〔小説〕『東上野税務署の多楠と新田』~税務調査官の思考法~ 【第6話】「崖っぷちの男」
ただし、多楠には気になることがあった。
先ほどの概況で、「部長」という肩書は付いているが、経理は吉本1人で担当しており、しかも店舗の責任者を兼ねている。あとは週3回程度出てきて書類の整理をするパートの女性がいるだけと聴いた。
“この会社は、経理面が弱体、記帳が追いついていないのではないか?”
此の国にも『日本企業』! 【第2回】「《ナイジェリア》 諦めない想いが繋いだ挑戦 ~(株)アンカーネットワークサービス~」
今回取り上げた(株)アンカーネットワークサービス(以下、アンカー社)は、正規のMicrosoft Windowsを中古パソコンにインストールして販売する、いわば再生PCの正規販売事業者なのですが、限りある地球の資源を大切に使うことを社是とする、環境社会配慮型の会社でもあります。
そんなアンカー社がなぜナイジェリアでビジネスを始めたかというと、そこには人と人との出会いと縁があったとしか言いようがありません。
〔小説〕『東上野税務署の多楠と新田』~税務調査官の思考法~ 【第5話】「単独調査」
新田の調査件数が年間30数件、多楠に割り当てられた調査件数は約半分の17件、10月半ばの時点で2人合わせて15件ほどの調査に着手していた。
今までは、新田の案件であろうと多楠の案件であろうと差異なく、準備調査書の作成や調査先での事業概況の聴き取りなど、多楠が担当するという進め方をしていた。調査1年目の研修の合間を縫って調査に出るといった結構ハードなスケジュールなのであった。
女性会計士の奮闘記 【第25話】「はじめの一歩は問題だらけの決算書」
意気揚々とP子の事務所を退職したM子でしたが、辞めてすぐに気づいたことがありました。
〔M子〕独立の準備のこと、P子先生に何も聞いてなかった・・・
此の国にも『日本企業』! 【第1回】「《カンボジア》 時計の小売業で勝負する~(株)ナガサワ~」
2014年6月、カンボジアの首都・プノンペンを流れるトンレサップ川にほど近く、市内中心部から車で5分もかからない所に「イオンモールプノンペン」がオープンしました。経済規模から言っても、イオンモールクラスの大規模商業施設の開設は時期尚早ではないかと危ぶむ声もあった中で、開業当初から連日多くの人出で賑わっており、特に集客の面においては、周辺諸国の例を上回るほどの実績をあげているのだそうです。
〔小説〕『東上野税務署の多楠と新田』~税務調査官の思考法~ 【第4話】「追及」
時間になり、2人は会社を辞した。
100メートルほど歩き路地を曲がったところで、新田がポツリと言った。
「裏は取れた。」
夕方のまだ真夏の熱風が収まらないなか、2人の調査官は署へ戻った。
〔小説〕『東上野税務署の多楠と新田』~税務調査官の思考法~ 【第3話】「売上急増、所得低調」
新田は、準備調査書の上りがギリギリになったことについては一切触れず、調査書をパラパラめくりながら、多楠の方を見向きもせずに言った。
「この会社の問題点、一言でいうとなんだ。」
女性会計士の奮闘記 【第24話】「社長の決断。そしてM子の決断。」
〔社長〕先月のP子先生の話を聞いたあと、いろいろ考えたんだが・・・
〔P子〕どうされました?
〔社長〕家内の両親の相続も終えたことだし、わしもそろそろ息子に会社を譲ろうかと。
私が出会った[相続]のお話 【第12回】「税理士としての喜びを実感できるのが相続業務」~画一的なコンサルタント像はありえない~
そんなコンサル業務の心構えの「原点」は、かつて銀行のコンサルタント時代に聞いた、当時の社長からの財務コンサルタントへの訓示でした。
それからの私はコンサルタントとして業務を行う際に、常に意識してその訓示を心がけてきました。そして、指導者として銀行の新任財務コンサルタントの研修の際には、必ずこの話を披露してきました。