相続税の実務問答 【第116回】「相続時精算課税を適用した贈与財産が無価値になった場合」
私は、非上場会社であるA社の経営を父から引き継ぐことを前提に、平成25年に、A社の株式の贈与を受けました。その評価額は、3,000万円と高額であったため、贈与税の申告に当たり相続時精算課税を選択しました。ところが、新型コロナ感染症蔓延の影響を受け、令和3年6月にA社は倒産してしまいました。
令和7年10月に父が亡くなりました。父から贈与により取得した資産で相続時精算課税の適用を受けたものは、その価額を相続税の課税価格に加算しなければならないとのことですが、A社は倒産し、その株式の価値はなくなってしまいました。それでもA社の株式の贈与を受けた時の価額3,000万円を相続税の課税価格に加算しなければならないのでしょうか。
租税争訟レポート 【第83回】「内縁関係の認定と扶養義務者の範囲」(第1審:静岡地方裁判所令和6年3月14日判決、控訴審:東京高等裁判所令和6年12月12日判決)
本件は、原告が、沼津税務署長から、原告名義の普通預金口座に入金された金員のうち、甲が原資を出捐した金員について、原告が甲から贈与により取得した財産であるとして、平成30年12月19日付けで、平成24年分から平成同29年分までの各年分の贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分を受けたため、本件各金員の一部は原告が取得したものではなく、その余の本件各金員は、甲から内縁関係にある原告に対する生活費又は両者の実子及び原告の連れ子の教育費等の婚姻費用分担義務の履行として受領したものであって、贈与により取得した財産ではなく、そうでなくとも、扶養義務者相互間における生活費又は教育費に充てるためにした贈与に係る贈与税の非課税財産を定めた相続税法21条の3第1項2号の規定が適用されると主張して、国を相手に、本件各処分の取消しを求める事案である。
〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第5回】「相続時精算課税と相続税の2割加算(その1)」
祖父Aは孫Cと令和4年8月に普通養子縁組を行った。
その後、令和5年2月に祖父Aから孫Cへ土地1,000万円を贈与し、孫Cは相続時精算課税制度を選択した。
令和6年1月に祖父Aの子である父B(孫Cの父)に先に相続が発生し、その後令和7年2月に祖父Aに相続が発生した。
この場合、祖父Aに係る相続税で孫Cが相続時精算課税制度により贈与された財産は相続税の2割加算の対象になるのか。
相続税の実務問答 【第115回】「相続時精算課税が適用される贈与の課税漏れがあった場合の贈与税額控除」
私は、平成16年4月に父から、非上場会社であるA社の株式の贈与を受けました。その評価額は、3,000万円と高額であったため、贈与税の申告に当たり相続時精算課税を選択しました。その父が、令和7年3月に亡くなりましたので、父から相続により取得した財産の価額に、相続時精算課税を適用したA社の株式の贈与時の価額3,000万円を課税価格に加算して相続税の申告をするつもりです。
ところで、平成20年5月に、父がA社に対して債務免除を行い、その結果、私の有するA社の株式の価額が2,000万円上昇したことから、その増加益について父から贈与があったものとみなされ、贈与税の申告が必要だったにもかかわらず、その申告を失念したまま、既に申告期限から17年ほどが過ぎてしまいました。このみなし贈与については、今から贈与税の申告をすることはできませんが、相続税の課税価格への加算は必要であるとの説明を受けました。
そこで、平成20年5月に受けたみなし贈与の金額については、相続税の課税価格に加算して相続税の申告をすることとしますが、その際に、このみなし贈与について本来であれば課税されていた贈与税相当額を相続税額から控除することはできますか。贈与税額の控除が認められないとすると、贈与税についてもはや課税がされないはずであるにもかかわらず、贈与税が課税されたのと同様の結果となってしまい、不合理ではないでしょうか。
相続税の実務問答 【第114回】「贈与税が課税されていない相続時精算課税贈与の相続税の課税価格への加算」
