〈あらためて確認したい〉
「相続時精算課税制度」適用上の留意点
税理士法人トゥモローズ 代表社員
税理士 角田 壮平
◆ は じ め に ◆
相続時精算課税制度(相法21の9、措置法70の2の6)は、高齢者の保有する財産を早期に若い世代に移転し、その移転財産の有効活用を通じて経済社会の活性化を資することを趣旨として平成15年に創設された生前贈与の制度である。
当該制度の創設時から平成27年までの適用人員及び取得財産価額は下記の通りである。
(※) 国税庁資料を元に筆者作成。
平成19年をピークとして逓減しているものの、近年でも毎年5万件程度の適用件数があり、6,000億円前後の財産が相続時精算課税制度により次世代に移転している。
この制度が創設されて15年弱が経過し、長寿化・高齢化等社会情勢も変化していることから、本稿では今一度、この制度について税理士が特に留意すべき点を贈与時と相続税申告時とに時点を分けて確認していきたい。
1 贈与時の留意点
(1) 顧客に対するリスク・デメリットの説明及び共有
「相続時精算課税による贈与を実行したい」と顧客から言われた場合や税理士から相続時精算課税による贈与を提案する場合においては、顧客に対し相続時精算課税のリスクやデメリットについて丁寧に説明し、お互いにそれらを共有することが必須となる。
下記に相続時精算課税を選択したことによるリスクやデメリットを再確認したい。
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