする」 第3号被保険者制度の見直しや被用者保険の適用拡大の更なる加速により「年収の壁」が解消するまでの「時限的な措置」として、「年収の壁」に配慮した一定の加算を行う位置づけに変更 勤労性の所得の基準に係る意見 有識者会議の意見として、所得約 32 万円超(給与収入約 106 万円超)、給与所得 0 円超(給与収入 74 万円超)を注記 実務者会議の意見として、雇用保険の適用ラインを超えることとなる水準(給与収入約 53 万円超)を追加。あわせて各水準の換算根拠(令和 7 年度の最低賃金最低額×適用労働時間)を注記 検討期限の明記 明示なし 就労していない高齢者などへの対応、第3号被保険者制度の見直し・被用者保険の適用拡大の更なる加速について「次期年金法改正が予定されている令和 12 年までに結論を得る」と明記   2 経過措置(つなぎ):具体案は意見の一致に至らず 6月案では、令和11年度の本格導入までの2年間に限った経過措置(つなぎ)として、下記の組み合わせが「適当とのとりまとめに向けた意見があった」とされていた。 これに対し中間とりまとめでは、この組合せを「議長案の提示があった」ものと位置づけた上で、議長案に対する実務者会議における意見が併記された。 具体的には、以下の意見等がそれぞれ示されている。 その上で、経過措置(つなぎ)については、「現下の物価高や税・社会保険料負担に苦しむ中低所得者への対応の必要性が共有され、意見の集約に向けた議論が積み重ねられたが、具体案について意見の一致には至らなかった」と総括されている。   3 財源(項目の新設) 6月案で「P」とされていた財源については、本格導入分・経過措置(つなぎ)分のいずれも、市場の信認を損なうことのないよう、特例公債に頼らず、補助金・租税特別措置の見直しなど歳出・歳入のあらゆる見直しを通じて確保することとされた。 その上で、本格導入分(恒久財源)は早期に、つなぎ分は令和9年度予算編成プロセスにおいて予算編成改革を具体化する中で、それぞれ結論を得るとしている。   4 制度の基本的設計・執行等に係るその他の修正点 このほか、給付に係る閾値となる所得水準及び給付額について「恒久財源の確保とあわせて検討する」とされた点、給付の対象外で支援が必要な方(低収入の現役世代、病気や障害等で働けない方など)への対応について、給付と相談・就労支援の一体的な実施を含め検討し、可能なものは令和11年度からあわせて実施できるよう本格導入までに結論を得るとされた点が挙げられる。 また、将来的な方向性においては、今回導入を目指す「所得に連動したきめ細かな給付」は本格的な「給付付き税額控除」を導入する「第一歩」であることが冒頭に明記され、税額控除と給付の組合せについても「将来的に給付のみと決め打ちすることなく」検討を継続するとされた。このほか、来年度を目途に「社会保険料還付付き税額控除(所得税・住民税)」を目指すべきとの意見や、総所得に金融所得等を当初から勘案すべきとの意見、こども加算への慎重意見など、各所で実務者会議等における意見の併記が拡充されている。 本とりまとめにおいて、令和9年4月からの飲食料品に係る消費税率の引下げを含む経過措置(つなぎ)の具体案は決着しておらず、今後の政府・与党における方針決定に委ねられた形となる。今後公表される政府・与党の方針及び立法プロセスの動向に留意されたい。 (了)
#Profession Journal 編集部
2026/07/30
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プロフェッションジャーナル No.679が公開されました!~今週のお薦め記事~

2026年7月30日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.679を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。
#Profession Journal 編集部
2026/07/30
New 税務 税務・会計 解説 解説一覧

谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第59回】「「譲渡所得課税の趣旨」法理の限定的な「復権・本領発揮」」-タキゲン事件・最判令和2年3月24日訟月66巻12号1925頁-

