公開日: 2014/01/16 (掲載号:No.52)
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「消費税の取扱事項」に関する法人間契約の注意点と対応策 【第2回】「工事進行基準の特例(経過措置)の適用に関する留意点」

筆者: 米倉 裕樹

「消費税の取扱事項」に関する

法人間契約の注意点と対応策

【第2回】

「工事進行基準の特例(経過措置)の適用に関する留意点」

 

弁護士・税理士 米倉 裕樹

 

指定日(平成25年10月1日)から施行日(平成26年4月1日)の前日までに請負契約が締結されていることを前提に、法人税法上、工事進行基準が強制適用される長期大規模工事、または工事進行基準の任意適用を受ける場合において、消費税法上も、収入金額が計上された事業年度終了の日の属する課税期間においてその部分につき資産の譲渡等を行ったとする特例の適用を受ける場合(消費税法17①②)、工事着手日から施行日の前日までの期間に対応する請負代金(下記計算式(A))と、施行日から目的物の引渡日(または役務提供完了日)までの期間に対応する請負代金(下記計算式(B))に関し、(A)については5%、(B)については8%の税率が適用される(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則7、消費税法施行令の一部を改正する政令(平成25年3月13日公布・政令第56号)附則9)

工事等の請負契約において前渡金、中間前払金等の授受が行われる場合、請負契約締結時での見込み計算に従い、施行日までに授受する前渡金や中間前払金等に係る消費税率をすべて5%として請負業者が発注者から授受したとする。

ところが、工事の進捗が遅滞した場合には、上記計算式に従って算出された5%として受領すべき請負工事代金(A)が、当初の見込み計算金額よりも少なくなる結果、すでに受領済みの前渡金、中間前払金等の一部に関し、5%ではなく8%の消費税率が適用され、差額3%相当額の精算を行わなければならない事態が生じる。

そのような事態に備え、あらかじめ締結しておくべき合意書の雛形は、例えば、以下のようなものとなる。

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「消費税の取扱事項」に関する

法人間契約の注意点と対応策

【第2回】

「工事進行基準の特例(経過措置)の適用に関する留意点」

 

弁護士・税理士 米倉 裕樹

 

指定日(平成25年10月1日)から施行日(平成26年4月1日)の前日までに請負契約が締結されていることを前提に、法人税法上、工事進行基準が強制適用される長期大規模工事、または工事進行基準の任意適用を受ける場合において、消費税法上も、収入金額が計上された事業年度終了の日の属する課税期間においてその部分につき資産の譲渡等を行ったとする特例の適用を受ける場合(消費税法17①②)、工事着手日から施行日の前日までの期間に対応する請負代金(下記計算式(A))と、施行日から目的物の引渡日(または役務提供完了日)までの期間に対応する請負代金(下記計算式(B))に関し、(A)については5%、(B)については8%の税率が適用される(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則7、消費税法施行令の一部を改正する政令(平成25年3月13日公布・政令第56号)附則9)

工事等の請負契約において前渡金、中間前払金等の授受が行われる場合、請負契約締結時での見込み計算に従い、施行日までに授受する前渡金や中間前払金等に係る消費税率をすべて5%として請負業者が発注者から授受したとする。

ところが、工事の進捗が遅滞した場合には、上記計算式に従って算出された5%として受領すべき請負工事代金(A)が、当初の見込み計算金額よりも少なくなる結果、すでに受領済みの前渡金、中間前払金等の一部に関し、5%ではなく8%の消費税率が適用され、差額3%相当額の精算を行わなければならない事態が生じる。

そのような事態に備え、あらかじめ締結しておくべき合意書の雛形は、例えば、以下のようなものとなる。

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連載目次

筆者紹介

米倉 裕樹

(よねくら・ひろき)

弁護士・税理士

【経歴等】
立命館大学法学部卒
1999年大阪弁護士会登録(第51期)
弁護士法人北浜法律事務所 パートナー弁護士
近畿弁護士会連合会税務委員会委員長(平成27年5月~同29年4月)

【著書・論文等】
相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル」(清文社2018年出版)共著
弁護士と税理士の相互質疑応答集」(清文社2017年出版)編者・共著
税理士が実際に悩んだ相続問題の法務と税務」(清文社2014年出版)
有利な心証を勝ち取る民事訴訟遂行」(清文社2015年出版)
「弁護士は民事裁判をどう見ているか(調査結果の分析)」(日本弁護士連合会「自由と正義」共著、2013年8月号)
「Doing Business in Japan」(53版改訂版以降、執筆担当Consumption Tax(消費税)共著、LexisNexis社、2013年~)
そこが危ない!消費増税をめぐる契約実務Q&A」(清文社2013年出版)等

  
 

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