私が出会った[相続]のお話
【第11回】
「税理士の皆さまに求めたい『いざ相続!』前の日常対策」
~漏れのない対応が結果として自分を助けることに~
財務コンサルタント
木山 順三
すでに実務に携わっておられる税理士の皆さまは、何人(何十人?)もの顧問先を有しておられると思いますが、その中で、主に法人に関わる保有資産状況については比較的クリアになっているものの、個人の保有資産については意外とクリアになっていない、顧問税理士が把握できていないケースがあるのではないでしょうか。
つまり、クライアントから隠されてしまっているわけです。
私の経験上も、資産家の方から「これは顧問税理士には内緒だから!」と言われたことがよくありました。
ただし「いざ相続!」のためには、あらかじめ保有資産のチェック等をできる状態にしておかなければなりません。そのことが当家の相続対策、すなわち事前の交通整理作業(詳しくはこれまでの連載をご覧ください)へとつながり、結果として税理士自身の手助けともなるわけです。
したがって、税理士の務めとしては、いつ何時、万一の事態があってもよいように、常日頃からクライアントに対し次のような対応を指導しておかなければなりません。
〈対応その1〉
「財産明細表」の作成と年に一度の更新を徹底
クライアントは年配になればなるほど、ご自身の財産を管理するのがおっくうになりがちです。
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