谷口教授と学ぶ 税法基本判例 【第59回】 「「譲渡所得課税の趣旨」法理の限定的な「復権・本領発揮」」 -タキゲン事件・最判令和2年3月24日訟月66巻12号1925頁-   大阪学院大学法学部教授 谷口 勢津夫   Ⅰ はじめに 第55回から前回まで4回にわたって判例法理としての「譲渡所得課税の趣旨」法理(学説では増加益清算課税説)に着目し、同法理の枠内における(譲渡所得の本質的意義(理論[包括的所得概念論]的意義)に基づく)譲渡所得課税❶と(譲渡所得の実定法的意義に基づく)譲渡所得課税❷との「競い合い」(「趣旨内競い合い」)の観点から、譲渡所得課税に関する判例を検討してきたが、その検討を通じて、譲渡所得をめぐる課税問題の司法的解決において同法理が基軸に据えられてきたことを確認した(前々回Ⅳ、前回Ⅳ参照)。 同時に、その検討を通じて、「譲渡所得課税の趣旨」法理は、適用場面によって、「趣旨内競い合い」における位置づけないし意味を異にし、同法理の適用の仕方に紆余曲折がみられることも明らかになった。筆者はそのことを、同法理の枠内における「趣旨内競い合い」の観点から、「遅れ挽回」(第55回)、「独走」(第56回)、「『牽引力』の減退と復活・遮断(『どんでん返し』)」(第57回)、「離脱」(第58回)等の言葉で、表現してきた。 ただ、今回取り上げるタキゲン事件・最判令和2年3月24日訟月66巻12号1925頁(以下「令和2年最判」という)は、「譲渡所得課税の趣旨」法理を、これを創設した最判昭和43年10月31日訟月14巻12号1442頁(以下「昭和43年最判」という。第55回参照)と同じく、みなし譲渡課税の場面で適用し、その場面に限って同法理の「復権・本領発揮」を実現したように思われる。 今回は、令和2年最判における「譲渡所得課税の趣旨」法理の「復権・本領発揮」の意味を検討することにする。まず、令和2年最判の判断内容からみておくことにしよう。 なお、令和2年最判については、既に第6回において、租税通達の「解釈」の問題を検討した。今回も、その問題に関する裁判所の判断にも言及はするが、その問題は検討の主たる対象としないことを予めお断りしておく。   Ⅱ 令和2年最判の判断内容 令和2年最判では、個人が法人に対して行った取引相場のない株式の譲渡に係る所得税法59条1項所定の「その時における価額」の意義が争われたが、同最判は、まず、譲渡所得に対する課税について、「譲渡所得課税の趣旨」法理に従って下記のとおり判示した(下線筆者)。 令和2年最判は、このように、「譲渡所得課税の趣旨」法理に従って譲渡所得課税の対象としての「所得」を「資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益」とし、これを「その時点において所有者である譲渡人の下に生じている増加益」として展開した上で、次に、下記のとおり、「譲渡所得課税の趣旨」に照らして所得税法59条1項所定の「その時における価額」の算定(評価)に係る所得税基本通達59-6を「少数株主に該当するか否かについても当該株式を譲渡した株主について判断すべきことをいう趣旨のもの」と解する判断を示した(下線筆者)。 令和2年最判は、結論の点だけでなく以上の判断枠組みの点でも基本的には、原々審・東京地判平成29年8月30日訟月66巻12号1945頁(以下「本件第一審判決」という)と同じであるが、ただ、本件第一審判決は、同最判のように「譲渡所得課税の趣旨」から「その[譲渡所得に対する課税の場面と相続税や贈与税の課税の場面との]差異に応じた取扱い」を導出するにとどまらず、下記のとおり、「譲渡所得課税の趣旨」から通達の文言の「読み替え」まで導出する判断を示している(下線筆者)。 これに対して、令和2年最判の原審・東京高判平成30年7月19日訟月66巻12号1976頁(以下「本件控訴審判決」という)は、租税通達についても「文理解釈」を重視する見地から「通達の文言を殊更に読み替えて異なる内容のものとして適用することは許されない」と判示し、さらに、下記のとおり、「譲渡所得課税の趣旨」から通達の文言の「読み替え」を導出するのは無理がある旨を判示した(下線筆者)。   Ⅲ 「譲渡所得課税の趣旨」法理とみなし譲渡課税 以上でみてきたように、本件第一審判決と本件控訴審判決では通達の文言の「読み替え」の可否が判断の直接的な「分かれ目」であったのに対して、本件控訴審判決と令和2年最判では「譲渡所得課税の趣旨」の捉え方が判断を分けたように思われる(品川芳宣「判批」TKC税研情報29巻3号(2020年)28頁、38頁は本件各判決を「三者三様の判断」と評している)。 本件控訴審判決は、前記の引用判示のとおり、「譲渡所得課税の趣旨」を「上記のように成立した価額[=不特定多数の独立当事者間の自由な取引において通常成立すると認められる価額(時価)]を基準に、所有者の有していた増加益を判断して課税することになる」と捉えていることからすると、この判決の考え方を「譲渡益説に親和的な考え方」(佐藤英明「判批」TKC税研情報29巻4号(2020年)1頁、9頁)と理解する見解は妥当であると考えられる(なお、この見解にいう「譲渡益説」(佐藤英明『スタンダード所得税法〔第4版〕』(弘文堂・2024年)95-96頁参照)は筆者のいう「譲渡益課税説」と同じく一種の純所得課税の考え方(前々回Ⅲ1、拙著『税法基本講義〔第8版〕』(弘文堂・2025年)【289】参照)であると解される)。 上記の見解は、前記の引用判示中の「譲渡所得課税の趣旨」について、「不特定多数の間で自由な交渉により成立する『時価』を、59条1項の規定する『時価』とした上で、実際にどのような価格による譲渡が成立しうるか、が検討の焦点となっている。」