法人税の解釈をめぐる論点整理
《減価償却》編
【第2回】
弁護士 木村 浩之
(前回はこちら)
3 固定資産の取得価額
(1) 問題の所在
固定資産の取得価額は、減価償却の計算の基礎となるものであり、ある費用が固定資産の取得価額に算入されるか否かによって、損金算入のタイミングが異なることになる。また、少額の減価償却資産等の該当性を判断するに当たっての基礎ともなる。
そこで、税務調査等においては、「特定の費用が取得価額に含まれるか否か」が問題となることが多いといえる。
法人税法においては、固定資産の取得原因ごとに取得価額の計算方法が規定されているが、以下では、その代表的なものとして、資産を購入した場合の取得価額を例にして解説することとしたい。購入資産の取得価額については、次に掲げる金額の合計額とされている(法令54①一)。
〈購入資産の取得価額〉
① 資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
② 資産を事業の用に供するために直接要した費用の額
このことから明らかなように、資産の購入代金のみならず、その運賃や手数料などの資産の取得に付随する費用も含まれる。また、それ以外にも、資産を事業の用に供するための費用も含まれるとされており、結局のところ、資産の稼働開始に至るまでの支出の総額が取得価額となることに注意する必要がある。
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