活力ある会社を作る
「社内ルール」の作り方
【第2回】
「就業規則を作る時に必要な視点」
特定社会保険労務士 下田 直人
〈就業規則は必要なくなるのか〉
前回は、「権利と義務で統治することの限界」というテーマで、「権利と義務」での統治はどんどん窮屈な会社を作っていくということを述べさせていただいた。
このやり方が進んでいくと
目的達成のために「自分たちがやるべきこと」をやる。
という積極前向きな姿勢ではなく、
決まったことだけやればいい。
(組織にとって好ましくないとわかっていても)決まりがないからやってもかまわない。
という消極的な組織が出来上がってしまう。
そんな社員の集まりでは、スピードが要求される現在に対応できない。
これからの世の中では、「権利と義務」による統治ではなく、「価値観」や「理念」をベースにした企業統治によって、
目的達成のため、自分たちが大切にしているものの実現のために「やるべきことをやる」。
という前向きな組織風土が大切である。
それでは、「権利と義務」が詰まった就業規則は、必要なくなるのであろうか。
私はそのようには考えない。
そこで今回は、就業規則を作成する際に必要な視点について述べてみたい。
〈法律的観点から見た就業規則〉
就業規則は、従業員が会社で働く上で必要な労働条件や服務規律等を定めたものである。
労働基準法の観点からみると、常時10人以上の従業員(法的には「労働者」と言っている)を使用する事業場においては、作成し、従業員に周知し、労働基準監督署へ届け出る義務を負っている。
また、その内容についても、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)や社内にそのようなルールが存在するならば、文書化しなければならない事項(相対的記載事項)というものがあり、規則化しなければならないことが決まっている。
しかし、これは反対から解釈すれば、それだけしか書いてはいけないということではない。
つまり上記の項目さえ具備されていれば、それ以外のことを書いてもかまわないのである。
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