(佐藤・前掲「判批」9頁)と指摘した上で、「砕いて言ってしまえば、少数株主となる者(評価通達によればその場合の1株の価額は75円)が、1株に対して支配的株式(同じく2505円)の値段を払って株式を購入することはあり得ないから、現実に成立しうる価格が時価だ(それは75円と2505円の間のどこか、たとえば、300円かも知れない)という発想だと思われる。」(同頁)と述べている。 このように、本件控訴審判決は、「譲渡所得課税の趣旨」法理の枠内における「趣旨内競い合い」の観点からみると、(譲渡所得の本質的意義(理論[包括的所得概念論]的意義)に基づく)譲渡所得課税❶だけでなく(譲渡所得の実定法的意義に基づく)譲渡所得課税❷をも重視し、とりわけ後者においては「所有者に帰属していた増加益」を「不特定多数の独立当事者間の自由な取引において通常成立すると認められる価額(時価)」によって算定することにしたものと解される。 このような理解によれば、本件控訴審判決が前記の引用判示において「当該株式が分割して譲渡され、譲受人が支配権を有しない少数の株式を保有するにとどまる場合には、当該株式は配当への期待に基づく経済的価値を有するにすぎないものとして評価されることとなるから、その間の自由な取引において成立すると認められる価額は、譲渡人が譲渡前に有していた支配関係によって決定されるのか、譲渡後に譲受人が取得することになった支配関係のどちらかで決定されるのかは一概に決定することはできず、双方の会社支配の程度によって結論を異にする事柄であるというべきである。」という判断を示したことにも理由があるといえるかもしれない。 しかしながら、本件で問題となったみなし譲渡課税の対象となる「居住者」(所税59条1項柱書)は、「譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合」(同)における当該資産の所有者すなわち当該資産の譲渡人を意味するのであるから、「譲渡所得課税の趣旨」法理にいう「所有者に帰属する増加益」は、当該資産の譲渡人に着目して算定すべきことになる。しかも、同法理にいう「所有者に帰属する増加益」は「所有者の意思によらない外部的条件の変化に起因する資産価値の増加」(金子宏『租税法〔第24版〕』(弘文堂・2021年)271頁)を意味するところ、当該資産の所有者の人的事情(本件では、非上場株式の所有者が少数株主に該当するか否か)も当該資産にとっては「所有者の意思によらない外部的条件」に属するので、「所有者に帰属する増加益」は、論理的にも、当該資産の譲渡人に着目して算定すべきことになろう。 これらのことを「譲渡所得課税の趣旨」法理の枠内における「趣旨内競い合い」の観点からみると、令和2年最判は、まず、「譲渡所得に対する課税においては、資産の譲渡は課税の機会にすぎ[ない]」として、同法理における譲渡所得課税❷の比重を小さくした上で、「その時点において所有者である譲渡人の下に生じている増加益に対して課税されることとなる」として、譲渡所得課税❶における「所有者である譲渡人」の意義を強調し、もって「その時点において所有者である譲渡人の下に生じている増加益」を、「所有者である譲渡人」の人的事情のうち当該資産の価額に影響を及ぼすべき事情(本件では、非上場株式の譲渡における譲渡人の会社への支配力の程度)を考慮して、算定すべきであると判断したものといえよう。 この点について、令和2年最判に対する次の評価(佐藤・前掲「判批」7頁。下線・傍点筆者)は正鵠を射たものであると考えるところである。 以上のように考えてくると、「譲渡所得課税の趣旨」法理は、その創設以来の紆余曲折を経て(前記Ⅰ参照)、令和2年最判によって「趣旨内競い合い」において「[増加益]清算課税説の中核的な発想」(佐藤・前掲「判批」7頁)に基づく譲渡所得課税❷の軽視及びこれと同時に譲渡所得課税❶の重視という形で、、いわば「復権・本領発揮」に至ったといってもよかろう。ただし、同法理の「復権・本領発揮」は、令和2年最判が同法理を、これを創設した昭和43年最判と同じく、みなし譲渡課税の場面で適用したことによるものであって、その場面に限定されたものであるとみておくべきであろう。 みなし譲渡課税は、「譲渡所得課税の趣旨」法理のまさしく「本領発揮」の場面である。すなわち、みなし譲渡課税は、「無償や低額の対価による譲渡にかこつけて資産の譲渡所得課税を回避しようとする傾向を防止する」(昭和43年最判)あるいは「同項[=所税59条1項]各号に掲げる事由により譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合に当該資産についてその時点において生じている増加益の全部又は一部に対して課税できなくなる事態を防止する」(令和2年最判)という目的で、収入金額という実体的経済価値を伴わない「資産の譲渡」について収入金額を擬制すること(みなし譲渡課税に係る収入金額擬制説。