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相続税の実務問答 【第108回】「遺産分割期限の延長が認められるやむを得ない事情」

姉は20年前に両親の反対を押しきって義兄と結婚し、以後、実家には寄り付かなくなりました。母が亡くなった時に姉に連絡しましたが、姉は葬儀に来ませんでした。母が亡くなってから半年くらい経ったときに、母の遺産の分割協議を行いたい旨を姉に連絡してみましたが、「まだ、その気になれない。」との簡単な返事が返ってきただけでした。
そこで、税理士に委任して、法定相続分の割合で相続税の申告をしてもらいました。その後、姉とは連絡を取っていません。
間もなく相続税の申告期限から3年が過ぎてしまいますが、小規模宅地等の特例を受けるつもりであれば、遺産分割ができない「やむを得ない事情」について税務署長の承認を受けなければならないとのことです。今日まで遺産分割協議ができなかったのは、お互いの感情的な問題に起因しているといえます。私の場合、この承認を受けることができますか。

#No. 623(掲載号)
# 梶野 研二
2025/06/19

〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第1回】「令和6年以降の贈与で、申告期限内に相続時精算課税選択届出書のみを提出した後に申告漏れの財産があった場合又は評価誤りがあった場合の対応」

甲は令和6年7月に父から現金100万円の贈与を受けた。甲は相続時精算課税制度を適用するため、令和7年3月の贈与税申告において贈与金額が相続時精算課税に係る基礎控除額以下であることから「相続時精算課税選択届出書」のみを提出した。
その後、令和7年4月になり、甲は令和6年中に父から別途500万円の贈与を受けていたことが判明した。
この場合に贈与税の申告、納税はどうなるのか。

#No. 622(掲載号)
# 徳田 敏彦
2025/06/12

相続税の実務問答 【第107回】「未分割についてやむを得ない事由がある旨の承認申請書の提出を失念していた場合の配偶者の税額軽減」

私の夫甲は、令和3年3月に亡くなりました。相続人は、私と甲の先妻の子乙の2名です。相続税の申告書を提出する時には、まだ遺産分割協議中でしたので、法定相続分の割合(それぞれ2分の1)で甲の遺産を取得したものとして相続税の計算を行い、令和4年1月に相続税の期限内申告を済ませました。遺産分割協議が整った際には配偶者に対する相続税額の軽減を適用するため、申告書には「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しました。
その後、私は乙との間で遺産分割の調停手続きを進め、令和7年5月にやっと調停が成立し、私は法定相続分の割合よりも少ない5分の2相当額の遺産を、乙は法定相続分の割合よりも多い5分の3相当額の遺産を取得することとなりました。相続税の申告期限から3年以上が過ぎていますが、配偶者に対する相続税額の軽減の規定を適用することができますか。

#No. 619(掲載号)
# 梶野 研二
2025/05/22

相続税の実務問答 【第106回】「贈与税の期限後申告における配偶者控除及び住宅取得等資金贈与の特例の適用可否」

私は令和6年に母との2分の1ずつの共有の居住用建物を建築し、同年12月末までに父母と私の3人で居住を開始しました。
私の建築資金は、父から贈与を受けました。この贈与については、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例(租税特別措置法第70条の2。以下「住宅取得等資金贈与の特例」といいます)を適用するつもりでした。また、母も父から建築資金の贈与を受けていますが、この贈与については贈与税の配偶者控除の特例(相続税法第21条の6。以下「配偶者控除の特例」といいます)を適用するつもりだったとのことです。
私も母も税金に関しては、あまり知識がありませんでしたので、実際の申告の手続きは、父が知り合いの税理士に依頼してくれることになっていました。ところが今年(令和7年)の1月に、その父が脳梗塞のため入院してしまいました。私も母も「贈与税の特例を適用すれば、贈与税額は算出されない」と父から聞かされていましたので、安易に考え、結局、私も母も贈与税の期限内申告をしませんでした。
父に万が一のことがあったときの相続税の計算にも影響しますから、無申告のまま放置しておくこともできませんので、母共々、今から贈与税の期限後申告をしたいと考えていますが、住宅取得等資金贈与の特例や配偶者控除の特例を適用することはできるでしょうか。

#No. 615(掲載号)
# 梶野 研二
2025/04/17

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例144(相続税)】 「配偶者の実子であり、養子の数の制限にかからないにもかかわらず、制限されるものと思い込み、法定相続人の数を少ないまま相続税の計算を行ってしまい、更正の請求の期限後に相続人から指摘を受けた事例」

