〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載15〕 事業承継税制と認定(贈与)承継会社の合併
事業承継税制(措法70の7から70の7の4)は、会社の経営権を委譲するために、現経営者から後継者へ非上場株式を移転したときに課税される贈与税・相続税の納税を猶予する制度である。
事業承継の円滑化に資すること、事業の継続・発展を通じた雇用の確保と地域経済の活力を維持することという政策目的を達成するため、制度適用時以後、納税が免除されるまで、多くの要件が定められている。一つでも要件を満たさなければ納税猶予の期限が確定、つまり納税猶予は打ち切られ、猶予中贈与税額・猶予中相続税額を納税することになる。
認定(贈与)承継会社が消滅することは納税猶予の打切り事由であるが、これには合併による消滅も含まれる。合併により納税猶予が打ち切られれば、認定(贈与)承継会社は合併を躊躇することにもなり、結果的に雇用確保や地域経済の活力維持という目的も達成できなくなることもありえる。
後発的事由による更正の請求と未分割財産
Q 父の2回目の命日に、母と私と兄と姉の4人は、協議によりその遺産分割を完了しました。法定申告期限までに相続税の申告書は提出済みですが、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の減額特例を適用したところで申告し直したいと思います。更正の請求は、いつまでにすればよいのでしょうか。
租税争訟レポート【第6回】税理士の過失による損害賠償義務と納税者の過失相殺(税理士損害賠償請求事件控訴審判決)
●[平成19年10月31日]相続税の申告書を提出、法定納期限までに相続税を納付
●[平成20年8月]東京国税局の税務調査開始
●[同年11月28日]承継前被告税理士は、税務調査中に、「体調が悪い」ことを理由に、同月30日をもって委任契約を解除するファクシミリを送信
●[平成21年2月17日]原告は、修正申告を行い、相続税を納付
●[平成21年3月30日]本郷税務署長により、過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分
●[平成21年10月]第一審原告が、東京地方裁判所へ損害賠償請求訴訟提起
●[平成23年3月15日]承継前第一審被告税理士が死亡し、相続人らが訴訟を承継
●[平成24年1月30日]第一審判決言渡し、被告(控訴人)控訴