前掲拙著【285】参照)によって、譲渡所得課税❷における「資産の譲渡」を所得の実現と切り離して単なる「課税の機会」にとどめる措置(令和2年最判参照)であると解されるが、そうであるからこそ、みなし譲渡課税の場面では、「譲渡所得課税の趣旨」法理の「本領」ともいうべき譲渡所得課税❶が前面に出てきて、譲渡所得の課税関係を基礎づけることになると考えられるのである。 令和2年最判については、「本判決は同項[=所税59条1項]による課税が[増加益]清算課税説の、いわば『直接的な適用』によって行なわれることに立脚し、譲渡直前の譲渡人の手中にある株式の時価を基礎として、同項を適用したものである。」(佐藤・前掲「判批」9頁。下線筆者)との理解が示されているが、この理解は、みなし譲渡課税に関する上記の筆者の考え方と基本的に同じ考え方に基づくものであると解される。 なお、最後に、租税通達の「解釈」の問題について若干触れておくと、令和2年最判が、本件第一審判決と本件控訴審判決とで見解の対立のみられた通達の文言の「読み替え」の議論にコミットしなかったのは、妥当である。というのも、そもそも通達は法源ではないため、その文言の「読み替え」に法規範論的意味はなく、しかも財産評価に関する通達は法令解釈通達ではなく事実認定に関する「『適用通達』ないし『認定通達』の性質をもっている」(金子宏『租税法理論の形成と解明 下巻』(有斐閣・2010年)368頁[初出・2000年])一種の取扱通達であることからすると、裁判所としては、財産評価という事実認定に当たり、通達の定める評価方法の取扱いを問題にするだけにとどめるのが相当であると考えられるからである。令和2年最判が「譲渡所得に対する課税の場面においては、相続税や贈与税の課税の場面を前提とする評価通達の前記の定めをそのまま用いることはできず、所得税法の趣旨に則し、その差異に応じた取扱いがされるべきである。」と判示したのは、そのような意味で妥当な判断であると考えられる。   Ⅳ おわりに 今回は、令和2年最判を「譲渡所得課税の趣旨」法理の観点から検討し同最判を、同法理の創設(昭和43年最判)後における同法理をめぐる紆余曲折を経て同法理を「復権・本領発揮」させた判決として、位置づけた。 この点に関して、「本判決[=令和2年最判]を踏まえて支払利子付随費用判決[=最判平成4年7月14日民集46巻5号492頁]以来の3件の最高裁判決[=そのほか最判平成17年2月1日訟月52巻3号1034頁、最判平成18年4月20日訟月53巻9号2692頁]を振り返ると、それらがいずれも、譲渡所得の金額の計算に関する判断であったことが、改めて注目される。」(佐藤・前掲「判批」7頁)などと述べた上で下記のとおり説く見解(同頁。佐藤・前掲書146頁も参照)は、令和2年最判に関する前記の位置づけの基礎にある筆者の認識と基本的に同様の認識に基づくものであると解される。 この見解にいう「[増加益]清算課税説」は筆者のいう「譲渡所得課税の趣旨」法理を意味するものと解され、しかも同見解にいう「譲渡所得の金額の計算に関する領域」は、筆者のいう「譲渡所得課税の趣旨」法理の枠内における譲渡所得課税❷に相当し、「譲渡所得の意義に関わる問題」は同法理の枠内における譲渡所得課税❶に相当すると解されるところ、「譲渡所得の意義に関わる問題」が譲渡所得課税の可否及び範囲に具体的な影響を与える問題として判断されたのは、以下で述べるように、みなし譲渡課税に関する昭和43年最判と令和2年最判だけであると考えられる。 前記の見解で令和2年最判と「対比」されている「3件の最高裁判決」のうち、親子間ゴルフ会員権贈与事件・最判平成17年2月1日訟月52巻3号1034頁(以下「平成17年最判」という)以外の2件の最高裁判決は譲渡所得課税❷における「譲渡所得の金額の計算」に関する判断であったこと(前々回、前回参照)から、その検討は措くことにして、ここでは平成17年最判について検討しておくと、同最判は、みなし譲渡課税規定(所税59条1項)と「いわば『表裏補完』の関係」(谷口勢津夫ほか『基礎から学べる租税法〔第4版〕』(弘文堂・2025年)113頁[谷口執筆])にある取得費等の引継規定(同60条1項)の適用を問題にしていることから、昭和43年最判及び令和2年最判と同列に位置づけることができそうにも思われるが、しかし、下記の判示(下線筆者)からすると、後で述べるように、そのように位置づけることはできないと考えられる。 平成17年最判は、確かに、上記の引用判示のうち特に第2段落では、「譲渡所得課税の趣旨」法理に従い「譲渡所得の意義に関わる問題」(譲渡所得課税❶)について判断を示してはいるが、しかし、第3段落では、「譲渡所得の金額の計算に関する領域」(譲渡所得課税❷)すなわち本件では「法60条1項に基づいてされる譲渡所得の金額の計算」に関して、借入金利子取得費控除[三輪田]事件・最判平成4年7月14日民集46巻5号492頁(第57回)に従い取得費に付随費用を含めた上で、譲渡所得に対する純所得課税の考え方である譲渡益課税説ではなく、「増加益に対する純所得課税」ともいうべき独特の考え方を判示して「譲渡所得課税の趣旨」法理から「離脱」したものと解される。 