私は、平成16年4月に父から、非上場会社であるA社の株式の贈与を受けました。その評価額は、3,000万円と高額であったため、贈与税の申告に当たり相続時精算課税を選択しました。その父が、令和7年3月に亡くなりましたので、父から相続により取得した財産の価額に、相続時精算課税を適用したA社の株式の贈与時の価額3,000万円を課税価格に加算して相続税の申告をするつもりです。
〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第4回】「特定贈与者である父と母から贈与を受けたその年の中途で父が亡くなった場合の相続税及び贈与税の課税価格に加算される贈与財産の価額」
子Cは、令和7年2月に特定贈与者である父Aから現金2,000万円の贈与を受け、同じく特定贈与者である母Bから令和7年7月に株式200万円の贈与を受けた。
その後、令和7年8月に父Aが亡くなった。
子Cは過去に父A、母Bいずれからの贈与にも相続時精算課税制度を選択している。
この場合に、父に係る相続税の課税価格に加算する金額、母からの贈与に係る贈与税の課税価格に算入される金額はどのようになるのか。
相続税の実務問答 【第113回】「人身傷害保険金に対する相続税課税」
私の父が、自動車を運転中に自損事故を起こし、死亡しました。相続人は私一人です。父は、自動車保険契約を締結しており、その保険料を支払っていました。この保険契約に適用される普通保険約款中の人身傷害条項に基づき、相続人である私に2,000万円の人身傷害保険金が支払われました。この保険金は、相続税の申告に含める必要があるでしょうか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例151(贈与税)】 「期限内の相続時精算課税選択届出書及び贈与税申告書の提出を失念したため、結果として暦年課税制度での申告となり、過大納付が発生してしまった事例」
令和X年に貸家及びその敷地の贈与を実父から受け、相続時精算課税制度による贈与税の申告を依頼されたが、相続時精算課税選択届出書及び期限内の贈与税申告書提出を失念してしまったため、結果として暦年課税制度での申告となってしまった。これにより贈与税が過大納付となり、過大納付税額につき賠償請求を受けた。
〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第3回】「特定贈与者より先に相続時精算課税適用者が死亡し、相続税申告で相続時精算課税適用財産の申告漏れがあった場合の対応と加算税の取扱い」
父Aから子Bへ令和2年1月に贈与があり、子Bは相続時精算課税を適用した。
令和4年2月に子Bが父Aより先に死亡した。子Bの相続人はBの子である孫Cの1名である。
令和6年6月に父Aが死亡し、相続財産は代襲相続人である孫Cが1名で全て相続した。
孫Cは父Aに係る相続税の期限内申告で、子Bの相続時精算課税適用財産を申告漏れしていた(子Bの氏名等を相続税の期限内申告書に記載していない)。
このような場合に申告期限後に相続時精算課税適用財産の申告漏れを是正するために孫Cはどのように申告すべきか。また、加算税はどうなるのか(この申告漏れを是正する申告は更正決定等を予知してされたものではない)。
相続税の実務問答 【第112回】「平成15年に相続時精算課税を選択し住宅取得資金贈与の特例を受けていた場合の相続税の課税価格への加算」
令和7年2月に父が亡くなりました。相続人は、私だけです。父の遺産は、土地や建物、銀行預金など併せて3億円ほどありますので、相続税の申告をしなければなりません。
私は、平成15年に住宅取得資金として父から2,500万円の贈与を受けましたが、相続時精算課税を選択し、かつ、当時の住宅取得資金贈与の特例を適用して贈与税の申告をしましたので、贈与税は納付していません。下の表は、平成15年分の贈与税の申告書の控えから抜粋した平成15年分贈与税の申告内容です。
相続時精算課税を選択した場合には、その時期がいつであるかにかかわらず、贈与者に相続が開始した場合には、相続時精算課税に係る贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算しなければならないとのことですが、私の場合、相続税の課税価格に加算する金額はいくらになりますか。