X1年3月に死亡した甲の相続税申告において、配偶者は以前に死亡しており、実子1人の他に、配偶者の実子で被相続人の養子となった者が2人いたため、法定相続人は3人であるにもかかわらず、法定相続人に含める養子の数の制限により、養子の数は1人までに制限されるものと思い込み、法定相続人の数を2人として相続税の計算を行ってしまった。

#No. 612(掲載号)
# 齋藤 和助
2025/03/27

相続税の実務問答 【第105回】「特例施行前に贈与を受けた相続時精算課税適用財産が被災した場合」

令和5年度の税制改正により相続時精算課税の適用を受けた財産が一定の災害により被害を受けた場合には、特定贈与者に相続が開始した場合の相続税の計算上、相続税の課税価格に加算又は算入される価額を減額することのできる特例が創設され、令和6年1月1日から施行されているとのことです。
私が贈与によりこのアパートを取得したのは、この特例制度が創設される前ですが、この特例制度を適用することができるでしょうか。

#No. 611(掲載号)
# 梶野 研二
2025/03/19

相続税の実務問答 【第104回】「受贈財産の評価が誤っていた場合の相続時精算課税の特別控除額の是正」

私は、令和5年10月に父からA社の株式600株の贈与を受け、昨年の2月に相続時精算課税を選択して、贈与税の期限内申告を済ませました。申告の概要は次のとおりです。
ところが最近になって、A社の株式の評価額に誤りがあり、正しく計算すると、A社の株式600株の価額は1,900万円であることが分かりました。
相続時精算課税の特別控除額を適用するためには、適用する特別控除額を期限内申告書に記載しなければならないとのことですので、私は次のような修正申告をしなければならないのでしょうか。

#No. 607(掲載号)
# 梶野 研二
2025/02/20

相続税の実務問答 【第103回】「期限後申告における相続時精算課税の選択」

父は、同族会社であるA社の社長を務めていましたが、高齢を理由に令和5年3月末をもって退任しました。父はA社に対して7,000万円の貸付金債権を有していましたが、退任を機にこの貸付金債権を放棄しました。A社の法人税の申告においては、この7,000万円の債務の免除益については益金として所得金額の計算をしています。
最近になって友人から、私の父が貸付金債権を放棄したことによりA社の株価が上昇したとすれば、株主である私に贈与税が課されることとなるのではないかと言われました。友人の助言に従ってA社の株価を計算した結果、やはり1,000万円程度の株価の上昇があり、この利益はみなし贈与として贈与税の申告が必要だったことが分かりました。
今から令和5年分の贈与税の期限後申告をしたいと思います。いわゆる暦年課税では贈与税の負担が大きいことから、この際、相続時精算課税を選択してはどうかと考えていますが、どうでしょうか。

#No. 603(掲載号)
# 梶野 研二
2025/01/23

相続税の実務問答 【第102回】「遺産分割協議により取得した財産の価額以上の「代償金」を交付した場合」

6月に父が亡くなりました。相続人は母、私と弟の3人です。父の遺産は、両親が暮らしていたT市の自宅及びその敷地とわずかな銀行預金などです。11月に、3人の間で、T市の自宅及びその敷地(相続税評価額は6,400万円、通常の取引価格は8,000万円)は母が4分の3、私が4分の1の割合で取得し、父の遺産を取得しない弟には、私から2,500万円の代償金を交付するとの遺産分割協議が成立しました。
遺産総額を8,000万円とすると、弟は、法定相続分4分の1相当額を超える額の代償金を取得したこととなりますが、課税上、問題となることはありますか。

#No. 599(掲載号)
# 梶野 研二
2024/12/19

固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第43回】「同族会社の薬局建物の敷地部分につき「土地の無償返還に関する届出書」の対応範囲ではないことから、相続税評価額は自用地評価の80%ではなく、借地権相当額を控除した価額が認められた事例」

同族会社のオーナーが土地を有し、その上の建物を同族会社が所有し利用している場合のオーナーの土地の相続税評価額の算定方法は、実務上悩ましい問題である。このような場合、同族会社が当初、権利金を支払ったり、相当の地代を支払っているケースは少なく、通常の地代程度を支払っているケースが多いのではないだろうか。しかし、通常の地代を支払ったとしても、本来、支払うべき権利金を支払わなかった場合は権利金の認定課税が潜在的に存在する(法基通13-1-3)。

#No. 596(掲載号)
# 菅野 真美
2024/11/28
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