平成17年最判については、正当にも、「ゴルフ会員権贈与事件の最高裁判決においては、所有者が取得の時に付随費用を支出すると資産の増加益がそれだけ減る、と考えられていることになるが、人が名義書換料のような支出をすることが資産の価値(増加益)そのものに影響を与えるとは考えられない。」(佐藤・前掲書145頁)と指摘して「清算課税説からの一定の乖離」(同頁)を説く見解があるが、その見解も同最判を昭和43年最判及び令和2年最判と同列に位置づけてはいないと考えられるのである。 そうすると、譲渡所得課税に関する従来の判例では、「譲渡所得課税の趣旨」法理の「本領発揮」は、やはり、みなし譲渡課税の場面においてのみ認められることになろう。令和2年最判は、その意味で、「譲渡所得課税の趣旨」法理の「本領発揮」の範囲ないし同法理の本来の射程を明らかにした判決として、意義を有すると考えるところである。 (了)
#679(掲載号)
#谷口 勢津夫
2026/07/30
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〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第48回】「別表6(24) 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(24)付表一 給与等支給額、比較教育訓練費の額及び翌期繰越税額控除限度超過額の計算に関する明細書」~令和8年度税制改正に伴う様式の改訂~

〈事例で学ぶ〉 法人税申告書の書き方 【第48回】 「別表6(24) 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(24)付表一 給与等支給額、比較教育訓練費の額及び翌期繰越税額控除限度超過額の計算に関する明細書」 ~令和8年度税制改正に伴う様式の改訂~   税理士 柴田 知央   Ⅰ はじめに 実務でも適用する企業が多いと思われる、いわゆる「賃上げ促進税制」のうち中小企業向けの記載の仕方を取り上げる。 別表番号は、昨年と同様に「6(24)、6(24)付表一」を用いるが、令和8年度税制改正により6(24)の様式が改訂されている。   Ⅱ 制度の概要 本制度は、青色申告書を提出する法人が、令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、国内雇用者に対して支給する給与等を増額した場合、一定の要件を満たすときは、その増加額の一部を法人税額から控除することができる制度である(措置法42の12の5)。 令和8年度税制改正では、全法人向け(大企業向け)の規定が、1年前倒しされ、令和8年3月31日をもって廃止された。 一方、中堅企業向けの規定は令和9年3月31日をもって廃止される。 また、中小企業向けの規定は、現状、適用期限である令和9年3月31日までであるが、期限到来時に適用状況を踏まえ必要な見直しが検討される見込みである。 その他、中堅企業向けの規定では適用要件や控除率の見直しが行われ、また、本制度について教育訓練費の増加割合による上乗せ措置が廃止されている。 中小企業者は、第1項も選択することも可能であるが、適用要件や上乗せ措置要件の基準などから選択することは少ないと考えられる。 したがって、第2項について、制度の内容をみていくこととする。 ◆新制度の適用期限 (※1) その企業及びその企業との間にその企業による支配関係がある企業の従業員数の合計が1万人を超えるものを除く。 ◆中堅企業(※2)向けの適用要件と控除率の見直し (※2) 資本金10億円以上かつ従業員数1,000人以上の企業は、マルチステークホルダー方針の公表及びその旨の届出が必要。 ◆中小企業向けの控除率の見直し (1) 適用対象者 中小企業向けの措置の適用対象者は、青色申告書を提出する中小企業者又は農業協同組合等である(措置法42の4④、⑲七、八、九、措置法令27の4⑰)。 中小企業者とは、下記に掲げる法人をいう。 ただし、中小企業者に該当することとなっても、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円超である適用除外事業者に該当する場合には、中小企業向けの措置は適用できない。 (2) 適用要件 適用要件は、下記の①及び②の要件である。 雇用者給与等支給額は、適用年度の損金の額に算入される国内雇用者に対する所得税法第28条第1項に規定する給与等の支給額から給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額を除く)を控除した金額をいい、比較雇用者給与等支給額は、前事業年度における雇用者給与等支給額をいう。 (3) 税額控除限度額 税額控除限度額は、下記により計算した金額が法人税額から控除される。ただし、控除額の上限は法人税額の20%相当額となる。 