公開日: 2015/09/17 (掲載号:No.136)
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〈要点確認〉非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度~昨今の事業承継税制等をめぐる改正事項~ 【第2回】「平成25年度税制改正事項の確認」

筆者: 瀧尻 将都

〈要点確認〉

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度

~昨今の事業承継税制等をめぐる改正事項~

【第2回】

「平成25年度税制改正事項の確認」

 

エアーズ税理士法人
税理士 瀧尻 将都

 

平成25年度税制改正において、事業承継税制(非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例)の改正が行われた。

平成21年の制度創設以来4年余りで、適用件数が数百程度に過ぎず、利用が伸び悩んでいたことから、制度利用の促進を図るため、要件の緩和、手続きの簡素化、負担の軽減を中心とした改正が行われた。ただし、その一方では租税回避を防止するため、資産管理会社の要件を厳しくするなどの措置が講じられている。

この改正は平成27年1月1日以降に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する非上場株式等に係る相続税又は贈与税について適用されているが、前回冒頭で述べたとおり、2年前の改正事項であることから、内容の漏れがないよう留意しなければならない。

今回はこれらの改正事項について解説していくこととする。

 

1 名称変更(相続税・贈与税)

従来の「~の納税猶予」から「~の納税猶予及び免除」に名称変更が行われた。

▷解説

事業承継の際、一定の要件を満たすと相続税や贈与税が猶予され、猶予されている間に一定の場合に該当すると、納税が「免除」される制度であるため、制度の内容を明確に示す趣旨から名称の改正が行われた。

 

2 要件の緩和

① 親族外承継の対象化(相続税・贈与税)

(改正前)
  • 後継者は、先代経営者の親族に限定
(改正後)
  • 親族外承継も対象化

▷解説

中小企業の後継者不足が問題となり、親族外承継が中小企業事業承継の有力な選択肢と期待されている中、従来は、先代経営者の親族に限定して適用される制度であったため、親族外承継を難しくする要因の一つになっているとの指摘があった。

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〈要点確認〉

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度

~昨今の事業承継税制等をめぐる改正事項~

【第2回】

「平成25年度税制改正事項の確認」

 

エアーズ税理士法人
税理士 瀧尻 将都

 

平成25年度税制改正において、事業承継税制(非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例)の改正が行われた。

平成21年の制度創設以来4年余りで、適用件数が数百程度に過ぎず、利用が伸び悩んでいたことから、制度利用の促進を図るため、要件の緩和、手続きの簡素化、負担の軽減を中心とした改正が行われた。ただし、その一方では租税回避を防止するため、資産管理会社の要件を厳しくするなどの措置が講じられている。

この改正は平成27年1月1日以降に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する非上場株式等に係る相続税又は贈与税について適用されているが、前回冒頭で述べたとおり、2年前の改正事項であることから、内容の漏れがないよう留意しなければならない。

今回はこれらの改正事項について解説していくこととする。

 

1 名称変更(相続税・贈与税)

従来の「~の納税猶予」から「~の納税猶予及び免除」に名称変更が行われた。

▷解説

事業承継の際、一定の要件を満たすと相続税や贈与税が猶予され、猶予されている間に一定の場合に該当すると、納税が「免除」される制度であるため、制度の内容を明確に示す趣旨から名称の改正が行われた。

 

2 要件の緩和

① 親族外承継の対象化(相続税・贈与税)

(改正前)
  • 後継者は、先代経営者の親族に限定
(改正後)
  • 親族外承継も対象化

▷解説

中小企業の後継者不足が問題となり、親族外承継が中小企業事業承継の有力な選択肢と期待されている中、従来は、先代経営者の親族に限定して適用される制度であったため、親族外承継を難しくする要因の一つになっているとの指摘があった。

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連載目次

筆者紹介

瀧尻 将都

(たきしり・まさと)

エアーズ税理士法人
税理士

会計事務所の勤務を経て税理士登録。その後、エアーズ税理士法人に参加。
現在一般企業の税務顧問を担当するとともに、事業承継支援や企業再編支援などのコンサルティング業務にも従事している。また、事業承継に関するセミナーの講演など多数務め、企業実務に役立つ実践的な支援を行っている。

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