延滞税の除算期間に係る計算期間の特例の見直しについて
~最高裁判決を受けた平成28年度税制改正事項~
税理士 佐藤 善恵
はじめに
延滞税は、法定納期限までに国税が完納されなかったときに、未納額及び遅延期間に応じて課されるものであるが(通法60)、長期間に遡って更正処分がされた場合等は、延滞税の計算期間から一定期間を除くこととされている(通法61)。
これが、いわゆる「除算期間」(計算期間の特例)である。
この除算期間は、税務調査による更正・決定等の時期が税務官庁の事務都合で左右されることから、それによる各納税者の延滞税の負担の違いを救済するといった趣旨によるものである。
平成28年度税制改正では、この除算期間について新たな条項が追加され見直しが行われることとなった(通法61②)。
なお、この改正は、最高裁平成26年12月12日判決が契機となったものであり、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用される。
本稿ではこの改正内容について解説を行う。
1 従前からの計算期間の特例
修正申告書の提出又は更正があった場合、偽りその他不正の行為に係る部分等を除き、次の期間が延滞税の計算期間から除かれる(通法61①)。したがって、重加算税が課された場合等は、この特例の適用はない(参考:昭和51年6月10日徴管2-35外「延滞税の計算期間の特例規定の取扱いについて」)。
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