控除対象雇用者給与等支給増加額は、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を差し引いた金額である。ただし、調整雇用者給与等支給増加額が上限となる。 控除率は通常の控除率15%に加えて、雇用者給与等支給額の増加割合が2.5%以上の場合には15%、くるみん以上又はえるぼし2段階目以上の認定を受けた場合には5%の控除率が上乗せされる。 ◆中小企業向け措置の控除率(令和8年4月1日以後に開始する事業年度) くるみん及びえるぼしは、それぞれ、次世代育成支援対策推進法及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき厚生労働大臣の認定を受けた証である。 詳細は、厚生労働省のウェブサイトを参照いただきたい。 くるみん以上又はえるぼし2段階目以上の認定を受けた場合とは、下記の場合をいう。 プラチナくるみん認定及びプラチナえるぼし認定は、適用年度の期末時点で、特例認定一般事業主に該当すれば上乗せ措置がある。しかしながら、これら以外では、認定を受けた適用年度のみ上乗せ措置がある。 (4) 繰越税額控除制度 中小企業向けの措置として、第2項(改正前:第3項)を適用した中小企業者等がその事業年度において法人税から控除することができなかった未控除額を翌事業年度以降、5年間繰り越すことができる制度が設けられている(措置法42条の12の5③)。 繰越控除を受けようとする事業年度では、雇用者給与等支給額が前事業年度より増加している場合に限り税額控除が適用される。 ◆イメージ図 なお、本制度の詳細は、中小企業庁のウェブサイトの「中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック(令和8年5月1日更新版)」を参照いただきたい。   Ⅲ 「別表6(24)」及び「別表6(24)付表一」の書き方と留意点 (1) 設例 (2) 今回の別表が適用される事業年度 令和8年4月1日以後終了する事業年度。 (3) 別表の記載例 ※画像をクリックすると、別ページでPDFが開きます。 (4) 別表の各記載欄の説明 〇適用可否の判定 まず、別表6(24)〔1欄〕から〔3欄〕までに本制度が適用できる法人か否かの判定を行う。 〇適用事業年度の雇用者給与等支給額等の計算 続いて、別表6(24)付表一の〔1欄〕から〔5欄〕で適用事業年度の雇用者給与等支給額等を計算する。 〇比較雇用者給与等支給額等の計算 別表6(24)付表一の〔6欄〕から〔12欄〕で比較雇用者給与等支給額等を計算する。 〇雇用者給与等支給増加割合の計算 別表6(24)に戻り、〔4欄〕から〔7欄〕で雇用者給与等支給増加割合を計算する。 〇調整雇用者給与等支給増加額の計算 別表6(24)〔8欄〕から〔10欄〕で調整雇用者給与等支給増加額を計算する。 〇税額控除限度額の基礎となる差引控除対象雇用者給与等支給増加額を計算 別表6(24)〔20欄〕から〔22欄〕で、税額控除限度額の計算の基礎となる差引控除対象雇用者給与等支給増加額を計算する。 〇中小企業者等税額控除限度額の計算 租税特別措置法第42条の12の5第2項の適用を受ける場合には、別表6(24)〔38欄〕から〔40欄〕で税額控除限度額を計算する。 〇当期税額控除額の計算 別表6(24)〔41欄〕から〔45欄〕で、当期による分の税額控除額を計算する。 〇前期繰越分による繰越税額控除額を計算 〔46欄〕から〔50欄〕までは、前期から繰り越された繰越税額控除限度超過額を当期に控除するときに使用する。 〇法人税額の特別控除額を計算 〇翌期繰越税額控除限度超過額の計算 別表6(24)付表一の〔25欄〕から〔27欄〕で、翌期に繰り越す税額控除限度超過額を計算する。 〇適用額明細書の記載 本措置を適用した場合の適用額明細書への記載は次のとおりである。 当期分と前期繰越分では条項が異なるため分けて記載する。 《当期分の控除額》 《前期繰越分を当期に控除した額》   (了)
#679(掲載号)
#柴田 知央
2026/07/30
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[令和8年度税制改正解説]関連者間取引に係る書類の整理保存の特例創設の影響と実務対応 【後編】「改正による影響と実務上の留意点」

