「消費税の取扱事項」に関する
法人間契約の注意点と対応策
【第3回】
(最終回)
「請求者と支払者との税率の齟齬が生じる場合の対応策と法的問題点」
弁護士・税理士 米倉 裕樹
請求者と支払者との間で消費税率の齟齬が生じる場合としては、例えば、以下のような場合が想定される。
〔事例1〕 課税資産の販売等
- 販売側が平成26年3月31日に出荷基準にて課税資産の譲渡を行う場合・・・5%
- 仕入側が平成26年4月2日に検収基準にて課税資産の譲渡を受ける場合・・・8%
〔事例2〕 リース料
所有権移転外ファイナンス・リース取引に関し、長期割賦販売等の特例に係る経過措置の要件を満たす一方で、国税庁質疑応答事例『所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い』に従い、レッシーにおいて賃貸借処理を行っている場合
- 《レッサー(リース会社)》
平成26年4月1日以降のリース料・・・5% - 《レッシー》
平成26年4月1日以降のリース料・・・8%
〔事例3〕 未成工事支出金
本体工事の発注者をA、受注者をBとし、受注者Bが下請業者Cに対して本体工事の一部を下請けさせる場合において、本体工事の目的物の引渡日が平成26年5月1日、下請工事の役務の提供完了日が平成26年3月1日とする。この場合、国税庁タックスアンサー『未成工事支出金の仕入税額控除の時期』に従い、受注者Bにおいて未成工事支出金として経理した金額を本体工事による目的物の引渡しをした課税期間の課税仕入れとすることを継続して適用している場合
- 下請業者Cの課税売上・・・5%(役務の提供完了日が平成26年3月1日であるため)
- 受注者B・・・8%(平成26年5月1日が属する課税期間での課税仕入とするため)
上記〔事例1〕から〔事例3〕では、いずれの場合においても、請求者は5%での課税売上、支払者は8%での仕入税額控除を行えそうであり、一見、請求者と支払者との間で消費税率の齟齬が生じている。
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