税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第68回】「定期建物賃貸借契約の基本的な仕組みと不動産鑑定の関わり(その1)」
前回まで定期借地権の話題が3回続きましたので、今回から定期建物賃貸借(定期借家)の話題を取り上げてみたいと思います。
鑑定評価においても、特に収益還元法を適用して賃貸不動産(鑑定評価上の用語でいえば「貸家及びその敷地」)の価格を試算する場合に、その前提となる家賃に関する資料を収集しますが、その際に、対象建物が普通建物賃貸借に供されているのか、あるいは定期建物賃貸借に供されているのかを確認します。その意味で、賃貸借契約の形態を確認することは鑑定評価においても基本中の基本となっています。
そこで、今回は、不動産鑑定士の行う「対象不動産の確認」という意味から、定期建物賃貸借契約の基本的な仕組みについて述べていきます。
《税理士のための》登記情報分析術 【第27回】「相続登記について」~遺言書に基づく相続登記~
いわゆる「終活」に対する意識の高まりなどもあり、被相続人が遺言を残しているケースが増えている印象がある。遺産に不動産がある場合には、遺言に基づいて相続登記を行うことになるが、遺言の記載内容によってはスムーズに登記ができないこともある。本稿ではスムーズに相続登記が行えない遺言の事例などを紹介しつつ、遺言と相続登記についてのポイントについて解説をする。
〈Q&A〉税理士のための成年後見実務 【第21回】「成年後見制度の改正」~法定後見開始の要件、効果等の見直し~
成年後見制度の改正議論では、かなり大きな改正が行われるため制度の枠組み自体を学びなおす必要があると聞きました。どのように変わっていくのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例69】「別荘地の管理契約と管理費負担に関する問題」
私は、父から別荘地を相続しました。その後、別荘地の管理業者から管理費の請求を受けました。私は、その管理業者と契約を結んだ覚えはなく、父も契約していなかったはずです。別荘も建てておらず、土地も全く利用していません。それでも支払わなければならないのでしょうか。
管理会社の話では、「契約がなくても支払義務を認めた最高裁判例がある」とのことです。なぜそのような結論になるのでしょうか。
〈2026年1月施行〉下請法改正と企業対応のポイント【後編】「改正に伴い企業が注意すべきポイント」
本連載の【前編】では、2026年1月に施行となる下請法改正の概要について解説した。【後編】では、改正に伴う企業対応において注意すべきポイントを確認する。
〈2026年1月施行〉下請法改正と企業対応のポイント【前編】「下請法改正の概要」
2025年5月16日、下請法の改正法案が衆議院本会議において可決、成立した。
改正の主な目的は、近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を背景に、中小企業をはじめとする事業者が物価上昇を上回る賃上げを実現するためには、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を図っていくことが重要だという点にある。かかる改正法の目的から、2026年の春闘を見据えた中小企業の賃上げ原資の確保につなげるため、改正法の施行日は2026年1月1日とされており、事業者は早急な対応が必要となるが、改正法は下請法の適用範囲を拡大するとともに、親事業者による禁止行為も拡充するなど、実務への影響は小さくない。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第67回】「定期借地権設定契約に登場する前払地代方式の特徴」
定期借地権設定契約を締結する際に、権利金や保証金に代えて前払地代方式を採用するケースが増えています。
前払地代方式とは、文字どおり地代の一部または全部を一括して前払いする方式です。
税理士の方々を前にこのようなお話をするのは恐縮ですが、前払方式が適用されている契約では税務処理に特徴がみられるため、不動産鑑定士としても関心を集めるところとなっております。
今回は、定期借地権設定契約に登場する前払地代方式の特徴と鑑定評価のかかわりについて述べてみたいと思います。
《税理士のための》登記情報分析術 【第26回】「相続登記について」~遺産分割協議書の作成~
相続人の確定や財産調査が終われば遺産の名義変更などの承継手続を行っていくことになる。遺言書があれば遺言書に基づいて行うことになるが、ない場合には遺産分割を行うことになる。税務申告のために税理士が遺産分割協議書の作成をサポートすることがあると思われるが、不動産の名義変更である相続登記の観点から注意点を解説する。
〈Q&A〉税理士のための成年後見実務 【第20回】「成年後見制度の改正」~主な改正ポイント~
成年後見制度の改正が議論されていると聞きましたが、現在どの程度議論が進んでいるのでしょうか。また改正の方向性としてはどのようなものになるのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例68】「第三者が参加した共有関係の解消に関する留意点」
私は、父から相続した土地建物を兄弟2名と共有しています。兄は、兄弟間で遺産分割を行わないまま居住していましたが、現在は認知症のため施設に入所しており、成年後見人も選任されています。ある日、弟から遺産分割の提案を受け協議を行っておりますが、現時点では条件面で合意に至っていません。弟は、不動産業者への共有持分の売却も示唆していますが、どのような法的問題があるでしょうか。