  ←(前編) 【後編】では、【前編】に引き続き関連者間取引に係る書類の整理保存の特例措置の具体的内容を確認した上で、改正による影響及び実務上の留意点について確認する。   3 関連者間取引に係る書類の整理保存の特例措置(承前) (7) 関連者間取引及び記載事項 関連者間取引とは、次の取引(販売費、一般管理費その他の費用の額の基因となるものに限る)をいい、次の記載事項が必要となる(法規59の2①)。 関連者間取引 記載事項 その関連者が対象法人に対して行う工業所有権等(工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの、著作権、プログラム)の譲渡又は貸付け(工業所有権等に係る権利の設定等その関連者がその内国法人に工業所有権等を使用させる行為を含む) その譲渡又は貸付けに係る工業所有権等の明細、対象法人において果たす機能、対価の額の明細及びその対価の額の設定方法 関連者が対象法人に対して行う役務の提供 ① 次のいずれかの事業活動で、その事業活動に要する費用の全部又は一部を対象法人が負担することを定めている契約又は協定に基づき行うもの イ 関連者が有する産業、商業又は学術に関する知識経験等その関連者が有する経営資源を活用して行われる研究開発、広告宣伝等の事業活動 ロ 専用資産(専ら対象法人及び関連者の事業の用に供することを目的とする資産をいう)をその内国法人に使用させる行為並びにその専用資産の維持及び管理 その契約又は協定に基づいて行ったその事業活動の内容及びその契約又は協定に基づき対象法人が負担することとなる費用の額の計算方法 ② 関連者が対象法人に対して行う経営の管理又は指導、情報の提供等の役務の提供でその関連者が有する産業、商業又は学術に関する知識経験に基づき行うもの その役務の提供の明細及び内容並びにその役務の提供に係る対価の額の明細及び計算の方法 ③ 上記①及び②の役務の提供に類するもの その役務の提供の明細及び内容並びにその役務の提供に係る対価の額の明細及び計算の方法 (8) みなし関連者間取引 関連者が非関連者に対して行う譲渡等取引(工業所有権等の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供)につき、その工業所有権等又は役務があらかじめ契約等によって対象法人に移転・提供することが決まっており、かつ、その対価が対象法人と関連者との間で実質的に決定されていると認められるときは、対象法人と非関連者との取引であっても関連者間取引とみなされる(法規59の2⑦)。 (9) 記載事項の取得及び書類作成が必要となる場合 関連者間取引に関して受領し、若しくは交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類(自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写しを、これらの書類の作成に代えて電磁的記録が作成されている場合にはその電磁的記録を含む)で、法令の規定により保存義務がある書類に上記事項の記載がないときは、その関連者間取引を行った事業年度の確定申告書提出期限までに、未記載事項(特定事項)を明らかにする書類(特定事項記載書類)の取得又は作成しなければならない。なお、特定事項記載書類は、起算日(書類の作成又は受領日の属する事業年度終了の日の翌日から2ヶ月を経過した日)から7年間保存が必要とされる(法規59の2①)。   4 改正による影響 改正により、関連者間取引の棚卸しを行い、対象となる役務提供や無形資産取引を洗い出した上で、契約書や請求書などの既存資料に、譲渡等の内容、役務内容や対価算定方法などの記載事項が十分でない場合には、それを補完する特定事項記載書類を別途作成・保存しなければならない。本改正の影響は大企業にとどまらず、中小企業にも及ぶ点に留意が必要である。 仮に書類が保存されていない場合は、青色申告の承認の取消事由となり得るため、実際に承認が取り消された場合、欠損金の繰越控除・繰戻還付、各種税額控除や特別償却といった優遇措置が適用できなくなる。 さらに、白色申告法人となった場合には、推計課税の対象となり得るため、税務調査時に課税標準等を推計されて更正等の処分を受けるリスクがある点にも留意が必要である。   5 実務上の留意点 実務上まず気を付ける点は、関連者の範囲の広さである。形式的な資本関係だけでなく実質支配関係も確認する必要があり、かつ、移転価格税制と異なり外国法人に限定されないため、関連者には内国法人も含まれることとなる。 次に注意すべき点は、契約書が存在することだけでなく、税務上、必要な記載事項があるかという点である。特に中小企業では、簡易な契約書で運用しているケースが非常に多く見られ、実際にどのような役務が提供され、その対価がどのような根拠・計算方法で決定されたのかまで明記しているケースは稀であるため、契約書の文言整備だけではなく、周辺資料も含めて保存体制を整える必要がある。 実務対応としては、単年度の対応ではなく、関連者間取引ポリシーをグループ全体で整備することが重要である。どのような取引について契約書を作成するのか、どの資料を保存するのか、対価をどのように決定するのか、誰がそれを確認するのかを明文化し、継続的に運用する必要がある。   (連載了)
#679(掲載号)
#川瀬 裕太
2026/07/30
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グループ企業の税務Q&A 【第7回】「通算グループ外の法人との分割が行われた場合」

グループ企業の税務Q&A 第 7 回 通算グループ外の法人との分割が行われた場合 太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター/税理士 川瀬 裕太   ◆ ◆ ◆〈解説〉◆ ◆ ◆ 1 共同事業を行うための適格分割の要件 資本関係がない法人と分割する場合、下記の共同事業を行うための適格分割の要件を満たす必要があります(法法2十二の十一、法令4の3⑧)。 (1) 金銭等不交付要件 金銭等不交付要件とは、分割法人の株主に分割承継法人株式以外の資産が交付されないことをいいます。 (2) 従業者引継要件 従業者引継要件とは、分割直前の分割事業の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が分割の後に分割承継法人の業務に従事することが見込まれていることをいいます。 (3) 事業継続要件 事業継続要件とは、分割事業が分割の後に分割承継法人において引き続き行われることが見込まれていることをいいます。 (4) 主要資産負債引継要件 主要資産負債引継要件とは、分割により分割事業に係る主要な資産及び負債が分割承継法人に移転していることをいいます。 (5) 事業関連性要件 事業関連性要件とは、分割事業と分割承継法人の分割前に行ういずれかの事業とが相互に関連するものであることをいいます。 (6) 事業規模要件又は経営参画要件 事業規模要件とは、事業関連性要件を満たす対象事業それぞれの売上金額、従業者の数、若しくはこれらに準ずるものの規模の割合がおおむね5倍を超えないことをいいます。 経営参画要件とは、分割前の分割法人の役員等のいずれかと分割承継法人の特定役員のいずれかとが、分割後に分割承継法人の特定役員となることが見込まれていることをいいます。 (7) 株式継続保有要件 株式継続保有要件は、分割により交付される分割承継法人株式の全部が分割法人により継続して保有されることが見込まれていることをいいます。   2 分割承継法人の繰越欠損金の使用制限 (1) 法人税の繰越欠損金 完全支配関係又は支配関係がある適格分割のうち、次のいずれにも該当しない適格分割については、分割承継法人の未処理欠損金額の使用が制限されます(法法57④、法令112⑨⑩)。 (※) 欠損金利用を目的に法人を設立する等一定の場合が除かれています(法令112④⑨)。 したがって、共同事業を行うための適格分割については、分割承継法人の未処理欠損金額の使用が制限されません。 (2) 住民税の繰越欠損金(控除対象通算適用前欠損調整額、控除対象通算対象所得調整額、控除対象配賦欠損調整額) 分割承継法人の未処理欠損金額の使用を制限する規定はありません。 (3) 事業税の繰越欠損金 完全支配関係又は支配関係がある適格分割のうち、次のいずれにも該当しない適格分割については、分割承継法人の未処理欠損金額の使用が制限されます(法法57④、法令112⑨⑩、地令20の3)。 (※) 欠損金利用を目的に法人を設立する等一定の場合が除かれています(法令112④⑨)。 したがって、共同事業を行うための適格分割については、分割承継法人の未処理欠損金額の使用が制限されません。   3 適格分社型分割を行った場合の分割法人の取扱い (1) 資産負債の譲渡 適格分社型分割があった場合の分割法人から分割承継法人への資産・負債の移転は、分割直前の帳簿価額による譲渡とされ、分割法人において譲渡損益は生じないこととされています(法法62の3①)。 (2) 分割承継法人株式の取得価額 適格分社型分割により、分割法人が取得する分割承継法人株式の取得価額は、分割直前の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を減算した金額に付随費用を加算した金額とされています(法令119①七)。   4 本件へのあてはめ 資本関係がない通算グループ外の法人A社を分割法人、P社を分割承継法人とする適格分社型分割を行う予定とあり、本件分割は、共同事業を行うための適格分割の要件を満たす必要があります。 完全支配関係又は支配関係がある適格分割のうち、一定のものについては、分割承継法人の法人税及び事業税の未処理欠損金額の使用が制限されていますが、本件分割は、共同事業を行うための適格分割に該当し、分割承継法人P社の法人税及び事業税の未処理欠損金額の使用が制限されません。 なお、分割承継法人P社の住民税の未処理欠損金額の使用を制限する規定はありません。 適格分社型分割があった場合の分割法人A社から分割承継法人P社への資産・負債の移転は、分割直前の帳簿価額による譲渡をしたものとされるため、A社において譲渡損益は生じません。また、適格分社型分割により、A社が取得するP社株式(分割承継法人株式)の取得価額は、分割直前の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を減算した金額に付随費用を加算した金額となります。   (了)
#679(掲載号)
#川瀬 裕太
2026/07/30
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